企画提案力を学び、心に届くDMを~第1期「DM企画制作実践講座」報告~

掲載日:2022年11月8日

印刷メディア広告費は、総広告費がプラス成長を続ける中で年々減少傾向にあるが、在宅需要を取り込んだ「折込広告」や「DM(ダイレクトメール)」は比較的堅調に推移している。特にDMは、開封・閲読率や行動喚起率が高く、デジタルマーケティングと連動することによりさらに進化を続け、印刷市場においても成長領域として注目されている。

 

DMは、広告市場の状況からみても、印刷ビジネスにおいて新たな価値をもたらす可能性を秘めている。しかし、DM市場に参入している印刷会社の中には、企画・デザインなど川上からの提案がうまくできず、課題となっている印刷会社も少なくない。そこで、JAGATでは、DM戦略の企画提案ができる人材育成の強化を図るため、クライアントへのヒアリング方法からDMの企画立案の立て方、クリエイティブ設計、効果の検証方法などを学び、参加各社の実際のクライアントに対する案件に結び付けながら習得していくコンサルタント形式の講座を開催した。第1期の「DM企画制作実践講座(7/21~10/13)」には、8社18名が参加した。

 

講座での取り組み

全6回の講義のうち、第1~3回目は、マーケティング全体におけるDMの背景や考え方、役割を理解し、過去DM大賞作品の事例やワークを通し、DMの企画立案方法が習得できるカリキュラムになっている。第4回目で、各々のクライアントからヒアリングした内容を整理し、DM施策の全体設計を行った。第5回目では、これまで学んだ内容や、講師だけでなく他受講者のアドバイスなどを取り入れるなどして、クライアントに対する提案書やDMのラフ案を作成した。最終回の第6回目では、前回のプレゼンテーションに対し、講師や受講者からのフィードバックを反映させた内容や、提案した結果などの報告を行った。自社DMを作成・投函し、レスポンス率などの効果検証の途中経過や、受注したDMのクライアントとの打ち合わせ経過など、さまざまな報告を聞くことができた。残念ながら今回は、受注につながらなかったケースにおいても、提案の課題を見直し、次につながるような前向きな報告を受けた。

 

受講修了後のアンケートで、今回の講座で身についたスキルや知識を問うと、「企画提案書(73.3%)」、「プロモーション施策の全体設計(60%)」「顧客課題の整理・分析(60%)」と企画、提案、実施、分析、効果検証などDMを企画立案していく過程を習得することができ、受講目的が達成され、満足度も高かったことが察せられる。

 

その他感想として、

・お客様の本当の悩みや望みを深く理解できないまま制作をしていたことに気づいた
・DMの基本知識や特徴を理解し、ヒアリング、顧客の課題整理や分析の重要性を学べた
・顧客視点でサービスや商品を表現しつつ、受け取り手にワクワクと驚きを与えるために一つ
 ひとつ緻密に積み重ねて作り上げていくことが必要でDMは奥が深い

などの声が寄せられた。
受講者にはぜひ学んだ講座内容を社内で共有し、チームでDMを取り組める環境づくりをして、DMの企画提案力を自社の新たな強みになるよう、今後の活動に活かしていただきたい。

JAGAT CS部 加治 寛子

 

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https://www.jagat.or.jp/archives/104034