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三菱製紙/高品質高速ソフトウエアRIP「SDP-RIP Ver2.0」

(1)SDP-RIPの商品コンセプト
 今までCTPシステムを運用する上で、校正という大きな問題がありました。刷版を作る出力機と校正を作る出力機が、異なるRIPで出力画像を書き出していたことが大きな問題でした。また異なるRIPを導入することにより、フォント等のオプション購入費用が掛かり、CTPシステムを導入する上での問題にもなっておりました。
 CTP化にはこれ以外の課題もありますが、CTPの導入を促進する為にSDP-RIPは開発されました。SDP-RIPを導入することでOne RIPマルチデバイス化により信頼度の高い校正システムを実現し、システムを拡張したときの投資額も減らせるというメリットをご提案できます。

(2)SDP-RIPの特長
a.複数のデバイスへの出力が可能となる「One RIP Multi Device」に対応
SDP-RIPは、一つのRIPで複数のデバイスへの出力が可能となる「One RIP Multi Device」に対応し、導入会社でのCTP導入時の問題となる校正がこのシステムで解決し、さらにシステム拡張を容易に促進することができるソフトウェアRIPです。
b.生産性
Windows NTをプラットフォームに採用することにより、従来のRIPより3倍の早さで処理することができます(当社比)。さらにデバイスの出力コントローラソフト「Raster Blaster」とSDP-RIPの組み合わせでシステム構築を行うことにより、「One RIP Multi Device」環境下での生産性を飛躍的に向上させることが可能です。
デバイスの出力コントローラソフト「Raster Blaster」は、SDP-RIPとは独立したパソコン上で動作させ、SDP-RIPで処理された1bitのTIFFファイルを受け取り、デバイスに対して出力指示を行います。1bit-TIFFファイルは、圧縮することでファイルサイズを相当小さく出来るため、RIPとRaster Blasterをそれぞれ別の場所に
置き、ネットワークでファイルをやりとりすれば、DTP制作現場と印刷工場が離れている場合でもシステムの自由度が高く、生産性も上げることが可能になり、いわゆる遠隔地印刷に最適なシステム構築が出来ます。又、高解像度の出力機が複数台接続されるような環境において、Raster Blasterを導入すると、SDP-RIPはTIFFファイルの作成だけを行えるので、処理速度が大幅に向上し、結果的に飛躍的な生産性の向上が可能となります。
c.PostScript 3対応
SDP-RIPは、Harlequinコアを採用したPostScriptレベル1からレベル3までに対応した単純なRIPとしての機能だけでなく、In RIPセパレーション等、多彩な機能をニーズに応じて活用できます。
d.分かり易い日本語対応インターフェイス
日本語対応したインターフェイスにより、どなたにでも、簡単にオペレーションが行えます。
e.高いカラープルーフ品質が得られるカラーマネージメント機能(オプション)
SDP-RIPは、カラーマネージメントのためのデータ(ICCプロファイル)を標準装備しており、三菱製紙株式会社製のインクジェット用プルーフ用紙「MIJ-PR」にて、標準のカラーの校正出力(オプション)が可能となります。
  また、PPFの出力機能(CIP3オプション)を使用することにより、印刷機械のMake Ready Timeの時間短縮をすることができます。
f.データ入稿の範囲を拡大させるIn RIPセパレーション機能(標準搭載)
このIn RIPセパレーション機能を使用すると、もっとも幅広く使われているDTPアプリケーションや、Word、PowerPointなどのオフィス・アプリケーションから、複雑な画像処理も必要なくRGBイメージのデータを処理することができます。
g.ページ面付け、殖版機能(オプション)
三菱製紙株式会社が既に発売し、ご好評いただいている「Facilis Light Ver.1.0」と組み合わせて活用頂くことにより、面付けデータや殖版データを高速に処理することが可能となります。
h.その他
SDP-RIPはCTPシステムを効率よく運用して頂くために開発したもので、上記の機能の他に、SDP出力の為の標準キャリブレーションデータのバンドル搭載、CTP出力に必要な画像位置調整機能など、CTPを強く意識した様々な機能を備えております。

SDP-RIPシステムで運用するCTPワークフロー
CTPシステムの導入に際して課題となるのは、『最終印刷物に近い校正の出力』『生産性の向上』、『システムの拡張性と柔軟性』と言えます。三菱製紙が提案する SDP- RIPシステムによるCTP運用は、これらの課題を解決しオープンで柔軟性のある快適なワークフローを構築でき、CIP3等の新システムにも対応します。

1RIPマルチデバイスによる信頼性の高い校正
シルバーディジプレートシステムの拡張性と柔軟性を実現し、さらに生産性を向上させる高速RIPの登場!
SDP- RIPシステムによる運用は、1つのRIPですべてのデータを処理してからプレートセッターやプルーファーなど各々の出力デバイスにラスタライズしたデータを送りますので、RIPの違いによる文字化けの問題がなく、出力機ごとにフォントを用意する必要もありません。

ICCプロファイル対応のカラーマッチング機能搭載
標準濃度で印刷された印刷物(ターゲット)を測色し、プルーファーおよびプレートセッター用のICC対応プロファイルを作成すれば、最終印刷物をシミュレートした校正出力が可能になります。また、三菱製紙ではカラープルーフ用のインクジェットプリンタ用紙として「MIJ-PRSG 」をご用意しております。これは印刷本
紙に極めて近い専用用紙ですので、より印刷仕上がりに近い校正出力が可能になります。

Post Script3対応のRIPです
■Harlequin N- Colorをサポートし、スクリーニング、キャリブレーション、カラーレンダリング、カラーマネジメント等の処理が可能。さらにEPSON6色プリンタへの対応を実現しています。
■Adobe in RIPトラッピングに対応しています。
■よりなめらかな階調表現(4096色)を実現しています。

生産性を向上するRaster Blaster(ラスターブラスター)の運用
SDP-RIPシステムでは出力デバイス専用のコントローラーRaster Blasterを用いることによって、複数のデバイスで同時に出力を行うことができます。従来のシステムでは、あるデバイスに出力中は別のデバイスに出力できないことがありましたが、Raster BlasterはSDP-RIPで処理された1bit TIFFファイルを受け取り、SDP- RIPとは独立したパソコン上でデバイスに出力指示を行いますのでSDP- RIPの負担を軽減し、システム全体の生産性を向上することができます。

これからのネットワーク運用にも最適
1bit TIFFファイルは、データ圧縮によってファイルサイズを相当小さくすることができるため、ネットワークによる運用も可能です。たとえばDTP制作現場と印刷工場が離れている場合、DTP側にはSDP- RIPとプルーファーを設置し、校正で問題がなければSDP- RIPで処理された1bit TIFFファイルを印刷工場に転送します。印刷工場では受け取ったファイルをRaster Blasterで処理すれば、プルーファーで校正済みの同じデータを刷版として出力することができます。

三菱製紙株式会社
〒100- 0005 東京都千代田区丸の内3- 4- 2(新日石ビル)
03(3213)3742(代)

2000/09/12 00:00:00


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