産声を上げたクリオネマーク
昨年のJGAS展と同時期に環境保護印刷推進協議会(E3PA)はクリオネマーク制度を発表した。E3PAは日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会(JGC)などが中心となり、印刷業界の環境保護を推進するための有志企業が集まった組織である。クリオネマーク制度の特徴を簡単に説明する。
1)「空気」「水」を重点に取り上げる
インキ、洗浄液、湿し水から発生するVOC、刷版の処理廃液、湿し水の廃液などの水質、この2つに重点を絞り、「ノンVOC」「ノンドレイン」を目指す。
2)印刷用機材、印刷会社を対象としている
CTP、湿し水、インキ、印刷機材、さらには印刷会社をマーク表示の対象としている。
3)レベルアップ可能
シルバー、ゴールド、ゴールドプラスの3ステップがあり、順次レベルアップできる。
現在は、CTP、プロセスレスCTP、ノンVOCインキ、ノンVOC湿し水、FMスクリーニングといった機材が認定されている。しかし、印刷会社の認定件数はまだ少ない。
日印産連がグリーンプリンティングマークを発表
日本印刷産業連合会(日印産連)は2001年に「オフセット印刷サービスグリーン基準」を制定し、5年を経過したので、状況の変化を考慮して今年の3月に改訂された。
これを契機に、オフセット印刷サービスを対象に「グリーンプリンティング認定制度」を発足させた。グリーンプリンティング工場認定、同製品認定、同資機材認定の3制度から構成されているが、工場認定を7月から、製品認定を10月からスタートさせる。
普及させるために
再生紙マーク、大豆油インキマークは多くの印刷物に使用され、顧客、消費者に認知され、環境に配慮していることが分かるようになってきた。
印刷業界独自マーク制度は、印刷工程にまで踏み込んだ内容であり、より環境負荷を削減できる。また、印刷業界が自主的に環境問題に取り組んでいくことを世間に宣言したことになる。広告・宣伝の一メディアである印刷物を作っている割には、自己主張が少ない、おとなしい印刷業界であったが、画期的なことであり、ぜひ成功させたい。そのためには、次の事項が望ましい。
1)認知度を高める
印刷物の発注者である出版社、広告代理店、企業の広報部、資材部などに積極的に紹介したり、消費者にも紹介して認知してもらう。
2)マークの使い勝手を良くする
再生紙マーク、大豆油インキマークに比べ、エコマークが普及していない理由は後者は使い勝手が悪いからである。マークの信頼性との兼ね合いがあるが、使いやすい制度でなければならない。
3)他のマークと共通性を高める
再生紙、大豆油インキマーク、特にクリオネマークとの共通性をもたせる。
4)印刷業界に甘くしない
印刷業界のお手盛りと見られないようにしなければならない。そのためには、印刷業界に対して甘い基準、甘い運用であってはならない。
5)世界共通のマーク制度を目指す
この制度は世界の印刷業界で最初の試みではないだろうか。世界印刷会議などの場をとおして世界の印刷業界共通のマークを目指したらどうだろうか。
この中で特に1)が重要であるので、印刷業界の外に発信しなければならないし、印刷業界を挙げて協力していかなければ成功しない。
2006/05/11 00:00:00