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ハイデルベルグ/「ハイデルベルグSM74DI」1号機は世界に先がけて日本へ出荷

ハイデルベルグ社は今般、同社のスピードマスター74 DIの第1号機が日本に向けてウィスロッホ工場から出荷されたことを発表しました。

 スピードマスター74 DIは、第1弾のGTO-DI (1991年)、第2弾のクイックマスターDI 46-4 (1995年) に続く、ダイレクトイメージングシリーズの最新鋭機であり、今後ますます需要の拡大が予想されるショートランカラー市場へのハイデルベルグ社の第3弾といえるもの。

 同機のデビューは昨年 (1998年)9月のIPEX展ですが、新製品の発表後一年を待たずして市場への出荷が行われたことは、ショートランカラー市場の要求が、A3サイズ (クイックマスターDI) のみならず、A2サイズにまで拡大してきていることを示しています。

 スピードマスター74 DIには、現在4色機から6色機までの3機種が発表されていますが、9月に開催されるIGAS展では、反転装置付きの5色機が出品され、会期終了後、株式会社ローヤル企画 (本社: 千代田区、代表取締役: 松浦豊) に納入される模様。 また、12月には、ハイデルベルグ・ジャパン (株) の東京ショールームに次の新台が設置され、プレゼンテーションも開始される予定。

 ハイデルベルグ本社のワルツ氏は、「スピードマスター74 DIのオーダーのほぼ75%は、現在クイックマスターDIを使用しているユーザーから来ている。このことは、クイックマスターDIの満足度の高さを示すとともに、彼らの業務を拡大するためには、より大きなサイズのダイレクトイメージングシステムが必要であることを示している。現在のところ、来年3月までの生産計画を越える受注が続いており、アメリカは勿論、特にフランス、南アフリカ、日本での引合いが強い」 と見解を語っています。株式会社ローヤル企画の桧山取締役によれば、「当社では、2年前のクイックマスターDIの導入直後から、ショートランカラー市場のニーズの強さを実感し、A2サイズシステムの検討を始めていたので、スピードマスター74 DIの発表と同時に契約したが、まさか世界初出荷の機械が来るとは思っいなかったのでびっくりしたが、光栄にも思っている。ユーザーの要望を更に満たすためにスピードの点でも、価格の点でも、品質の点でも、さらに努力を続けたい」 とのこと。同社の例は、まさに同社が世界的な流れの最先端にあることを示していると言えましょう。

 スピードマスターDI74の特長は、桧山取締役が語っているように、ショートランカラー市場で最も要求度の高い、スピード、品質、柔軟性の3点に集約されると言ってよい。

スピード:
プレート半自動交換装置 (オートプレート) の標準装備およびクレオ社の192チャンネルレーザー装置により僅か3分でプレートのイメージング完了 (4版〜6版同時作成)。したがって、一つのジョブから次のジョブへの切換時間はプレートの交換/装着/イメージングの時間を含めても10分以内。 印刷前準備を極限まで短縮したスピードが特長。

品質:
既に証明されているスピードマスター74の耐久性と精度をベースに、クレオ社が世界特許を持つ 「スクエアスポット (SQUAREspot)」 技術を採用した2400dpi/175線の解像度が高品質を保証しています。 また、このシリーズでは、従来のスピードマスターシリーズで利用できるオプション機能がそのまま利用でき、市場のニーズに合わせた構成が選択可能。

柔軟性:
この印刷システムでは、使用できるプレートの柔軟性も特長の一つと言えます。 ベースが従来のスピードマスター74なので、PSプレートはもとより、CTPプレートも使用できます。 したがって、仕事がデジタルデータで入ってきても、PSプレートで支給されても、どちらにも対応可能。 生産性の決め手が柔軟性にあることを考えれば、この特長の意味は大きいといえます。 また、このことは、このシステムの購入ユーザーの受注内容がアナログからデジタルへ移行する過程においても、生産設備を変更する必要がないことにも注目しなければなりません。

 このシステムはクイツクマスターDIが登場した時と同じように、市場のニーズに答えるハイデルベルグ社の先見性を示すものであり、今後のショートランカラー市場に再び旋風を呼ぶものと思われます。

仕様
外観及び構造: ユニット方式 (4、5、6色/片面)、反転機構はオプション
最大用紙寸法: 740×520 mm (菊半裁寸伸判)
(菊半栽用紙寸法: 636×469 mm)
(B2用紙寸法: 728×515 mm)
最小用紙寸法: 280×210 mm (片面刷り)、280×300 mm (両面刷り)
最大印刷面積: 740×510 mm
最高印刷速度: 15,000枚/時
レーザー装置: クレオ社製(192チャンネル)
解像度: 2,400 dpi (SQUAREspot)
イメージング所要時間: 3分
印刷前準備合計: 10分 (プレート装着含む)
印刷方式: 水ありオフセット方式
サーバー: Compaq AlphaStation、500MHz CPU、36GBハードディスク、RAM: 512MB、Nerwork: 100Base-T
RIP: Delta Technology 5.6 DI

特 長
従来のSM74の機能はそのまま (従来の使い方とDIプレスとの両用可能)、水ありオフセット印刷、PS版、CTP版、DI版対応のハイブリッド印刷システム、版サイズ740×520mm (標準は4色機)

解像度は2,400dpi/175線対応、RIPはデルタテクノロジー、レーザー装置はクレオ社、イメージング所要時間合計3分、印刷前準備合計: 10分以内

5色機、6色機も同時発表 (反転装置: オプション)(UV対応は不可)

半自動給排版装置 (Autoplate) 標準装備、プレートは現像処理不要のサーマルプレート

自動インキプリセット機能、CPCインキコントロール機能標準装備

ハイデルベルグ・ジャパン株式会社
〒140-8541 東京都品川区南大井3-21-4
TEL03-3763-4147

1999/08/16 00:00:00


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