キヤノンは11月25日より、インターネットを利用したライブ映像の発信や、LANを利用した遠隔モニタリングが低価格で実現できるネットワーク用カメラサーバー「キヤノン ネットワークカメラサーバー VB100」を発売します。
キヤノンはこれまで、マルチメディア対応の小型ビデオカメラ「キヤノン コミュニケーションカメラ VC-C3」とパソコンを使って、ライブ映像をインターネットで発信できる「WebView Livescope(ウェブビュー ライブスコープ)」と、LANを利用した遠隔モニタリングが可能な「VIEW・Windows(ビュー・ウィンドウズ)」を開発・販売してきました。
いずれのシステムも、ユーザーがアクセスしているカメラのアングルやズーム倍率などをパソコン画面上で自由に遠隔操作することができ、「WebView Livescope」は、イベント会場・ショールームのリアルタイムな状況把握や名所・観光地のPR活動に、「VIEW・Windows」は、店舗内・オフィス・病院・工場の生産ラインなどの監視用にそれぞれ利用され、高い評価を得ています。
今回発売する「キヤノン ネットワークカメラサーバー VB100」は、これまで高額だったこれらのシステムをもっと手軽に利用したいというユーザーニーズに応えて開発されたもので、従来パソコンで行っていた、カメラで取り込んだ映像をネットワークに配信するカメラサーバー機能をコンパクトなワンボックスに集約しています。これにより、基本システム価格※1が従来に比べて約1/3※2という大幅な低価格化を実現しました。
基本性能としては、ビデオ入力ポートを4つ、カメラ制御用のシリアルポートを2つ備え、「VC-C3」を最大4台※3まで接続することができるほか、映像をMotion-JPEGで圧縮し、最大30フレーム/秒で表示することが可能です。またネットワークにおいて、インターネットの標準的なプロトコルであるTCP/IPおよびHTTPに対応し、Ethernet(100Mbps/10Mbps自動切り換え可能)によるLAN接続のほか、PCMCIAのモデムカードなどを介して電話回線を利用することも可能です。さらに、Webベースの設定管理ツールやPCMCIAカードを利用した拡張性など大幅な機能の向上を図っています。
なお、ビューワソフトにおいても、これまでの使い勝手の良さを継承しながら、現在の対応OSであるMicrosoft Windows 98、Windows NT4.0、およびMacOSに加え、今後Windows CEにも対応させる予定です。
※1 「WebView Livescope」および「VIEW・Windows」を利用するために最低限必要な製品構成価格です。従来はパソコン、OSソフト、推奨キャプチャーボード、コミュニケーションカメラVC-C3、カメラサーバーソフト、ビューワーソフトが必要でしたが、今回より「VB100」とVC-C3、ビューワーソフトで利用することができます。なお、ビューワーソフトは、「WebView Livescope」用がキヤノンのホームページから無償ダウンロードで、「VIEW・Windows」用が別売(価格未定)でそれぞれ入手することが可能です。
※2 「WebView Livescope」の場合。「VB100」とVC-C3を合わせた価格は396,000円です。
※3 遠隔制御が可能なカメラは2台まで。
・キヤノン ネットワークカメラサーバー VB100‥‥‥価格(税別)248,000円
●キヤノン ネットワークカメラサーバー VB100の主な特長
高画質/高フレームレート
利用するネットワーク環境に合わせ、キャプチャーレートを0.1フレーム/秒から最大30フレーム/秒まで発信側で最適な値に設定できるほか、画像品質も100段階での細かな設定が可能です。なお、画像の圧縮にはMotion-JPEG方式を採用しています。
また、非球面レンズ使用の10倍ズームレンズと41万画素の1/4インチCCDを搭載した「VC-C3」の使用により、歪みの少ないクリアな映像を実現しています。
最大4台のカメラを接続可能
ビデオカメラを最大4台まで(うち、遠隔操作可能なカメラは2台まで)接続することができ、ビューワ側では、それぞれのカメラがとらえるライブ映像を切り替え表示することが可能です。
高度なカメラ制御機能
キヤノンの「VC-C3」を使用すれば、遠隔地に設置したカメラのアングル(パン/チルト)やズーム倍率を自由自在にコントロールすることができ、臨場感あふれる映像を見ることができます。また、見せたくないアングルの指定やズーム倍率に制限をかけることも可能です。
インターネット/イントラネット対応
インターネットで標準的なプロトコルであるTCP/IPおよびHTTPに対応しており、Webブラウザを利用して簡単に映像表示とカメラ制御を行うことができます。
また、100Mbpsと10Mbpsの自動切換えが可能なEthernetによるLAN環境にも対応しているほか、PCMCIAカードを使用すれば、モデムを介してアナログ公衆網を利用することも可能です。
設定・管理が容易
Webを利用した設定管理ページを提供することにより、設置した場所に行かなくてもパソコンとWebブラウザがあれば、離れた場所から設定変更や管理が行えます。
また、初期IPアドレスの設定には専用プログラムを用意しているため、簡単にセットアップができるほか、BOOTPが利用できるネットワーク環境であれば、自動的にIPアドレスの設定を行うことも可能です。
ログ機能
システムの異常やアクセス状況などのログ情報をファイルとして保存したり、電子メールで特定のアドレスへ送信することができます。
Webサーバー内蔵
映像を発信する機能だけでなく、Webサーバーとしての機能も内蔵しています。ホームページのデータをフラッシュメモリーに書き込んでおけば、Webを使って情報と映像の同時発信が可能です。
なお、WebサーバーにはApache Ver.1.3.0を採用しており、ファイル転送プロトコルを利用して、データの書き換えを遠隔地から行うこともできます。
拡張性
PCMCIAのカードスロットを2つ装備し、用途に応じてモデムやフラッシュメモリーなどを追加することができます。
●キヤノン ネットワークカメラサーバー VB100の主な製品仕様
〈ソフトウェア〉
基本ソフト: DRYOS(キヤノン製リアルタイムOS)
通信プロトコル: TCP/IP、HTTP、BOOTP、FTP、SMTP
映像圧縮方式: Motion-JPEG(画像品質可変1〜99)/JPEG(静止画利用時)
映像圧縮レート: 0.1〜30fps(可変)
出力画像サイズ: 160×120、320×240、640×240
表示画像サイズ: 80×60、160×120、320×240、640×480
HTTPサーバー: Apache Ver.1.3.0
ログ管理: syslog形式(メール、FTP、フラッシュメモリー記録可能)
接続制限: アクセス制限(パスワード/ホスト)、映像接続時間、同時接続(最大20)
〈インターフェース 〉
映像入力:4入力(NTSC/PAL、BNC×2、RCA×2)
シリアル:RS-232C×3(DIN8、カメラ制御用×2、初期設定用×1)
ネットワーク:Ethernet×1(RJ45、10/100自動切替)、アナログ回線(PCMCIA×1スロット利用)
拡張スロット:PCMCIA TypeII×2スロット
表示用LED:電源、ネットワーク、PCMCIAの状態表示
〈本体仕様〉
動作環境:温度0〜40℃、湿度20〜85%(ただし、結露のないこと)
規格:電波障害規制:VCCI クラスB
電源:ACアダプタ100V
消費電力:25W以下
大きさ:250mm(幅)×168.8mm(奥行き)×48mm(高さ)(突起物含まず)
重さ:1,350g
※ Microsoft、Windows、Windows NTは、米国マイクロソフト社の米国および他の国における登録商標です。
※ 他の社名や商品名は、各社の登録商標または商標です。
この件に関するお問い合わせ先
キヤノン販売株式会社 ネットワークコールセンター
TEL 03−5460−8716
受付時間/9:00〜12:00 13:00〜17:00(土・日・祝祭日を除く)
1999/09/20 00:00:00