印刷業に仲間入りした246名の新入社員は就活でどの媒体を利用したか

掲載日:2023年9月5日

JAGATでは毎年「新入社員意識調査」を行い、今春に入社した246名の新入社員から回答を得ている。今回は、新入社員が就活で利用した媒体・機会を紹介し、企業と学生のコンタクトポイントを考える。



■新卒採用意欲は回復傾向

今年も東京・大阪開催のセミナーに加えて、宮城・富山・石川・愛知・岐阜の各県印刷工業組合にご協力をいただいた。2023年は、新入社員246名(女性51.4%・男性48.6%/院卒1.7%・大卒53.3%・専門、短大卒16.3%・高卒28.8%)からの回答があった。また、配属予定職種は、営業46%・製造29%人・制作20%・総務3.2%・IT、Web1.1%で、営業職での採用が最も多い結果となった。2022年の183名と比べると回答者数が大幅に増えている。コロナの影響による採用抑制が一段落し、印刷業における新卒の採用意欲が回復していると推察する。

 

■採用パンフレットの利用機会が増える

企業の人材施策における課題は、優秀な学生を採用できるか否かにある。ファーストステップは自社の存在を学生に認知してもらうことであり、就職媒体や機会の有効活用が不可欠だ。印刷業を志望した学生が就職活動に活用する手段や機会は以下の通りとなる。

Q.就職活動で利用した媒体・機会(複数回答可)

就職ナビサイト、学校求人、合同説明会は常に上位3位に入り例年の動きと変わりはない。学生が最初に企業を知る可能性の高い媒体であり、企業視点でもエントリーしてもらうための母集団の形成には欠かせない。一方、採用パンフレットの利用率が12.7%(前年6.1%)と倍増している。リアルでの説明会や面接が増えたことで、モノである紙媒体の採用パンフレットを手にする機会が増えたことが一因する。つまり、学生の選考へ進むか否かの判断軸として、採用パンフレットは重要なツールとして認識するべきである。

 

■逆求人、新卒特化型ハローワーク等の新たなサービス利用

母数はまだ少ないが逆求人が4.9%(前年1.2%)と利用する学生が増えている。逆求人とは、学生が自身のプロフィールを掲載し、それを見た企業が学生にアプローチする方法で「OfferBox」や「dodaキャンパス」が代表的なサービスである。同サービスの性質上、学生が自ら発信する必要があるため必然的に意欲の高い人材が多い。利用する学生も徐々に増えているため、企業の採用アプローチの一つとして検討する余地はある。

その他、フリーコメントで多かったのが、厚生労働省が提供している「新卒応援ハローワーク」を利用している学生だ。ハローワークは中途向けのイメージが強いが、現役学生から第二新卒までを対象にした就職支援専門のハローワークである。求人紹介だけではなく、エントリーシート、履歴書の書き方、模擬面接など無料でサービスを提供している。公的機関が実施しているので、信頼度も高く利用する学生も増えている印象だ。

印刷業の大半は中小企業であり、新卒採用活動においてまず学生に知ってもらうこと、そして選考まで進んでもらうことは容易ではない。そのためには認知され理解してもらうことが重要だ。印刷業界の仲間入りした新入社員246名は、何かしらの情報を見て現職である印刷及び関連会社を知り入社に至っている。その最初の接点である就活媒体や機会は何を利用しているのか、そこを知ることで企業の学生へのアプローチ手段の参考にしていただきたい。

※詳細はJAGATinfo2023年12月号に掲載する予定です。

JAGAT 塚本直樹

 

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