採用と教育方針で新入社員が感じるミスマッチを防ぐ

掲載日:2023年3月10日

4月から新社会人となる新入社員は、会社への期待や希望を持って入社する一方、不安も大きく、最初の彼らとの関わり方や教育が今後の仕事に対するモチベーションや社会生活にも影響する。そのため、新入社員の気持ちに寄り添い、成長につながる環境を整えておく必要がある。

 

新卒採用と中途採用

新しい人材を迎え入れる「採用」の目的は、「新卒」と「中途」では、採用基準や目的が大きく変わってくる。新卒採用は、基本的に社会経験がない人材であるため、即戦力としてではなく将来性を見据えての採用となる。一方、社会経験があり、すでにスキルを身につけている中途採用とでは期待される活躍ができるまでの時間軸が異なってくる。また、採用時期や採用方法も「新卒」と「中途」では異なり、新卒採用は、通年採用の企業も増えてはきたが一括採用が主流となっている。その反面、中途採用は、求めているスキルをもった人材を必要な時に採用するので不定期に採用を行うが、昨今では希望する人材をすぐに見つけることが困難なため、通年で人材募集を行っているケースもある。

 

JAGATで昨秋、印刷会社の経営者や採用責任者を対象に実施した「人材採用の取り組みに関する実態調査」によると、採用目的について新卒採用では、「年齢バランスの適正化(64.3%)」「人員増強(47.1%)」「組織活性化(45.7%)」が上位3つとなっている。新卒採用者は、中途採用者に比べると「社風」を共有できる部分が大きく、会社に馴染みやすい。定期的に新入社員を向かい入れることで年齢別の人員構成もバランスよく保つことができ、かつ、先輩社員も「人を育てる力」がつくことで個々の能力が強化される。また、新しい発想力やバイタリティが職場に刺激をもたらし、組織の活性化にもつながってくる。
一方、中途採用の目的では、「欠員補充(84.2%)」が最も高く、次いで「人員増強(48.7%)」、「既存事業強化(27.6%)」となっている。企業が求めるスキルをもった人材を採用するケースが多いため、すぐに戦略として活躍が期待でき、自社に足りないスキルやノウハウでビジネスの幅が広がっていく。

 

 

企業における新卒採用・教育の大切さ

新入社員の入社は、企業に新しい風を吹かせ組織の活性化へとつながり、さらなる事業拡大を目指すために未来の活躍を担う重要な人材となる。そのために自社が求める人材を見極めて、しかも効率的に採用することが大事なポイントである。人事・現場・役員間で自社に必要な人材に関し共通の採用基準を設定し、その基準に沿って就職希望者側が十分に納得する形で採用を行うことで入社後の実務とのミスマッチを減らす効果が期待でき、士気の低下や早期離職を防ぐことへとつながる。そして、入社後には適切な新入社員教育を行うことで、さまざまな不安を取り除き、早期戦力化も可能となり社内全体の生産性の底上げが期待できる。新入社員教育は、計画的にカリキュラムを組むことで業務の基本が理解でき、早い段階で知識や技術の習得が可能となる。社会人としての基本的な常識やマナー、仕事への目的はもちろん、コミュニケーションスキルや専門知識など、教育の目的を明確にし、ポイントをおさえた教育を実施することが大切である。

 

JAGAT CS部 加治 寛子

 

 

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