DM(ダイレクトメール)では,企画,データマイニング,デザイン,印刷,後処理,発送代行,回収・分析等の一連の工程が関わってきます。単に印刷するのではなく,企画や回収等の前後のプロセスが非常に重要です。レスポンス率によりその効果が評価される為に企画段階から如何にこのレスポンス率を高めるかが勝負となるのです。
所で本年のPAGE2004のご案内のパンフレットをご覧頂けましたか?本年のパンフレットは封筒を使用せず,パンフレット自体が封筒を兼用しています。開封すると,ポスタルフォーラムのプログラムが巻き三折りの状態で糊付けされ,かつPAGE2004展示会の入場券が現れます。如何でしたでしょう? 驚かれた方も多かったのではないでしょうか?これを可能にしているのが印刷業界の力です。詳細についてはポスタルフォーラムコンファレンス
D7:レスポンス型DMの事例
講師:(株)ウイル・コーポレーション 社長室 情報印刷営業開発部長 田中 了氏
にてお聞き下さい。印刷・後処理の工夫でレスポンスを上げ,ビジネスに生かすDMの事例が紹介されます。
さて,ここではまずDMの市場規模やこの市場を拡大する時の鍵となる要因について考えてみたいと思います。JAGATに於いても各種の資料や文献の調査を実施していますが,総合的な視点でDM市場について議論した文献等はなかなか見ありません。国内では'日本の広告費(電通調査)'の中で郵便料金という切り口で市場規模が掲載されていますが,上記の各プロセスの市場を全て調べた資料は無いようです。資料を探されてお困りの方も多いと思います。又市場成長の要因についてまとめられたものは見あたりません。この様な中,郵政総合研究所では過去,地道にヒアリングやアンケート調査等を通して実態を明確化される努力を続けられてきました。DMの通数変化,費用対効果,DMと広告代理店,媒体別の広告代理店利用や今後の課題,国内で市場拡大の鍵となる要素は何であるか,等々各種の分析をe-mail等他のメディアをも含んだメディアミックス型マーケティングという切り口で調べられました。この詳細をポスタルフォーラムでも発表致します。DM市場動向全体について興味の有る方には必聴の内容です。
E7:メディアミックス型マーケティングとDM利用について
講師:郵政総合研究所 経営調査部 中邑 久嗣 氏
この調査では,クライアントや広告代理店の動向がDM市場拡大の鍵である事が明らかにされました。広告代理店に関しては,昨年末頃より大手から,キャンペーンでのコンタクトポイント分析を行う手法について新しいサービスが発表・提供されています。キャンペーンでどの様な手法・メディアを用いる事が有効であるか,という点に焦点を絞り評価結果を報告するものです。しかしこれら大手の広告代理店の主力は未だマスマーケティングです。ダイレクトマーケティング活用に積極的な広告代理店はないのでしょうか? 実は,インターネットやCRMの普及に従ってダイレクトマーケティングを活動の主体とするエージェンシーが近年増加しています。この専門家集団の動向・実態について
E8:マーケティングの構造改革を支援するダイレクトマーケティング・エージェンシー最新動向
講師:(株)アイ・エム・プレス 代表取締役社長 西村 道子 氏
で報告致します。この新しい集団をビジネスで活用する事を考えては如何でしょうか? 次にクライアントについて考えましょう。ダイレクトマーケティングの主要プレーヤの一つは,最近TVでも取り上げられている通信販売業界です。DMの発注者としては通信販売,通信教育,通信,小売業界等々がありますが,印刷業界とはカタログ販売という点でも関係が深い通信販売業界の動向について
E9:クライアント動向〜通信販売業界〜
講師:(社)日本通信販売協会 理事 主幹研究員 柿尾 正之 氏
で報告します。成長著しい通信販売業界の実態を把握し,印刷との関係について理解を深めて頂きたいと考えます。通信販売については言葉のビジネスという言い方をされる方もおられます。店頭で顧客の顔を見ながら販売するのではなく,見えない相手に対し,言葉でビジネスを行う事によります。この見えない相手の顧客満足はどの様に捉えれば良いでしょうか? この見えない顧客を独自の視点で捉え,カタログに生かしておられている会社があります。顧客満足作りの新しい視点を考えてみましょう。印刷業界にとっても非常に参考となるはずです。
E6:通信販売における顧客満足作り
講師:(株)カタログハウス 広報室 室長 松尾 隆久 氏
又,マスマーケティングからダイレクトマーケティングへと視点を切り替えた時に,企業はどの様に日々の活動を行えばよいでしょうか?又これからシニア世代が増加します。人口構成として若年層が減少し,団塊の世代が定年を迎えリッチな高齢者がますます増加します。この世代は競争社会を生き抜いて来たプロ集団です。ますます個々の視点で企業の組織活動を考え直す必要があるのではないでしょうか。
この様な考えからポスタルフォーラムでは以下の2つのセッションも用意致しました。
D4:ダイレクトマーケティングと企業戦略
講師:上智大学 経済学部 経営学科教授 田中 利見 氏
D8:生活意識と消費動向〜シニア世代を中心に〜
講師:(株)フジサンケイリビングサービス 営業推進本部 GL 廣瀬 雅人 氏
以上,ダイレクトマーケティング・DMをビジネスで生かしてゆく為に,クライアント・広告代理店の動向を把握する必要がある事を述べてきました。DMは刷る前の企画と配布した後のレスポンス率が命です。総合的な視野で'印刷'の位置付けを捉え直すには非常に良いモデルではないでしょうか?印刷ビジネスを見直す契機としてポスタルフォーラムを捉えてみては如何でしょうか?
2004/01/21 00:00:00