■生活に溶け込んだFeliCa
FeliCaを利用した非接触ICカード決済サービスにおいて、Edyが約3600万枚(2008年1月1日現在、携帯含む)、Suicaが約2300万枚(2007年12月末現在、同)、PASMOが約660万枚(2007年12月末現在)導入されている。おサイフケータイに関しては、累計で4400万の端末が出荷されている。さらに、PASMO、Suicaにおいては相互乗り入れにより、首都圏の交通機関106社での利用が可能となり、ICカードの利便性が増している。
また、Felicaポートにおいては、主要4社からFelicaポート搭載のPC出荷などにより、累計出荷数で600万台を突破していることから、今後さらなるFeliCaを利用したサービスの普及が見込まれている。
■FeliCaポケットの仕組み
FeliCaポケットとは、ICカードの共通領域上にFeliCaポケットフォーマットが搭載されたカードで動作する。ポイントやスタンプラリー、クーポン、会員認証、クローズドマネーなどのロイヤルティプログラムを立ち上げるためのパッケージツールである。
特徴は、1枚のカードに複数サービス(最大8つ)の搭載ができ、カード発行後でも端末にタッチするだけで自由にサービスの追加削除が可能で、パッケージソリューションのため、早く、安く、簡単に導入が可能である。おサイフケータイでは、専用アプリをダウンロードすることで、同様のサービス提供もできる。
■広がるサービス
フェリカポケットマーケティング株式会社は、資本金4億円、ソニー(60%出資)、ぐるなび、大日本印刷、三井物産、丹青社の5社連合により「FeliCaポケット」を推進していく会社として2008年1月に設立された。現在、フェリカポケットマーケティングでは、「FeliCaポケット」の引き合いが多く、さらにサービスを提供できるよう、パートナーを求めている。
現在は、乗車券や決済サービスを行うために、駅やコンビニでの利用シーンが一般的であるが、今後は、ポイントやスタンプラリー、クーポンなどのサービスを活用することで、スタジアムやコンサート会場、観光地、商店街など中小規模の事業者でも利用が見込まれている。
FeliCaポケットのさらなる普及とサービスの充実を推進し、新たにCRMサーバを自社で開発し「FeliCaポケットCRMパッケージ」として提供していく。
■フェリカポケットマーケティングが提供するCRMパッケージ
いろいろな場に端末を設置し、そこにFeliCaポケット対応の携帯やカードをかざすことで、その場でカード内の情報や個別でユニークなカードNOが、端末に吸い上げられる。セキュリティの高いポケット内のポイント数や、バリューなどの情報がログとして端末にたまることになる。
端末にたまったログを回線でデータベースにアップロードし、これをCRMサーバからWeb経由で導入事業者は確認する。
FeliCaポケットカードには、8つのポケットがある。専用端末があり、カードをかざすとフェリカポケットマーケティングのサーバにユーザーの行動履歴が入ってくる。そして、管理画面を事業者のほうで確認する。事業者には、インターフェイスを公開しているので、事業者のデータベースにデータを落とし込むことも可能である。
個人情報は、自社のデータベースで結び付けるという顧客もいれば、フェリカポケットマーケティングもサーバ側に個人情報の機能も持っているので、そこからメール配信なども可能になっている。端末を販売するということではなく、端末とCRMをパッケージにして年間の利用料をいただくというビジネスで考えている。
(この続きはJagat Info 2008年8月号、詳細報告はクロスメディア研究会会報 VEHICLE 231号に掲載しています)
2008/08/30 00:00:00