11月1日に『印刷白書2026』を刊行、11月10日発刊記念セミナーを開催します。
2026年版では、印刷産業の現状分析から印刷ビジネスの今後までを幅広く取り上げるとともに、8名の新たな執筆者を迎え、これまで以上に多角的な視点から印刷産業を捉えています。紙メディア、技術トレンド、情報危機管理など新たなテーマも加わりました。
印刷産業は、いまどこにいるのか
第2章「印刷産業の動向」では、産業構造や市場動向、上場企業の業績などから、印刷産業の現在地を捉えています。
コロナ後の回復局面が終わり、印刷産業はいよいよ自律成長が試される段階に入っています。収益性が圧迫されるなか、請負型から課題解決型へ、装置産業からサービス産業へ。印刷を核に、自社の強みと顧客の課題に合わせて事業領域を広げる「拡印刷」のスタンスを提言しています。
一方、印刷産業を取り巻く環境は、印刷市場だけを見ていても捉えることができません。第4章では、出版、新聞、広告、パッケージ、地域メディア、通信販売など、印刷会社のクライアントとなる関連産業の動向にも目を向けています。
紙、AI、技術――変化する印刷の価値
第3章「印刷トレンド」では、印刷を取り巻く技術やメディアの変化を取り上げています。
紙メディアについては、認知科学の視点から、紙が「触れる、めくる、並べる、書き込む」ことで思考を支える「操作メディア」としての価値を考察。デジタル化が進むなかで、紙に残されている価値とは何なのかを探ります。
技術面では、page2026を起点に、印刷技術が品質や生産性を高める段階から、業務の自動化、新たな用途開拓、環境負荷低減、生成AIの活用など、印刷ビジネスそのものを変える方向へ進化していることを読み解きます。
さらに、生成AIによる真の「パーソナライゼーション印刷」や、AIエージェントによって人がシステムを操作するのではなく、AIが目的に応じてシステムを連携させ、印刷までを自律的に実行する新たなワークフローの可能性も取り上げています。
このほか、パッケージを「包み、伝える印刷メディア」として捉え直すとともに、サステナビリティや情報危機管理など、これからの印刷会社が向き合うべき経営課題についても考察しています。
白書の論点を、専門家とさらに掘り下げる
『印刷白書2026』の発刊を記念して、11月10日には発刊記念セミナーを開催します。
セミナーでは、JAGAT執筆者に加えて外部から3名の講師を迎え、白書で取り上げたテーマをさらに掘り下げます。
印刷博物館学芸員で「現代日本のパッケージ」展を担当した川井昌太郎氏は、「パッケージの潮流、その機能とデザイン」をテーマに講演します。商品を包むだけではなく、環境配慮や使いやすさ、ブランド価値を伝えるメディアへと進化するパッケージの潮流を読み解きます。
中小印刷業の情報セキュリティをテーマに登壇するのは、株式会社ミカド代表・情報セキュリティコンサルタントの青柳恵介氏です。ランサムウェアやサプライチェーン攻撃など、事業継続を揺るがす重大なリスクを取り上げ、専門人材を欠く中小企業でも実践可能な「ITスキルに頼らない」情報危機管理の方向性を考えます。
また、バリューマシーンインターナショナルの宮本泰夫氏からは、印刷技術の進化と価値創造についてお話しいただきます。技術そのものの変化だけでなく、それをどのように新たな顧客価値やビジネスにつなげていくのかを考えます。
『印刷白書2026』は、データによって印刷産業の実態を捉えるだけでなく、さまざまなテーマを読み物として掘り下げることも重視しています。今回の発刊記念セミナーでは、白書を「読む」だけではなく、執筆者や専門家の解説を通じて、その背景にある変化を「考える」機会を提供します。印刷産業はいま、従来の「印刷」という枠組みを越え、AI、デジタル、紙、パッケージ、マーケティング、情報セキュリティなど、さまざまな領域との接点を広げています。
『印刷白書2026』を手がかりに印刷産業の「いま」を捉え、これからの印刷ビジネスを考える機会として、ぜひ発刊記念セミナーにご参加ください。
『印刷白書2026』発刊記念セミナー
2026年11月10日(水)13時30分-17時


