2006年に出荷額で７兆円を切り事業所数も３万社を切った印刷産業は、2007年も出荷額が前年割れで10年連続のマイナス成長になった可能性が高い。仕事量全体は、JAGATの予測通りプリプレスの加工度のマイナスに歯止めがかかりプラス（1.5％増）に転じた。

　今後の業界の景況は、供給力過剰がどのように推移するかが最大の焦点になる。しかし、チラシやフリーペーパー等、従来の印刷需要の牽引役がマイナス成長あるいは伸び率ゼロに落ちるなかでオフ輪の設置台数増加率はこの３年毎年上昇している。

　供給力増加は明らかに印刷産業全体にマイナスの影響を及ぼしており、毎年の底割れが続く一要因になっている。大手企業、中小企業を問わず収益性の低下は著しく、中小印刷業の営業利益率平均は１％台に落ち込んだと思われる。

　業界全体が同質の競争をしている限り、供給量過剰の悪循環から抜けることはできないだろう。一方、可能性として考えられる新たな事業領域開発は、時代の流れからその方向性は見えても、具体的には大きく広がるという状況にもない。かくして立ちすくむ印刷企業は何をなすべきか？

　結局、生産の徹底合理化、売上拡大の二兎を追わざるを得ない。個々の企業単位ではいろいろ考えられるとしても、業界全体としては、体質の大改革を成し遂げない限り、縮小均衡のスパイラルから抜けることはできないだろう。

14:00-16:00　2007年の印刷産業を振り返る　
　　　　　　　　　〜立ちすくむ印刷産業〜
　　　　　　　　　　1.印刷産業の最新景況
　　　　　　　　　　2.主要印刷市場の動向
　　　　　　　　　　3.印刷企業の経営実態
　　　　　　　　　　4.印刷産業の課題

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