印刷会社にとっての優良なパートナーシップとは,最新のIT関連技術を応用したデジタルビジネスを創出している企業と連携し,顧客に対して新たなサービスを提供することであろう。 今回は,SGML/XML技術を使い,顧客ニーズにマッチしたサービスを提供している株式会社総合企画の代表取締役林田祐幸氏と技術本部ドキュメントグループの三瓶忠氏に同社の姿勢を伺った。
事業内容としては,コンテンツの企画制作全般である。マニュアルからパーツリスト,取扱説明書,仕様書の類はもちろん,デザイン,テクニカルイラスト,3D,アニメーションなどのイラスト関連,テクニカルライティング,コピーライトなどの原稿作成が主たる営業品目である。その他,各国語の翻訳や,最近ではWeb関連業務,特にASPサービスも行っている。
コンピュータも早い時期から導入していた。1985年にJ-Starを導入,版下で作成していたものをDTPへ移行し,大量制作や修正の作業効率アップに役立てた。次いで1992年にMacintoshを導入して,カラーのデザインカタログや高品質なマニュアル制作が可能になった。クライアントサーバ型のワークステーションであるJ-StarからMacintoshへ移行するのには,随分苦労したそうである。そのかいあってイラストが描け,色が使え,完全な版下が作成できるようになった。当然カラー化するにあたって出力機も揃えた。
DTPは同社の特技ではあるが,同時に「誰でもできることに気付いた」という。現に顧客から入稿されるものはデジタルデータが多く,簡単な編集作業が残るだけといったこともある。企業として生き抜くためには,何らかの付加価値を加えなくてはならない。そこで出会ったのがSGMLであった。
同社では,SGMLを構築していたおかげで,XMLへの取り組みは容易に行えた。SGMLの場合ソフトウエア自体が高価で,それを使いこなすには高度な技術が必要になる。しかし,ネットワークを前提とした情報共有,情報交換,ワークフローの規定にはSGMLは向かない,というより機能が不足している。その点XMLはスピードと柔軟性,そして拡張性に優れている。XMLデータを効率よく利用して,WebやDTPに再利用する。Web配信だけでなく,印刷においてもその2次利用の頻度から標準的なフォーマットとなる可能性が高いといわれている。
同社では,ローカルではSGMLで,それを展開するのにXMLを利用しているケースが多いそうである。
データ管理は基本的に同社のファイルサーバを使い,管理と設計は社内で行っている。
印刷業務も請け負っている。大量のものはオフセット印刷で,小ロットは社内のオンデマンド印刷機で対応している。また在庫管理から納品・発送の手配まで行う。
Web関連ドキュメント配信サービスもいまや主要業務になっている。ASPを利用したWeb上でのドキュメントの閲覧,管理,配信からログを集計することで,マーケティングサポートを行っている。ユーザごとに,閲覧,検索,アクセス権限を設定できる。また属性検索・全文検索機能により目的のドキュメントを素早く検索することが可能である。
Webサーバは大手ベンダーに移管している。セキュリティの問題なども自社内でもつより安全性が高いからだ。
今後は,この路線をさらに推し進めていく方針である。データベースを意識して,Webだけでなく印刷にも力を入れていきたいという。DTP,デザイン,印刷業界の方々とのコミュニケーション,パートナーシップを組んでさらなる展開を図りたいと抱負を語っていた。(上野寿)
■出典:JAGAT info 2002年3月号
2002/02/12 00:00:00