凸版印刷株式会社(代表取締役社長:足立 直樹,本社:東京都千代田区)は,このたび,非接触タグを書籍・雑誌に組み込み,書店での盗難を防止する「トッパン セキュリティ タグ システム」を開発,6月より出版社向けに販売を開始します。
製造段階で,書籍・雑誌の背に出版物専用のセキュリティタグを組み込み,磁気式ゲートを通過する際にタグを検知します。出版物専用のタグは,ユニチカ株式会社(代表取締役社長:平井 雅英,本社:大阪市中央区)と共同で開発しました。
製品の製造段階で盗難防止タグを組み込む「ソースタギング」と呼ばれる手法を書籍・雑誌のような廉価な商品を対象に実用化し,システムとして開発したのは,日本初です。
<背景>
・当社は永年培った技術により,市場に先駆けて,ICカードや株券,商品券の偽造防止策など,高度なセキュリティ技術,システムの提供を行ってきましたが,このたび,出版業界にも展開します。
・書店での本の盗難は増加しており,書店経営を圧迫しているだけではなく,社会問題化しており,その対策が待ち望まれていました。
・従来,個々の書店が独自に盗難防止システムを導入して対策を行っていましたが,,書店単独では大きな効果がなく,業界全体で対応する必要性が高まっています。
・製品の製造段階で盗難防止タグを組み込む「ソースタギング」は,アメリカで高額商品を中心に実用化されていますが,日本では初の試みであり,まして書籍・雑誌のような廉価な商品に組み込まれた例はありません。
<ねらい>
・書籍・雑誌の製造段階でセキュリティタグを組み込み,それを告知することで,本の盗難を未然に防止します。
・貼り込み装置の販売を行うなど,トッパングループが全面的に支援することで,小さな製本会社でもソースタギングを可能にし,普及拡大をはかります。
従来の出版物の企画・製作だけにとどまらず,出版社のサービスをあらゆる面からサポートします。
<特徴>
・書籍・雑誌への組み込みに焦点を絞り,性能向上と原価低減に成功,日本で初めて書籍・雑誌のような廉価な商品でのソースタギングを可能にしました。
・長さ30mm,幅6〜10mm,厚さ0.2mmで柔らかい柔軟構造のため,文庫・コミックの背に組み込んでも目立たず,本の開きやすさにも影響がありません。
・組み込み方は,本の背表紙裏側にセキリティタグを貼りこんだ後,通常と同じように製本を行うために,取外しは不可能です。
・タグの再生,消去を何回でも行うことができ,返本などがある本の流通形態に対応できます。
・再生には専用設備が必要なため,流通後の混乱を防止できます。
・既に普及している複数社(メトー社,ダイヤロック社)の磁気式ゲートに共通して使用できます。非常に汎用性が高いタグです。
・ビデオテープでの使用も可能です。不活性化に必要な磁力を最適に設計することで,ビデオテープに使用しても画質に影響が出ません。
・タグの貼り込み装置を製本会社に販売します。製本会社は経営規模の小さい会社も多いため,独自に装置を開発することは大きな負担です。当社のグループ会社であるトッパンレーベル(本社:東京都台東区,代表取締役社長:森田 宏)が開発した専用貼り込み装置を販売します。
・特許多数出願中。
<主な用途>
・書籍・雑誌
・ビデオテープ等
<価格>
・仕様・用途・作成量により異なりますので,応相談となります。
<販売目標>
・初年度 約5億円
システム価格(盗難防止ゲート,充電式ハンディ再生器,消去器)100〜150万円
タグ2円/枚(貼込加工代,納入運賃別途)
<今後の内部での具体的な活動>
・4月19日(木)〜22日(日),東京国際展示場(東京ビッグサイト)において開催される『東京国際ブックフェア』に出品します。
・当面は書籍がソースタギングの対象となりますが,他分野への展開も積極的に進めていきます。
・将来的には,本にICチップを組み込んだ販売管理システムを構築する予定です。
2001/04/26 00:00:00