Webブラウザからサーバ上の自動組版を実行するWeb to プリント+自動組版システムが注目されている。
また、名刺・ハガキ・個人出版・アルバム製作やウェディング関連分野では、個人向けの印刷発注ポータルサイトが普及し、利用も急増している。さらに今後も新しいサービスやビジネスが誕生していくだろう。
InDesign Serverは、このようなWeb経由の自動組版システム構築に適した製品である。テキスト&グラフィックス研究会では、アドビシステムズの阿部成行氏に、InDesign Serverについて話を伺った。
■InDesign Serverの概要
InDesignには、レイアウト、文字組版、グラフィックスを扱う機能、複数のページを構成する機能とさまざまな形態への出力機能がある。それらにパレットやメニューというユーザインタフェースが付加されたものが、通常のデスクトップ版InDesignである。
サーバ版であるInDesign Serverは、デスクトップ版InDesignと同じエンジンを持っているが、ユーザインタフェースを取り除いたバージョンである。InDesign Serverにプラグインやユーザインタフェースを付加して、初めて1つのソリューションとして使用することができる。InDesign Server上で作ったドキュメントからPDFも作れるし、イメージファイルも生成できる。InDesign Server上で生成したドキュメントを、多様なフォーマットに保存・出力して活用することができる。
InDesign Serverのライセンスモデルには、Limited、Standard、Premiumという3つのカテゴリーがある。Limitedは小規模ワークグループ向けのソリューションを想定しており、ファイアーウォール内(LAN環境)の中に限定されている。Standardはイントラネット内に限定され、不特定多数のクライアントには使わせてはいけない。
Premiumはファイアーウォール内外に展開して利用することができる。例えばポータルサイトにInDesign Serverの組版エンジンを組み込み、ユーザがテキストを放り込むと自動で組版されてPDFとして受け取るようなサービスも可能である。Premiumは、InDesign Serverによる新しいビジネスモデルを構築する可能性を秘めていると言える。
■InDesign Serverの動作
InDesignでは、ある構造のタグ付きテキスト(XML)を読み込むと、対応付けられたテキストボックスなどの場所に自動的に読み込まれ、かつスタイルが自動的に設定され、読み込むだけで一定のレイアウトができる。
この機能を利用すると、データとレイアウト情報を別々に管理するデータベースパブリッシングも容易であり、Webでのデータの2次利用も容易に実現することができる。
例えば、商品データベースのXMLデータがあるなら、このような方法で印刷物を製作することができる。Web展開するには、Adobe FlexというFlashベースの技術で作ったWebアプリケーションに読み込む。同じXMLデータを使いながら、非常に使いやすいリッチなインターフェースを提供することができ、eコマースを構築することができる。XMLの商品データベースができているなら、Web系のカタログビジネスにも容易に展開することができる。
■InDesign Serverの利用事例
米国のコダック社では、個人向けにWeb経由でプリント指示と注文を受け、印刷物を提供するサービスを実施している。
コダックは、ユーザに画像データをストレージするサービスを無償で提供しており、その画像データを使用してフォトアルバムを印刷し提供するというサービスをおこなっている。
ユーザはテンプレートを選び、写真を必要なページに貼り付ける。レイアウト調整やメッセージ挿入も自由におこなえる。シンプルなWeb to プリントの事例である。
これがFlexのインターフェースによって使いやすくできており、組版ソフトのような高度なことがWeb上で実現できてしまう。
(この続きはJagat Info 2007年10月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報誌 Text & Graphics No.260に掲載しています)
2007/10/20 00:00:00