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ネット時代のライセンス許諾

デジタルコンテンツ制作において、画像、音楽、イラスト等の著作物の権利侵害から起きるトラブルを未然に防ぐためには、知的財産権への十分な理解が必要である。
ネット上では著作権管理団体だけでなく、多数のユーザが監視役となる。さらに、パクリ疑惑のあるものはブログや巨大掲示板等を介して瞬時に情報が広まる。その結果、企業としての信頼を失い、ビジネスに多大な影響を与える場合も多い。

著作権の管理団体、関連団体は数多い。各団体が横断的に参加している「デジタル時代の著作権協議会」のような組織もあり、利用許諾処理をスムーズに行う取り組みが進められている。
例えば(社)日本音楽著作権協会(JASRAC)のように、管理楽曲のデータベース(J-WID)や、インターネットや携帯電話等のネットワーク上での利用申込み(J-TAKT)をオンライン化している団体もあるが、一方でどこが相談窓口なのか、一見しただけはわかりにくい団体のWebサイトも未だ存在する。

ユーザ視点で考えられたライセンスシステムとして、クリエイティブ・コモンズがある。法律、技術に関する専門知識がなくても、サイトから表示、非営利、改変禁止、継承を意味する4つのアイコンの組み合わせを選択するだけでライセンス登録できる。
インターネットを通じて世界に自分の創作物のライセンス許諾条件を提示するとともに、登録作品から自分の条件にあった作品検索も可能だ。
クリエイティブ・コモンズのライセンスは3層構造をとっている。コモンズ証(一般的な著作権表示)、ライセンス(現行著作権法のもと、許諾内容を法的に担保する条項)、メタデータ(検索・共有・管理を簡便化)を保証することを目的としているからだ。

日本における活動組織、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンでは、こうしたライセンス登録、作品検索とともに普及・啓蒙活動も熱心に行っている。
このライセンスは、あくまで利用許諾条件の雛型(見本)である。だが、その約束は法律で守られている。同サイトでは日本の著作権法と整合性の取れる形で公開されている。

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2006/09/16 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会