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凸版印刷/外部磁界から通帳をガード「磁気保護通帳ケース」を販売開始

凸版印刷株式会社はこのたび、通帳の読み取り不良による銀行とお客様のトラブルを未然に防ぐ、「磁気保護通帳ケース」の販売を開始しました。最近頻繁に発生している、通帳の磁気データが破壊される問題を解決し、銀行業務の効率アップに貢献します。

<背景>
数年前より、磁気記録が外部磁界の影響で一部欠落し、銀行のATM等の機械で記帳する際に、読み取り不良となる事故が多発しています。
通帳用の磁気テープの保磁力を上げることで、ある程度の読み取り不良を減少させることは可能ですが、ATMや通帳発行機等の改造や通帳の作り直しが必要なため、多額の費用がかかります。
読み取り不良の原因としては、携帯電話のスピーカー部・健康磁気器具・ハンドバックの留め金部分等の磁気等が主な原因と想定されます。最近は、特に携帯電話の急速な普及により、読み取り不良が増加していると推測されます。

<ねらい>
通帳を再発行することによる銀行側の事務処理の煩雑さを解消し、お客様とのトラブルを未然に防止することができます。
通帳関連商品も含めた提案を行うことにより、通帳本体の受注獲得を狙います。

<製品の特長>
ケース内に鉄箔を挟んだ厚紙が組み込まれており、外部磁界からの影響を弱めます。(当社実験)300oe(*)の保持力を持つ磁気テープは、200ガウス以上の外部磁界の影響を受けると、読み取り不良が起こります。当社の実験では、従来の通帳ケースでは携帯電話のスピーカー部の磁力(400ガウス程度)に接触させた場合、読み取り不良になりましたが、磁気保護通帳ケースに入れて同条件で接触させた場合、読み取り不良が起こらないという結果がでました。ただし、読み取り判定は、リーダーの種類・携帯電話の機種によって異なります。
ケース自体の素材は、環境保護の観点から有害物質を含まない非塩ビタイプ(ポリプロピレン)を使用しています。

<主要販売先>
各金融機関

<価格>
10万部発行で、1部約100円

<開発期間>
約1年

<販売目標>
初年度約5千万円

<今後の具体的な活動>
各金融機関で使用している通帳ケースと替わるものとして、拡販をしていきます。

以上


*oe(エルステッド): 保磁力の旧単位。この値が大きいほど、磁石に対する抵抗力が高くなる。


1999/08/09 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会