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強いMISの導入意向

JAGAT会員企業を対象とした「印刷産業経営力アンケート調査」の2004 年度の結果によれば、 今後3年以内に導入する設備・技術のトップテンの上位をMISが占めた。図1は、2004年度調査において、今後3年間で導入したい設備・技術のトップテンをピックアップしたものである。 図1で見るとおり、導入意向として最も高いのが「原価計算ソフト」で、第2位が「統合情報処理システム」であった。MISについては、「工程進捗管理ソフト」が第4位、「見積もりソフト」が第8位と今後3年以内に導入、増設する設備のトップテンに4項目入っている。トップテンに入らなかったのは、「販売管理ソフト」と「ASP利用」である。

MISのアプリケーションの中でも原価管理がトップになったのは、年々収益性が低下しているという状況を反映したものである。統合管理システムについては、各種アプリケーションを個別に使っている企業が多い中で、現状のMISにおける問題とデジタルネットワーク化の進展から考えれば上位にランクされるのも当然であろう。
JAGATが2004年秋に行ったMISに関する調査において、現状のMISの改善課題の第1に「入力作業」が掲げられていた。そして、そのために、情報の一元化や各種アプリケーションの整理・統合をしていきたいという結果であった。
販売管理ソフトは、既に多くの企業で利用しているという状況がトップテン外になった理由であろう。ASP利用については、特に中規模企業での普及が考えられるが、印刷業界向けのサービスが少ないという現実を反映している。ただし、今後のASPの普及を考えたときには印刷業界側の対応が問題になるだろう。

図1でもうひとつ注目されるのが「電子調達(印刷受発注)」(第6位)、「電子調達(主要資材)」(第10位)と、電子調達関係がトップテンに入ってきたことである。 2004年秋の調査でも、今後のMISで追加したい機能として、回答企業の3/4が「顧客・外注先との連携」を掲げていた。「情報伝達のリアルタイム化」機能も今後のMISに追加したい機能の上位に上げられており、ECやWebで連携も進んでいくことになるだろう。


図2は、MISと電子調達に関する現在の状況と、上記アンケート結果に基づいて3年後の保有状況を示したものである。分野毎に多少の差はあるが、印刷業界のMIS、ECの利用は確実に増えていくことは間違いない。


2005/05/11 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会