【会社概要】 |
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■ 住所 |
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東京都墨田区千歳3-2-18 |
■ 年商 |
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3.6億 |
■ 従業員数 |
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14名 |
■ 主な仕事内容 |
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「スターメール」という特許を習得した圧着はがきによるダイレクトメールが中心。それ以外は販促用印刷物(カラー,端物中心)。 50%の仕事がクライアントのデザイン部門や制作会社からのデータ入稿。 |
■ 設備概要 |
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プリプレスはMacDTP,印刷機はハイデルの菊半裁4色機と菊半裁2色機。 |
【CTPの概要】 |
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■ 導入機種 |
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Trendsetter 3230F AL |
■ 導入時期 |
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2000年7月20日(8月1日より稼働) |
■ フロントシステム |
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Deltaシステム+シグナステーション(面付け) |
■ 使用版材 |
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サーマルポジ(富士フイルム)
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2.CTPの導入効果
・印刷品質の向上
従来DMハガキは殖版機で多面付けしていたので,見当精度が悪かった。今は抜群の見当精度でトラッピングも不要なほど。
・印刷の準備時間の減少
今では刷り出しまでの時間は5分(4C)。今では1日50版(約12台)を目標としている。
・納期短縮(スピードアップ)
データ入稿/色校なし/表裏4色/5000部という仕事は,従来の納期設定は4日間。CTPにより2日間に変更した。
3.導入前に,投資の採算計算はしましたか? 結果は予定どおりですか?
仕事量は同じと想定してどの程度のコストダウンが見込めるかを算出した。もともと製版(フィルム出力),刷版はすべて外注していたので,その外注費とのコスト比較をした。全刷版量の60%くらいをCTPに移行すると想定して試算した。
試算式
製版・刷版の外注費−CTP版および現像代−設備費(償却等)−人件費(0.5人分換算)=コストダウン額
実際は,98%くらい移行できており,見込み以上のコストダウンとなっている。
4.顧客の反応は? 営業的にCTPをどう位置づけていますか?
営業的にはCTPを特別アピールしてはいない。
5.CTPをどんな仕事に使用していますか? フィルムとの使い分けは?
100%近くCTPに移行できている。在版フィルム等どうしてもフィルムで行う仕事は,刷版から刷りまで外注に出している。見当精度が悪く印刷の効率も落ちるので。
6.色校正の方法は? 顧客の反応は?
CTP導入前は,出力センターでのケミカルプルーフか平台校正の外注であった。CTP導入とともに,O.R.I.SカラーチューナーとPM9000Cを導入し,インキジェットプリンタと本機校正の二本立てのメニューを用意している。PM9000Cは文字が太る傾向があるが,色味については問題ないレベル。PM9000Cによる初校責了が理想であり,その方向で営業しているが,本機校正まで要求される仕事がほとんど。本機校正の場合,中一日の納期をもらっているが,品質にこだわる仕事は逆に納期にはうるさくない。
本機校正の価格設定は平台校正と同じにしている。利益はほとんど出ないがCTPの効果もあり約10分で1台仕上げることができ生産性は問題ない。打ち返しで面付けして,プレート数が少なくなるように工夫している。
7.稼動状況はいかがですか(出力版数)? 満足レベルですか?
稼動実績は,8月 900版,9月 900〜1000の間くらいであった。CTP専任のオペレータは置いていないため(工場長が兼任),稼動時間は日中のみ1日4〜5時間くらい。現時点では印刷機のキャパとバランスが取れており満足。
出力スピードもカタログスペックでは13版/時であるが,実際にはもっと速く3分に1版くらいの感覚。オートフィーダが効果的である。
8.CTPの導入前・導入後で何を変えましたか? 何が変りましたか?
CTPワークフローを構築するにあたっては,もともと刷版部門がなかったので,面付け作業をいつ,誰が何を使って行えばもっとも負担がないかをポイントに検討。その結果,Deltaシステムに行き着いた。Macの制作部門は従来の作業どおり,面付けはDeltaのシグナステーションで印刷以降の工程に詳しい者が行う。その代わりDelta上で,データの中身をいじることはない。また,兼任で作業できるシステムを選択した。そのためプレートの自動搬送システムは必須であった。分版は制作側(Mac側)で行ったり,コンポジットで送ってDeltaで行ったり,Deltaの作業の込み具合によって使い分けている。
9.社内的な課題は何ですか?
今のところ特になし。
10.システム・機材の課題は何ですか?
CTPを導入して以来データが原因のエラーは一度もない。2%程度ヤレ版はあるが,その原因はプレートセッタのオートフィーダの搬送エラー。
注意点として,後パンチの場合,パンチするときに見当精度が狂うことがある。パンチの器具には気を使ったほうが良い。
今後の展望
CTPの稼働率を上げるには,社内でデータを作成していては間に合わない。今後はデータ入稿による仲間仕事(特定の相手)に力を入れていきたい。フィルム出力はすべて外注を利用していたので,ヤレを出す=コストUPという意識を社内に徹底できた。そのためエラーのないデータを作成するノウハウには自信がある。このノウハウを入稿データのチェックに活かしていきたい。こうしたノウハウは,プリフライトソフトではカバーしきれない。現状でも入稿データに不備があるときは,かなりフォローをしている。小規模なのでレスポンスが速いというのも特長の一つ。
刷版出力サービスも視野に入れているが,今は様子見である。
2000/10/16 00:00:00