環境ISOの認証取得件数は、世界全体では前年比34.5%増の49462件となった。その中で日本の取得件数とその増加は世界トップである。印刷業界では173件の認証取得が報告されている。ISO14000が上記のような普及水準に達した現在問題となってきたのが中小企業への普及であり、国としてもそのための新たな動きを始めようとしている。
それは、環境省が、「中小事業者等の幅広い事業者に対して、『自主的に環境への関わりに気付き、目標を持ち、行動する』ことができる簡易な方法」として1996年から普及を進めてきたプログラム「エコアクション21(EA21:環境活動評価プログラム)」の新たな「認証・登録制度」とパイロット事業である。2003年11月時点でエコアクション21に参加し、その参加を届け出ている事業所は800事業所になっているが、ここ1,2年のISO14000認証取得の広がりを受けて、中小事業者でも自主的、積極的な環境への取り組みを比較的容易に実施することができ、しかもISO14000と同様の環境経営システムの認証を受けることができる認証制度を、2004年度を目途に創設しようというものである。
中小企業がより容易に環境ISO認証取得をするためのひとつの手段として、インターネットを使ったり共同での認証取得への取り組みがある。もうひとつのアプローチとして、既に本稿でも紹介した「エコステージ」や「KES」(環境マネジメントシステム・スタンダード)といった仕組みがあるが、「エコアクション21」は後者に属するものである。
▲図1
▲図2
ISO14000とEA21、エコステージ、KESとの関係およびそれぞれの特徴と位置付けは図1、図2のとおりである(UFJ総合研究所主催環境シンポジウム:「新EMSの特徴と今後の展開」のレジメより抜粋)。
最も大きな相違は、EA21、KESがISO14000の認証取得に至る準備ステップとして設定されているのに対して、エコステージでは、準備段階としてのステップから、ISO14000よりもさらに高いレベルへのステップアッププログラムを用意していることである。
新EMSの問合せ先は以下のとおりである。
・EA21:「環境省総合環境政策局環境経済課、エコアクション21 パイロット事業担当」 TEL:03−5521−8240。
・エコステージ:「有限責任中間法人エコステージ協会東京地区事務局」TEL:03−3572−9030。
・ KES:「京(みやこ)のアジェンダ21フォーラムKES認証事業部」TEL:075−323−6686。
(「JAGAT info 2004年2月号より」)
2004/02/08 00:00:00