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統合システム化のニーズが高いMIS

JAGAT会員企業を対象としてアンケート調査によれば、ほとんどの企業(96%)で現在使っているMIS(経営管理のコンピュータシステム)に満足しておらず、3/4の企業は改善または欠けている機能を追加したいと考えていることがわかった。
図1は、現在、各社で使っているMISについて、どのようなニーズがあるかをまとめたものだが、各選択肢ともに30%前後の回答を得てかなりばらついている。その中で、他に比べて回答率がかなり少ない回答が「メールとの連動」(14.8%)である。
アンケートでは、現状で不満足な機能を「改善したい機能」と「追加したい機能」のふたつに分けて回答を求めている。「改善」したい機能としては「入力作業削減」が最も多く、次いで、「情報ニーズの一元化」、「出力情報の内容改定」となっている。一方、「追加」で多いのが「顧客・外注先との連携」で、回答企業の3/4は、いまは「顧客・外注先との連携」機能を持っていないが、これから追加したいと考えていることがわかる。「顧客・外注先との連携」に次いで機能追加要望が強いのが「Web化」、「情報伝達のリアルタイム化」である。

アンケートの設問で掲げた9つの回答選択肢は「目的」(「入力作業の削減」、「情報伝達のリアルタイム化」、「顧客・外注先との連携」、「出力情報の内容改定」)と「手段」(「情報の一元化(データベース化)」、「各種アプリケーションの整理・統合」、「システム間の連動」、「Web化」、「メールとの連動」)の2種類の項目からなっている。
この「目的」と「手段」は、「入力業務の削減」には「情報の一元化」や「アプリケーションの整理・統合」、「情報伝達のリアルタイム化」や「顧客・外注先との連携」のためには「メールとの連動」や「Web化」が直接的に関連付けられる。

このような目的と手段に分けて回答の傾向を見ると(図2)、「目的」に関する回答は、「入力作業の削減」が最も多く、「情報伝達のリアルタイム化」、「顧客・外注先との連携」、「出力内容の改定」と続いている。「手段」について見ると、「情報の一元化」が最も多く、次いで「各種アプリケーションの整理統合」、「システム間の連動」、「Web化」、「メールとの連動」となっている。推測だが、「システム間の連動」は、アンケートで意図した「MacとWindows、自社のMISと生産設備のコンピュータ,外部組織のコンピュータとの連動」と解釈しての回答ではなく、「各種アプリケーションの整理・統合」と同様の内容として解釈された可能性もありそうだ。いずれにしても、「手段」としては、「情報の一元化」や「各種アプリケーションの整理統合」など、統合システム化が強く意識されている。

(「JAGAT info 2005年5月号」より)

2005/05/05 00:00:00


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