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凸版印刷/非接触タグでグラビア印刷シリンダーを管理

凸版印刷株式会社は、このたび、パッケージ品種の関西の生産拠点である福崎工場(兵庫県神崎郡)に、グラビア印刷シリンダー管理用の非接触タグを導入しました。これにより、シリンダーの固有番号管理が容易になり、管理コストの削減に成功しました。


<背景>
福崎工場には、鉄製またはアルミ製の金属でできた印刷シリンダーが1万5千〜2万本あり、管理面での正確さを問われるとともにコスト面でも負担となっていました。
非接触タグ導入以前は、シリンダー自体に刻印したり、バーコードラベルを貼るなどして番号管理を試みていましたが、シリンダーは、メッキ、インキ、油、汚れ、水、薬品洗浄、電圧などの影響下で使用されるため、刻印やバーコードが短期間で認識不可能になるという欠点がありました。
非接触タグは、既存のバーコードやOCRメディアではできないアプリケーションを可能にします。

<福崎工場の印刷シリンダー管理システムの特長>
非接触タグ約2万個、専用アンテナとリーダ2セットを導入しました。
固有番号管理により、金属シリンダを管理します。
シリンダーの寸法には個体差があり、この採寸データを固有番号管理します。
製版作業を行なうFAマシンに投入する際、FAが指定するシリンダーを非接触データの読み取りによりマッチングさせ、正確に投入します。

<効果>
非接触タグ導入により、専用アンテナによる読み取りだけで印刷シリンダーの固有番号を管理することが可能となりました。
シリンダーへの非接触タグ貼付方法に関するノウハウを持っているため、過酷な使用環境においても問題なく機能しています。
印刷シリンダーの取り扱いに関する管理コストが大幅に低減しました。

<価格>
今回のシステム代は非接触タグを除き、約300万円。当社は、今回のシステムノウハウをパッケージ化し、得意先にも販売していく方針です。
<主要ターゲット>
各種金型管理、レンタル機器・物品管理などが必要な物流分野、各種工程管理、図書館、アミューズメントなどの市場

<今後の展開>
当社他工場への導入を図ります。
得意先に対して、タグ製造・供給からハードウエアの供給、アプリケーション開発まで、システムをパッケージ化して販売していきます。

以上

1999/08/09 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会