大日本スクリーン製造株式会社(以下大日本スクリーン本社:京都市上京区/社長:石田 明)と株式会社桜井グラフィックシステムズ(以下桜井グラフィックシステムズ本社:東京都江東区/社長:桜井美國)は、デジタルイメージングシステム「TruePress(トゥループレス)742」を共同開発し、2000年4月より販売を開始します。
なお、同システムは9月20日〜24日東京ビッグサイトにて開催される「第16回国際グラフィックアーツ総合機材展(IGAS 99)」に出品し実演展示します。
21世紀を目前にして、情報伝達の根幹ともいえる印刷産業は、デジタル化の進展とともに、さまざまなニーズに応え、作業環境の標準化、ニューメディア化、ネットワーク化などの課題に取組むとともに、新たな情報メディア産業へのビジネス拡大に向け、大きな岐路にあります。
こうした中で、今もっとも注目されている技術とビジネスは、印刷前工程で加工編集されたデジタルのページファイルを受け取り印刷機上でダイレクトに印刷版に露光し、直接印刷を可能とする「デジタル印刷」分野です。
両社は「デジタル印刷分野」を戦略市場と捉え、今後のニーズの多様化に応える意味でも、昨年7月に発表した国産初の有版型オフセット印刷方式の出力システムである「デジタル印刷機TruePress544(A3ワイド、4色)」のシリーズ機の開発に本格的に着手しました。
今回の開発にあたっては、CTPを始めとする画像処理の分野で長年培ってきた技術と実績のある大日本スクリーンがコントローラ・RIP機構とプレートメーキング機構を開発し、独創的な印刷機製造技術により印刷機市場で内外ともに定評のある桜井グラフィックシステムズが給排紙・高速紙送りを含むベース部分の機構をそれぞれ担当し開発を推進しました。
このたび共同開発された「TruePress742」は、菊半サイズをカバーする最大印刷サイズA2ワイドの2色印刷機です。この2色機を基本として、4色機や6色機などの多色機への展開を計画しています。
また、印刷方式は三菱製紙シルバーディジプレートを使用したオフセット印刷方式を採用し、通常のオフセット印刷と遜色のない印刷品質が得られます。
さらに、2倍胴印刷機構での高速紙送り機構を採用し、2色片面印刷では1時間あたり8,000枚の印刷能力を持っています。特に、瞬発力が要求される小部数や短納期の印刷ニーズに即応するデジタル印刷機です。
<デジタルイメージングシステム「TruePress742」の特長>
●デジタルイメージングシステムを菊半サイズにまで拡大
既に実績のある「TruePress544」での技術、ノウハウを生かし、菊半サイズを実現。印刷版は、三菱製紙シルバーデジプレートを使用したオフセット印刷方式で、通常のオフセット印刷に迫る品質が得られます。
●2倍胴で印刷スピード8,000枚の給排紙機構
2倍胴の版胴、ブランケット胴機構を採用し、1時間あたり8,000枚(2色片面)までの印刷を達成しております。(1倍胴の通常印刷機に換算すると1時間あたり16,000枚となり、シートタイプの枚葉印刷機では最高速クラスに相当)
●見当合わせ不要
印刷版を版胴に装着してから、直接ページファイルを版に露光する機構を採用しているため、見当合わせが不要です。
●短時間での印刷の前準備
4分以内で版胴に装着された2色分の印刷版への露光が終了します。これに給排版と現像、定着の時間を合わせて10分以内で製版が完了します。処理は全て自動化され、簡単な操作で短時間に印刷の前準備が完了します。
●ランニングコストを抑えられるデジタルイメージングシステム
通常印刷で実績のある印刷版を使用するため、印刷インキ、湿水、印刷用紙などの消耗品は、通常印刷と変わらず、デジタル印刷機の中では最小限のランニングコストとなります。
●自動機構を標準搭載
連続給水式湿し水(モルトンレス)、自動ブランケット洗浄、印圧自動調整、自動給排版の機構を搭載し、イージーオペレーションを実現しています。また、自動インキングコントロール機能によって効率的な刷り出しを達成しました。
●A2ワイド用紙に対応
用紙サイズは、最大740×535mmで、菊半を充分カバーしています。印刷有効サイズは、730×520mmで、A2を余裕でカバーしています。
●ネットワークに対応したデジタルイメージングシステム
コントローラー「HC-210-P」では多種類のフロントエンドからのリモートコントロール性やネットワーク親和性を高めるため、GUIをWebベースとしています。これにより、「HC-210-P」の状態確認や指示を遠隔地で行えます。(リモートGUI)
●モニターやカラープリンターへの出力で確認
「HC-210-P 」では、プレートイメージング直前のデータ(RIP済データ)をモニターやカラープリンター(別売)で確認できますので、印刷ミスを低減させます。
●ドットゲインの設定
印刷用紙、インキ、クライアントに応じて、あらかじめドットゲインを設定でき、使い分けが可能です。
●PDF1.3にも対応
RIPでは、PostScript Level3、PDF1.3の日本語環境をサポートしています。
●校正機としてのオプションを用意
2色校正機としての運用を考慮したオプションとして、超スロースピードや校正用インキユニット、校正用インキ洗浄機構などを用意する予定です。
TruePress742仕様
エンジン仕様
項目 | 仕様 |
---|---|
形式名 | NP−4002 |
光学系 | LED(120ch) 660nm |
分解能 | 1200dpi、2400dpi |
感光材料 | フレキシブルプレート(ポリエスターベース印刷版: 対応版材は、三菱製紙(株)シルバーディジプレート) |
方式 | オフセット方式 |
色数 | 片面2色 |
有効サイズ | 730×520(mm) |
出力スピード | 最大8000枚/時 |
用紙 | 最大740×535(mm) |
厚さ | 0.06〜0.3(mm) |
自動機構 | 自動インキコントロール、自動ブランケット洗浄、自動 インキローラー洗浄、印圧自動調整、自動給排版 |
湿し水 | 連続給水式湿し機構(モルトンレス) |
機械寸法 | 3250×3580×2400(mm)(ステップ込み) |
質量 | 7000kg |
コントローラー仕様
項目 | 仕様 |
---|---|
形式名 | HC−210−P |
プラットホーム | PentiumlllPC |
OS | Windows NT 4.0 |
RIPソフトウエアー | Adobe PostScript 3 RIP搭載 |
入力フォーマット | PS3、PDF1.3、レナトスRIP済データ (レナトスにオプションが必要) |
内蔵フォント | 欧文138書体、和文7書体(リュウミンL−KL、 中ゴシックBBB、太ミンA101、太ゴB101、じゅん101、 見出ミンMA31、見出ゴMB31) |
スクリーンパターン | アルファロジック150線、175線他 |
機能 | ジョブスケジューリング機能
イメージング前モニタープレビュー機能 インクコントロールデータ生成機能 コントロールストリップ付加機能 プリントスプール機能 Webベースリモートコンソール機能 簡易校正用プリント出力機能 |
1999/09/20 00:00:00