チームを成功へと導く「マネジメント力」

掲載日:2023年10月3日

組織やチームが力を最大に発揮し、成果を出すためには、効果的なマネジメントと優れたリーダーシップが必要だ。そして、昨今の管理職やリーダーに求められるマネジメント力は、部下に自立と創意工夫を促す「自立・共創型」に変わってきている。

 

「マネジメント力」は、組織の方向性を定め、チームをまとめてビジョンを現実に導く力と、従業員一人ひとりの個性や能力を把握し、仕事を通して部下を成長させる力だといえる。組織の長期的なビジョンをもとに目標を設定し、それを達成するための計画と戦略を立て、実行に導く。そしてPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルを回しがら、部下とのより良き関係を築き、チームのモチベーションを高め、組織全体のパフォーマンスを向上させていかなければならない。


マネジメントに必要なスキルとして、「意思決定力」「コミュニケーション力」「管理能力」「分析力」といった4つが挙げられる。これらを持ち、冷静に物事を判断し、チームを導き、チーム全体が協力し合うことで、生産性や効率性の向上へとつながる。また、チームメンバーに対して信頼感や共感を与え、結果的に強力なチームを形成することへとつながっていく。


なお昨今では、管理職やリーダーに求められるマネジメントの形が、上司の判断や指示に従い効果的に仕事を進めさせる「管理・統率型マネジメント」から、部下一人ひとりが自律的に仕事を進められるようサポートし、チームで新たな創意工夫を生み出していけるような働きかけをする「自立・共創型マネジメント」へと変わってきている。上司から部下に決定事項を落とし込むものではなく、自立したメンバー同士が協働し、新たな価値を共に創り、各現場にて最適な判断で意思決定を行い、行動に移していくことを促すマネジメントである。チームメンバーは自ら解決できる環境であるため、視野が広がり当事者意識を持って行動できるようになるので達成感や自己肯定感につながり、個人の成長も期待できる。
そこで、リーダーや管理職が部下との関係性を築いていく第一歩として、対話の土壌づくりが重要となる。ただし、コミュニケーションを図ろうとして意識的に対話をしているとしても、相手の話を聴く場面でさえぎって自分が話してしまったり、単なる「おしゃべり」で終わってしまったりするケースも多々ある。また、メンバーの考えや思いを十分に引き出せず、情報伝達や報告に終始してしまうミーティングなども避けなくてはならない。「自立・共創型」だからこそ部下との対話がより一層大切なのだ。

JAGATが2023年度の新入社員に行った意識調査では、「上司や先輩に求めるものはどのようなことか」との設問に対し、約7割の新入社員が「丁寧に指導してくれる」と答えている。次いで「良い点を積極的に認める・褒める」、「好き嫌いで判断しない」、「目指す方向を示し、引っ張ってくれる」となっている。

 

 

選んだ理由として、
 ・接しやすい上司・先輩だと仕事への意欲がより上がるから
 ・自身で考えて行動することも大切だが上司からの適切な指示も必要なため
 ・技術指導だけでなく悩みなども聞いて解決の一助になってもらいたい
など理由を挙げている。中には、「選んだ項目のような上司、先輩になりたいから」という声も寄せられ、新しい環境に不安がある中で、上司に求める姿が見受けられた。


部下の自立を促し、共創して組織を成功に導くマネジメント力は、複合スキルなので、日々の積み重ねや時には自身を振り返り、養っていいただきたい。

 

JAGAT CS部 加治 寛子

 


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