新規開拓は既存顧客を糸口に
− ケースで学ぶ ひとりからできる戦略営業 −
(株)ビジネスコミュニケーション研究所代表取締役 田中信一
(社)日本印刷技術協会マーケティング部 上野憲一郎
価格競争などの影響もあって,既存顧客からの受注拡大だけではとても追いつかないのが現状です。そんななかで売上目標を達成していくためには,やはり「新規開拓」は欠かせません。
とりあえず「飛び込み」というやり方があります。もちろん飛び込みも方法としては重要なのですが,ちょっと考えてみてください。
いきなりやってきて,「印刷会社ですが仕事はありませんか」と言われても,やはり迷惑には違いありません。まして自社を選んでもらうべき理由,つまり「売りモノ」やそのお客さんにとってのメリットをしっかりと提示できないとなれば,答えはもうみえています。「印刷はもう間に合っています。もっと安くしてくれるなら別ですけど」という言葉がすべてを語っています。
このような単なる飛び込み訪問のアプローチでは,最初から商談を不利に運ぶ状況に自ら導いているようなもので,当然,価格以外に打つ手がなくなってしまいます。やはり新規開拓にも作戦をもって臨みたいものです。
既存顧客から切り口を探す
こんなふうに考えたらいかがでしょう。新規開拓を進めていくためには,いきなり飛び込むのではなく,まず最初のステップとして,自社の良さを買ってもらえそうなお客さんを選定します。ここでは,既存顧客との取引を改めて見直すことから切り口を探してみましょう。
例えば売上順に,既存顧客の業種・業態,受注品目,当社の担当者を整理します。ここで,自社が得意とする業種・業態や受注品目などを発見できる可能性があります。また,その顧客との仕事の進め方における特徴,今までの取引で蓄積されたノウハウなどを検討します。その顧客を担当している先輩に知恵を借りるのも良いでしょう。
ここで自社の強み,今,当社が顧客に提供しているメリットなどを探し出します。そこから応用展開が可能な,つまり同じ「売りモノ」や手段を活用できそうな業種・業態や見込客を選定していくのです。そうすることで,少なくとも「下手な鉄砲も数打てば当たる」のような飛び込み訪問ではなく,商談の取っ掛かりや,話の運び方が用意された,確率の高い商談やセールストークが展開できるでしょう。
(詳しい内容はプリンターズサークル4月号の記事をご覧ください)
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