内定者のフォローの重要性~入社前のコミュニケーションと教育について~

掲載日:2022年12月16日

新卒採用は、これからの事業を支える人材確保のために、総務・人事部門にとっては最重要事項と言えるだろう。入社後も一から教育を施し戦力となるまでには、大きなコストや時間がかかる。しかし、せっかくいい人材が採用できても、入社前に内定を辞退されるなど頭を抱えてしまうケースもある。それを防ぐためには、新入社員が入社前に抱える不安や問題を理解し、解決するための施策をとらなければならない。

 

採用教育担当者の課題


職種や企業規模、知名度などによって新卒採用の募集人数や質が大きく変わってくるが、少子化や採用の競争激化などにより、人材を確保することは年々難しくなり、企業は今まで以上に工夫をこらし、新卒採用に力を入れる必要に迫られている。
学生と最初にコミュニケーションをとる場となる「会社説明会」では、社内の雰囲気が伝わるような動画や先輩社員の紹介などとともに、経営理念や自社の魅力を伝え、まずは、「働いてみたい」という気持ちが持てるようにすることが重要である。そして、内定の通知を出したとしても、入社までの期間にモチベーションの低下や、入社後のイメージが持てないことによる不安から辞退に至るケースもあるため、しっかりフォローしていかなければならない。


JAGATで2022年7月に行った「印刷会社の新卒・中途採用に関する実態調査2022」によれば「応募者の母数不足」を約6割の採用担当者が感じている。また、応募者が減っている中、「内定辞退の増加」が約2割と入社するまで気が抜けない状態である。

 

 

 

内定後の不安


一方、内定を獲得した学生は、内定をもらった喜びや希望はあるものの、入社までの期間に「この企業でよかったのだろうか」「もっとふさわしい企業があるのではないか」と迷いを感じ、考えすぎてしまう傾向がある。また、面接で自分をアピールしたものの期待に添えられるか、たくさんの先輩社会人と上手く付き合えるかなど社会人となることへの不安も大きく悲観的になってしまい、それが内定辞退へとつながってしまうことも多い。

JAGATが2022年度の新入社員に行った意識調査では、内定後に企業からどのように情報提供がきたら望ましいかとの設問に対し、約7割の新入社員が「人事担当者からのメールや電話の連絡」と答えている。次いで、「内定者懇親会(対面)」「書籍の提供」「勉強会、グループワーク、研修」となっている。内定から入社までの期間に人事担当者からの連絡や他の内定者との「つながり」や「勉強の機会」を定期的に持つことで、不安から安心へと変わり、学生から社会人へと心の準備もできる。また、業務に携わる知識が事前にある程度習得できれば、企業や仕事に対する意識の持ち方が向上するのではないだろうか。

 

 

内定後から入社までの期間にひと手間加え、コミュニケーションや教育の機会を提供することで、仕事への興味関心を引き出したり、内定者同士の「横」と先輩社員との「縦」の人間関係を構築できるような場づくりができる。
就職先には自分を気にかけてくれる人がいてくれているという安心感を持って入社できるよう、万全の準備を整え、新入社員を迎えていただきたい。


JAGAT CS部 加治 寛子

 

 

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