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QuarkXPress8日本語版の機能と特徴

レイアウトソフトウェアQuarkXPressは、日本国内でもユーザは多く、これまでこのソフトウェアで制作されてきたデータ資産は少なくない。現在開発中の新バージョン「QuarkXPress8日本語版」は、新機能の追加はもちろん、ユーザの要望に対し従来からの機能の見直しもおこない、全言語バージョンが世界同時発売となる。また、生産性、クオリティ、多様なメディアへの対応等の開発に力を入れ、機能面だけではなく、新しいユーザーインターフェースを搭載し、使い勝手を向上させている。

日本語文字組版の新機能などを実装し、DTP制作の中核を狙うレイアウトソフトウェア「QuarkXPress8日本語版」のバージョンアップのポイントについて、クォークジャパンの河野博史氏にお話を伺った。

Xperience Designと新ワークフロー

デスクトップ製品として「QuarkXPress8日本語版」、エンタープライズ向けとして、Quark Publishing SystemとQuarkXPress Serverの日本語版を現在開発中である。また、主要なサードパーティー製エクステンションは、製品リリースと近い時期にリリースできるよう各デベロッパーと密に連絡をとっている。「QuarkXPress8日本語版」は2008年7月31日出荷開始予定、エンタープライズ向け製品は、2008年中に販売開始予定で準備を進めている。

「QuarkXPress8日本語版」は、Xperience Designと新ワークフローというテーマに沿って製品開発を進めている。Xperience Designとは、Illustrator/Photoshopネイティブファイル対応やドラッグ&ドロップによるコンテンツレイアウトをはじめとした最新機能による直感的なクリエィティブワークの経験を表している。

これまで作成されたバージョン3、4、6の既存ファイルと、これまでマスターしたQuarkXPressの操作スキルを、最新バージョンですぐに使うこともできる。
フォントの互換に関しては、バージョン3のファイルでは、OCFフォントを使っている場合があるので、フォントの置換がある場合には文字組が変わる可能性がある。しかし、バージョン4、6は同じ組版エンジンを使っているので、同じフォントを使用すれば同じ体裁が維持できる。

また「QuarkXPress8日本語版」では、PDF/X1-aやX-3といったPDF書き出し機能の強化やプリフライトチェック機能の標準搭載など、安全且つ効率的なワークフローを提案しているのも特徴である。

もう1つのトピックとして、海外ファイルの利用がある。「QuarkXPress8」はグローバルファイルフォーマットになり、その結果、各国対応のハイフネーション辞書を日本語版でも搭載し、既存の海外ファイルもすべて利用することが可能になる。また、従来開くことができなかった海外のファイルもそのまま開くことができ、日本語編集したファイルを海外バージョンの「QuarkXPress8」で開くこともできる。

各種改良

「QuarkXPress8日本語版」では、ツールやパレット類のデザインを変更している。この変更は見た目だけではなく、より使いやすく感覚的に操作できることを目指した変更となっている。作業時に必ず使うメジャーパレットには、タブのボタンが設定され、このボタンを押すことでパレットの内容を変更でき、レイアウトを直接見ながら編集作業を進めていくことができる。

ページレイアウトウインドウは、ウインドウ分割機能によって分割することができる。1つのウインドウを複数に分割し、それぞれ違うページを表示したり、1つのウインドウで画像だけを拡大して使用する。同じウインドウを作ることもできるので、デュアルディスプレイで仕事をする場合、1つのモニターでは常にページ全体を表示して、もう1つのモニターで細かい作業をすることも可能になる。

使用状況のダイアログでは、海外で多くの印刷会社から、拡大したいというリクエストがあった。バージョン6以前では、スクロールバーを動かして画像の状況を調べなくてはならなかったが、ウインドウ自体が拡大できるようになり、多くの画像を使っている場合も一目で状態がわかる。


(続きはJagat Info 2008年6月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報 Text & Graphics No.267に掲載しています)

(テキスト&グラフィックス研究会)

2008/06/18 00:00:00


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