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チラシ制作とマーケティングとの連動(速報)

チラシ制作用DTPと売上分析ソリューションの連動

方正株式会社 第一事業部長 芦野 雄一氏

チラシを制作している多くの印刷会社では,通常は印刷物を納品すれば仕事は終了という意識がある。
一方,チラシを発注している小売・流通業では,チラシは集客や売上アップの手段であり,そのためのサポートを印刷会社に望んでいる。

方正では,小売・流通業をサポートするためのシステムを手掛けている。
FlyersWebシステムは,商品情報や画像のデータベースの他,販促企画の登録・管理機能により,チラシ制作の効率化をおこなうことができる。
また,FounderREPOを使用してチラシ掲載商品と販売数値をビジュアルに表すことにより,チラシの掲載効果を分析することができる。次回の企画会議の際に,重要な情報を提示することができる。
大手ディスカウトショップでは,セール翌日の月曜午前には,POSデータを印刷会社に送信し,午後にはFounderREPOにデータを流し込み,結果をPDFで返信するというワークフローが出来上がっている。

講演録

印刷会社におけるチラシ効果測定サービス

高田印刷株式会社 専務取締役 高田 裕彦氏

小売・流通業のチラシ効果測定と言っても,通常はセール期間中の来客数や,店舗の売上総額を比較するといった大雑把なものが多い。しかしチラシ掲載商品1点ごとにデータを取ることによって,戦略的なチラシ制作を展開することができる。

小売・流通業では,チラシの費用対効果にますますシビアになっている。チラシの企画は一般に仕入れ担当の商品部,チラシを企画・発注する販促部と店舗の代表などで,企画会議をおこなっている。従来は,在庫を処分したいとか利益率の高い商品を売りたいといった商品部の意見が重視され,チラシにも大きく掲載することが多かった。しかし,データを取りビジュアル化されると,チラシに掲載しても売れないなど,客観的な判断ができるようになった。

現在,大手ホームセンター向けにビジュアル版販売実績の他,売上金額トップ50アイテム,価格帯別販売実績,部門別販売実績,チラシコーナー別販売実績,過去5週の販売実績履歴を提供している。
このホームセンターでは,以前から社内で付箋を貼って人手でビジュアル版販売実績を制作していたが,たいへんな時間がかかり,セールから3〜4ヶ月後に完成していたとのことである。つまり,確認するだけで参考にはならなかったとのことである。
現在は,セール後翌々日の火曜日の検討会議の重要な資料となっている

印刷会社は自身の利益だけを考えていれば良い時代ではなく,顧客の利益のために何ができるかを常に考えることが必要である。

2005/04/08 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会