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コンテクストを意識したコンテンツの最適化を

インターネット登場以前のメディアは、送り出す側が受け取る側に向けて一方通行に情報発信を行っていた。そしてWebのような双方向性のメディアにより、受け取る側の立場に立ったユーザ中心の情報の組み立て方が送り出す側に求められるようになった。さらにWeb2.0といわれるブログやSNSなどの消費者発信型メディア(CGM)の登場ですべての人が表現者、発信者となる時代が到来した。そしてデータとしての情報は複数のチャネルを統合したクロスメディアによる運用が主流となってきた。

こうした時代において、従来の情報発信の専門家やメディア産業に関わってきた職業人はどうあるべきか。

CGMの台頭によってメディア環境が急激に個人化し、複数チャネルが統合した時代のメディア制作ビジネスを成功へと導く鍵のひとつは、データは他のデータと関係性を持つことによってまとまりとしての情報へと生まれ変わるという基本を理解しておくことである。
つまり、すでにある身の周りの膨大なコンテンツに、なんらかの文脈=コンテクストをもたせるという作業が一層求められる。

コンテンツにコンテクストを持たせる、コンテクストを意識したコンテンツを最適化するという作業を重ねていくと、その周りのコミュニティに気づくようになる。経営組織、学術研究の分野、地域と、それぞれに多様なコミュニティが存在している。自分の周りにどんなコミュニティがあるのかということに自覚的にいることは、無駄ではない。

コンテンツを送る側であるメディアビジネスの専門家には、基盤としてのコミュニティをどう捉えるか、ユーザとのコミュニケーションの全体像を企画/設計する能力が求められている。

◆関連情報

9月21日に行われる受け取る側の立場に立った「情報デザイン」とは?のセミナーでは、クロスメディアやWeb2.0の時代にコンテクストを意識したコンテンツの最適化の考え方と方向性、実践のためのプロセスを紹介する。
メディア制作に携わる方々にはぜひご参加いただきたい。

2006/09/11 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会