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生産工程におけるコスト(標準原価)をシミュレーションするツールの開発

利益創出を求める企業において、生産部門で実施される生産活動の標準原価の把握は、作業の改善や販売価格の設定などにおいて、避けては通れない管理項目の一つです。それも事後のコスト把握ではなく、見積もり段階や生産計画段階で、予想される標準原価を把握し、利益の水漏れを防止することが重要と言えます。

■工程で発生するコスト(標準原価)をシミュレートする機能
 またコスト的に最も有利な手順計画(機械選定など)を前提にすることで、長期的にも最も合理的な生産活動が実現できます。そのためには、受注仕様や機械稼働状況、標準工数などを基に、刷版、印刷、製本などの作業で発生するコスト(標準原価)を、自動計算する「シミュレーション機能」が必要となります。

■標準原価のシミュレーション・ツールの開発
 JAGATではこれまでの会員印刷企業様との豊富なお付き合いや各種情報の収集によって、現場で発生するコストの構造を論理的に構築することで、受注1点ごとに外注を含めた生産システムの標準コストを自動算出するシミュレーション・ツール(Excelベース)を開発いたしました。本システムは「受注仕様」という入力情報「のみ」によって、自動的に標準原価算出を可能としている点が大きな特長です。図1には入力画面のイメージが載せてある。

 
▲図1 受注仕様の入力画面

このような入力に対して、図2のように各標準原価を積み上げた工程別コストの算出を実行する。

 
▲図2 コスト自動算出のシート

自動算出が実行され、その結果を出力として表示する。
図表3では、刷版工程、印刷工程(機械はオフ輪と枚葉)、用紙、製本などのコストを積み上げ、1部あたりの標準原価を印刷機の各号機に対してグラフで表示している。

 
▲図3 自動算出結果の出力イメージ

■シミュレーションツールの活用シーン
(1)出力された標準原価から、他のアプリケーションとの連携などによりコスト的に有利と言える手順計画(機械取りなど)や工程山積みなどを立案することが可能になる。
(2)営業の販売の値付け(プライシング)などの参考データとして活用することが可能である。
(3)見積もり作業や日程計画作業の効率化、業務量の削減に結びつく。

■シミュレーションツールのセミナー
 現在、多くの中小・中堅印刷業では利益創出を事業ミッションとするものの、見積もり、コストコントロールの両面で利益の水漏れが起こっております。
 そこで今回、上記メリットをもたらすJAGAT開発のコストシミュレーション・ツールの活用、運用の習得を目的とした、セミナーを開設する運びとなりました。  講座の中では、ツールの構造を解析することで、コストの構成要因や算出ロジックを解説し、コストコントロールの考え方を説明します。さらに、実際にツールを使ったシステムの構築運用を目的としたツールの使用方法、カスタマイズ方法などの習得を進めます。なお、本講座で使用するツールの適用範囲は、刷版、印刷、製本において、端物を想定したコスト算定ツールになります。

2006/10/12 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会