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【クロスメディアキーワード】シングルサインオン

クロスメディアキーワード【第18回】

シングルサインオン(SSO)は、認証を実現する技術の一つであり、EC(Electronic Commerce)サイトやポータルサイトで、閲覧者のアクセスコントロールを目的に利用されている。

関連する規格もあり、セキュリティーの確保を前提としたWebサイトを活用するクロスメディア展開では、必須の知識である。

クラウドコンピューティング

シングルサインオンはと関連する技術の一つとして、クラウドコンピューティングをあげることができる。

クラウドコンピューティングとは、特にインターネット経由でアプリケーションやストレージといったサービスを利用する形態を指す。

このようなサービスでは、個人に紐付くさまざまなデータがインターネット上に保存されるため、サービスを利用する際には、ユーザーIDやパスワードが必要不可欠となる。

ユーザーID(IDentification)とパスワードにより認証を行い、ログインすることでサービスを利用できる仕組みが一般的であったが、複数のサービスを利用する場合、複数のユーザーIDとパスワードを管理する必要がある。

さらにセキュリティーを考慮すると、定期的なパスワードの変更が必要な場合もあり、利用者の負担が高かった。

シングルサインオンの普及

シングルサインオンとは、従来、個別のユーザーIDとパスワードで管理されていたサービスを統合し、ユーザーIDとパスワードを一度入力することで、さまざまなサービスを横断的に使用できる機能である。

シングルサインオンにより、利用者の負担は軽減され、安全性を保つ認証が実現される。

Yahoo!や楽天などにより提供されるECサイトの認証で採用されているほか、一部のOS(Operating System)でも採用されている。

昨今は、インターネット上の複数サービスを利用する生活者が増えてきたことから、シングルサインオンが普及している。

シングルサインオンを実現するサービスは、様々なものが有償または無償で提供されている。

OpenID

シングルサインオンを実現するサービスの中で、日本国内で標準規格として普及してきているものとして「OpenID」をあげることができる。

「OpenID」は、米国のOIDF(OpenID Foundation)を代表とする団体により普及促進が図られている規格であり、利用者を問わずインターネット上で活用することができる。

発行される「OpenID」は、URL(Uniform Resource Locator)形式により構成される。

そのため、スパムメールや不正アクセスなどのリスクが少なく、認証することができる。

URL形式の「OpenID」は、専用のサーバーで管理されおり、1つの「OpenID」により、対応する全てのインターネット上のサービスで認証を受けることができる。

例題

次の文中の空欄[A]~[C]に入る最も適切な語句の組み合わせを下記の[解答群]から選べ。

インターネット上で利用者に個別のサービスを提供するために、WebサイトごとにユーザーIDとパスワードが発行されるが、利用者の管理上の不便さからサ イト利用率の低下を招くことがある。この管理から利用者を解放するシングルサインオンの方法として、一部のベンダーによりサービスが提供されたが、ユー ザーIDの認証や情報をそのベンダーのみが管理することで、他のベンダーによるサービスが取り入れられない制約があった。

その後、サイト 間での相互のシングルサインオンを実現するものとして[A]が登場した。国内においても大手ベンダーが[A]を発行し、複数のベンダーが[B]サイトを提 供している。初期の段階から複数の大手ベンダーが推進団体に加盟しており、世界で1万以上のサイトが対応している。

利用者は、[A]対応サイトを利用することで、新たにユーザーIDとパスワードを取得する必要がなくなる。
この認証技術は、対応サイトで共通して利用できるユーザーIDを持ち、[C]形式で表す。[C]形式に定められた長所の一つは、よく使われるメールアドレスの場合、アドレスの不正利用や、「盗聴」によるスパムメールが増加の心配がないとされている。

[解答群]
 ①A:OpenID B:ログイン対応 C:URL
 ②A:CommonID B:ログイン対応 C:アカウント
 ③A:CommonID B:セッション対応 C:URL
 ④A:OpenID B:セッション対応 C:アカウント

[解答]
 ①A:OpenID B:ログイン対応 C:URL

※本ページの内容は掲載当時(2014年5月28日)のものです。

【クロスメディアキーワード】コンピューター言語とデータフォーマット

クロスメディアキーワード【第8回】

コンピューター言語

コンピューター言語とは、ソフトウェアを開発するために 人工的に設計された言語で、プログラムとデータを記述する構文と語彙で構成される。コンピューター言語は、コンピューターハードウェアの登場と共に始ま り、約半世紀にわたりコンピューターとその応用の進展につれ、夥しい種類が考案されてきた。

プログラム記述の言語

1960年代までは、FORTARN、COBOL、アセンブリ言語といったプログラミング言語が主流であったが、スパゲッティ状態の(制御が乱雑で保守し にくい)プログラムが作られやすい文法であったため、それらに対する保守コストの増大が「ソフトウェア危機」として問題視されるようになった。問題解決の ために「構造化プログラミング」が提唱され、以降に開発された新たなプログラミング言語は、その考えを反映するようになった。

また、「ソ フトウェア危機」では、大規模で複雑なプログラム開発コストの増大も問題になった。そこで、プログラムの部品化と再利用が提唱された。1970年代から は、部品化と再利用が実現できるSmalltalk、C++、Objective-Cといったプログラミング言語が次々に開発され、「オブジェクト指向プ ログラミング」が提唱された。これらの言語では、オブジェクトを部品として記述できる。具体的には、データの型やそれに対する処理を抽象化し、その検査を 行うことで安全な実現を可能にしている。

しかし、構造化プログラミングやオブジェクト指向プログラミングは、プログラミングの考え方をプ ログラマーに示唆する「パラダイム」に過ぎず、その言語を用いても「ソフトウェア危機」問題が解決するわけではない。現在では、「フレームワーク」という 形で、目的とするプログラムが容易にかつ確実にできるようにするために制約的なプログラミングが行われている。

現在、代表的なプログラム記述の言語は、次のような種類がある。

  • C++、Objective-C、Java:汎用アプリケーションの記述
  • Perl、PHP:WebにおけるCGIの記述
  • JavaScript:Webクライアントプログラムの記述
  • XSLT:XMLボキャブラリ変換の記述
  • SQL:データベースに対する問合せの記述
  • Microsoft .NET Framework、JavaServer Faces:アプリケーション記述のためのフレームワーク

データ記述のための言語

データに関わる記述は、もともとプログラミング言語の一部であったが、1960年代のデータベースシステムの登場により、データの変更を容易にし、プログ ラムへの影響を極力少なくするために、データ記述を「スキーマ」としてプログラムから切り離す「データ独立」の動きが起きた。そうした動きの当初は、デー タベース関連にとどまっていたが、その後、データとそれに対する処理をオブジェクトとして扱うオブジェクト指向プログラミングとあいまって急速に広まっ た。

1980年代に登場したSGML(Standard Generalized Markup Language)は文書のデータ型を定義する「メタ言語」である。データ型は、データ記述の構文と語彙であり、要素の順序や階層関係、要素名(タグ)と 属性名で構成され、それに基づいて具体的なデータをマークアップするHTML、MathML、SVGなどといった言語が定義される。現在では、データ記述 のための言語の定義は、SGMLの後継であるXML(Extensible Markup Language)に集中するようになっている。

現在、XMLで定義された代表的なデータ記述の言語としては次のような種類がある。

  • XML Schema、RELAX、RELAX NG:文書のデータ型の記述
  • XHTML、MathML、SVG:Webコンテンツの記述
  • XAML、XUL:ユーザー・インターフェイスと関連データの記述
  • IDL:ソフトウェアコンポーネント(部品)間のインタフェースの記述

データフォーマット

コンピューター間やアプリケーション間などの情報交換で用いられるデータの形を「データフォーマット」と呼ぶ。その表現はコンピューターの内部表現と異な り、直列化される。データがプログラム内で記述されていた頃は、プログラムごとの暗黙的な形式が採用されていたが、データ独立が指向されるようになると、 ファンクションコードやタグによる構文や語彙が明示的になった。

XMLに基づくデータはテキストデータで表され、そのフォーマットの構文 と語彙は明示的な自己記述である。一方、画像や音楽を表わすデータの多くはバイナリーデータで表され、そのフォーマットの構文と語彙は暗黙的であり、デー タ量をなるべく小さく抑えるために圧縮されることが多い。

EPUBでは、XHTMLデータと画像データなどから構成されているが、書籍そ のものの取り扱いを容易にし、かつデータ量をなるべく小さく抑えるために圧縮されている。また、PDFでは、テキストデータとバイナリーデータが混在し、 部分的に圧縮された表現形式が採用されている。

例題

コンピューター言語に関する記述として最も適切なものはどれか[解答群]から選べ。

ア COBOL、FORTRAN、PL/I、Pascal、C言語は、コンピューターに処理を実行させる問い合わせ言語である。

イ SQLやXQueryなどは、データ記述言語と呼ばれ、主にデータベースからのデータ取得に対する記述をするものである。

ウ XMLは、文書の表示や印刷を行うたのデータ項目を文書構造に合わせて取得することに、困難を伴う言語である。

エ UMLは、ソフトウェア開発においてシステムの構造を表現するためのモデリング言語である。

[解答群]
 ①ア ②イ ③ウ ④エ

[解答]
 ④エ

※本ページの内容は掲載当時(2013年12月9日)のものです。

【クロスメディアキーワード】コミュニケーション支援とメディア

【第2回】メディアデザイン
メディアによる生活者とのコミュニケーション支援を実施するには、様々なメディアに関するリテラシーが必要になる。

技術のコモディティー化

IT(Information Technology)の発展により、コンテンツの制作に関する技術がコモディティー化することで、アプリケーションの操作技術だけでは、コンテンツの制 作に関わる業務としての付加価値が保ちにくい。様々な生活者に技術が移行することで、本質的なデザインや編集を行わない業務の価値は、データのフォーマッ ト変換程度の価値だけになりかねない。

ITが発展する前のコンテンツの制作に関する技術は、完成品の状態から逆算し、業務を行い、知識や 技術などのノウハウを蓄積してきた。しかし、情報のデジタル化によりコンテンツは、出力するメディアに合わせ、多様性や柔軟性を求められると同時に、さら に自動化へと向かっている。コミュニケーション支援で重要なことは、コンテンツの内容に近づくことであり、様々なメディアの特性を理解しなければならな い。

コンテンツデータの管理

現在、市場に普及しているパソコンは、過去には想像できなかったような、様々なデータの管 理機能を備えている。しかし、コンテンツデータの活用を主眼にすると、データの管理方法に関する知識が求められることもある。コンテンツデータの管理で は、メタデータ管理が重要視される。写真で例えれば、何時、何処で、誰が撮影したかなど、属性情報が管理されることで、写真は様々なコンテンツで利用しや すくなる。組織のメディア戦略では、コンテンツデータを資産として管理することも重要であり、情報発信のためのコンテンツデータ管理は、組織にとって欠か せない課題であるといえる。

メディアリテラシー

コミュニケーション支援ビジネスでは、「メディアリテラシー」を意識する必要もある。情報の発信者と受信者に与える影響を配慮することで、様々なメディアの文化的背景を乗り越え、効果的なコミュニケーションを実現できる。

コミュニケーション支援

マーケティング、ユーザーインタフェース設計、コンテンツ管理、サーバー技術、ネットワーク技術などの要件を踏まえた「メディアデザイン」が重要になる。社会を支えるコミュニケーション支援を行うために、「メディアデザイン」を考慮したロードマップが必要である。

公益社団法人 日本印刷技術協会
教育コンサルティング部
チーフコンサルタント
小林 祐一

 

※本ページの内容は掲載当時(2013年12月2日)のものです。

【クロスメディアキーワード】オープンソース

クロスメディアキーワード【第11回】

オープンソースは、無料でソースコードやプログラムが入手できるということを意味しているだ けではない。オープンソースに関する定義は、Open Source Initiative(OSI)により策定されている。OSI認定を受けるためには、以下の頒布条件が定められている。

1. 再頒布の自由

「オー プンソース」であるライセンス(以下「ライセンス」と略)は、出自の様々なプログラムを集めたソフトウェア頒布物(ディストリビューション)の一部とし て、ソフトウェアを販売あるいは無料で頒布することを制限してはならなない。 ライセンスは、このような販売に関して印税その他の報酬を要求してはなららない。

2. ソースコード

「オープンソース」 であるプログラムはソースコードを含んでいなければならず 、コンパイル済形式と同様にソースコードでの頒布も許可されていなければならない。何らかの事情でソースコードと共に頒布しない場合には、 ソースコードを複製に要するコストとして妥当な額程度の費用で入手できる方法を用意し、それをはっきりと公表しなければならない。方法として好ましいのは インターネットを通じた無料ダウンロードである。ソースコードは、プログラマがプログラムを変更しやすい形態でなければならない。意図的にソースコードを 分かりにくくすることは許されず、プリプロセッサや変換プログラムの出力のような中間形式は認められない。

3. 派生ソフトウェア

ライセンスは、ソフトウェアの変更と派生ソフトウェアの作成、並びに派生ソフトウェアを元のソフトウェアと同じライセンスの下で頒布することを許可しなければならない。

4. 作者のソースコードの完全性(Integrity)

バ イナリ構築の際にプログラムを変更するため、ソースコードと一緒に「パッチファイル」を頒布することを認める場合に限り、ライセンスによって変更された ソースコードの頒布を制限することができる。ライセンスは、変更されたソースコードから構築されたソフトウェアの頒布を明確に許可していなければならない が、派生ソフトウェアに元のソフトウェアとは異なる名前やバージョン番号をつけるよう義務付けるのは構わない。

5. 個人やグループに対する差別の禁止

ライセンスは特定の個人やグループを差別してはならない。

6. 利用する分野(Fields of Endeavor)に対する差別の禁止

ライセンスはある特定の分野でプログラムを使うことを制限してはならない。 例えば、プログラムの企業での使用や、遺伝子研究の分野での使用を制限してはならない。

7. ライセンスの分配(Distribution)

プログラムに付随する権利はそのプログラムが再頒布された者全てに等しく認められなければならず、彼らが何らかの追加的ライセンスに同意することを必要としてはならない。

8. 特定製品でのみ有効なライセンスの禁止

プ ログラムに付与された権利は、それがある特定のソフトウェア頒布物の一部であるということに依存するものであってはならない。プログラムをその頒布物から 取り出したとしても、そのプログラム自身のライセンスの範囲内で使用あるいは頒布される限り、プログラムが再頒布される全ての人々が、元のソフトウェア頒 布物において与えられていた権利と同等の権利を有することを保証しなければならない。

9. 他のソフトウェアを制限するライセンスの禁止

ライセンスは、そのソフトウェアと共に頒布される他のソフトウェアに制限を設けてはならない。例えば、ライセンスは同じ媒体で頒布される他のプログラムが全てオープンソースソフトウェアであることを要求してはならない。

10. ライセンスは技術中立的でなければならない

ライセンス中に、特定の技術やインターフェースの様式に強く依存するような規定があってはならない。

例題

オープンソースにおけるOSI認定の頒布条件に関する記述として最も不適切なものはどれか[解答群]から選べ。

ア オープンソースソフトウェアとともに頒布される他のソフトウェアについては、すべてオープンソースソフトウェアでなければならない。

イ ライセンスは、ソフトウェアの変更と派生ソフトウェアの作成、並びに派生ソフトウェアを元のソフトウェアと同じライセンスの下で頒布することを許可しなければいけない。

ウ ライセンスはある特定の分野でプログラムを使うことを制限してはいけない。例えば、プログラムの企業での使用や、遺伝子研究分野での使用を制限してはいけない。

エ プログラムに付随する権利は、そのプログラムが再頒布された者すべてに等しく認めなければならず、追加的ライセンスに同意することを必要としてはいけない。

[解答群]
 ①ア ②イ ③ウ ④エ

[解答]
 ①ア

※本ページの内容は掲載当時(2014年1月6日)のものです。

【クロスメディアキーワード】クローラーと情報アーキテクチャー

クロスメディアキーワード【第15回】

Webサイトの構築を行う際には、情報アーキテクチャーを考慮することで、利用者を意識した情報サービスの提供が実現できる。

クローラー

クローラーとは、サーチエンジンがインターネット上の情報を収集するプログラムである。定期的にインターネット上のHTML(HyperText Markup Language)文書からリンク情報(href属性値に指定されたURL)を辿り、あらゆる情報を収集する。スパイダーやWeb巡回プログラム、検索ロ ボット、ボットなどとも呼ばれる。

インターネット上の検索サイトでは、検索結果の順位を決める方法として検索アルゴリズムによるものが多 く、利用者の探している情報を的確に探し出せるかが重要となる。検索アルゴリズムは日々進化しており、サービス提供企業ごとに方法が異なり、いずれも非公 開とされている。

クローラーは、サーチエンジンの検索結果に利用される情報の収集の他、目的を持たせ特定の情報収集に利用される。目的や特定の情報とは、一般企業や団体などによる商品情報の収集や統計調査などがあげられる。

クローラーには幾つもの種類があり、PC向けWebサイトの情報収集に用いられるものや、モバイル端末向けWebサイトの情報収集に用いられるものがある。また、ブログ検索サービスのように、情報の性質や状態を考慮した検索サービスも提供されている。

ブログの内容は、更新の容易さや個人の嗜好が反映されやすいことから、企業などが用意するWebサイトとは性質の異なる情報が多く含まれている。ブログ検 索サービスによっては、更新情報を配信するためのRSSフィードやAtomフィードのある全てのブログを検索できるようにすることを目標としているものが ある。

セマンティック・ウェブ

広く普及しているインターネット上の情報を収集する方法は、一般的に使用される文章検索に関する方法を利用している。言い換えれば、自然言語による検索方法である。これは、人間の持つ言葉の多面性や曖昧さから、正確に目的とする情報を得ることが難しいとされている。

また、自然言語による検索のほか、W3Cのティム・バーナーズ=リー氏によって提唱されたセマンティック・ウェブに対する検索技術の研究が行われている。

セマンティック・ウェブでは、HTMLで記述された文書を使用せず、XML(Extensible Markup Language)により記述した文書に対し、RDF(Resource Description Framework)やOWLを記述したものを使用する。RDFは、インターネット上のリソースを示すために用いられ、OWLは、意味を持った情報を形式 化して記述することに用いられる。自然言語の検索による曖昧な検索方法に対し、正確な意味を持った情報に対する収集や分析が可能になると考えられている。

ウェブマイニング

ウェブマイニング(Web Mining)とは、Webサイトの構造やインターネット上の情報を利用し、統計学、パターン認識、人工知能等のデータ解析の技法により、膨大なデータを 網羅的に適用し、傾向やパターンなどの情報を取り出す技術である。セマンティック・ウェブの実現により、インターネット上の膨大な情報に対し、解析技術を 用いた情報抽出が可能になることが期待されている。

情報アーキテクチャー

情報アーキテクチャーとは、わかりやすさのデザインともいわれ、「利用者に情報をわかりやすく伝え、受け手が情報を探しやすくする」ための表現技術である。

情報アーキテクチャーを意識したWebサイトの構築する際は、デザイン性だけではなく、検索性や各コンテンツへのナビゲーションも考慮することが必要であ る。そのため、設計段階からこれらを意識し、構造化や最適化を行うべきである。こうした配慮によって、利用者にとって使い勝手の良いWebサイトの提供が 行える。

SEO対策

SEO(Search Engine Optimization:サーチエンジン最適化)対策と呼ばれる検索サイトでの上位表示をさせるための手法についても、その仕組みを理解し、情報アーキテクチャーを意識したWebサイト構築を行うことが望ましい。

インターネットにおける大手検索ポータルサイトのサーチエンジンでは、キーワードを上位に表示させるためには、利用されているクローラーに対象とされるようなサイト構造にしておく必要がある。

サーチエンジンは、Webサイトの構造から情報を収集し、情報の内容を判断して順位付けを行っている。そのため、サイト設計段階から、サイトの目的に応じた要素を分類し、構造化していくことが重要となる。

例題

次の文中の空欄[A][B]に入る最も適切な語句の組み合わせを下記の解答群から選べ。

クローラーは、「Web巡回プログラム」や「ロボット」と呼ばれるインターネット上の情報を検索するプログラムである。クローラー技術は、検索サービスに対してだけではなく、商品情報の収集や統計調査など、特定の目的のもと[A]で利用されている。

ブログ情報、商品情報などといった、求められる情報の性質に特化した検索サービスやモバイル端末向けの検索サービスも登場している。

今後、より的確な情報を得るために、自然言語による検索条件の指定に加え、セマンティック・ウェブやウェブマイニングなどを組み合わせた検索技術が求めら れる可能性がある。セマンティック・ウェブは、XMLにより記述された文書に[B]やOWLを用い、意味を記述したタグを付け加える。そのタグが文章の含 む意味を形式化することになる。将来、タグを付けていないインターネット上のコンテンツは、次第に検索結果の表示順位が低くなる可能性があり、SEOの観 点からも対応が迫られることも予想される。

[解答群]
①A:一般的分野 B:CSS
②A:専門的分野のみ B:RDF
③A:一般的分野 B:RDF
④A:専門的分野のみ B:CSS

[解答]
③A:一般的分野 B:RDF

※本ページの内容は掲載当時(2014年5月22日)のものです。

 

【クロスメディアキーワード】コミュニケーション手段の変革

インターネット広告が台頭したことで、マスメディアによる広告がシフトするといった発想は成立しない。テレビコマーシャル用に制作された映像をイ ンターネットで配信するといった、マスメディアによる広告と同様の情報発信は、認知度の向上には寄与するが、コミュニケーション手段の変化に対応している とは限らない。

コミュニケーション手段の変革

事業を拡大させるために、広告だけに頼ることは考え難いが、インターネットだけを頼る行為も不完全である。IT(Information Technology)の発達が、事業活動に及ぼす影響を理解することが重要である。

クロスメディアエキスパート認証制度のカリキュラムでは、ITによる経営や商取引などの変化を取り上げているが、単なるWebサイト構築や販促物の制作にとって、直接的な関係性を感じにくい。

クロスメディアエキスパートの人物像は、「メディア戦略のコーディネーター」となるディレクターやプロデューサーを想定しているが、「メディア戦略のコー ディネーター」は、事業展開の核心と強い関係性を持つと考えている。下図の左側は事業主である顧客や自社であり、事業主の中には経営革新を推進する人物が おり、その人物はメディア戦略に着目している。

事業の変化に伴い、メディア活用に助言することが、クロスメディアエキスパート認証制度で示すディレクターやプロデューサーの役割である。

事業構造の変化は様々であり、SCM(Supply Chain Management)については、様々な製造業で業界横断的に進行し、「現場」では一般的なものとなっている。山間部に住む高齢者が、山で様々な「葉」 を採取し、料亭に卸すビジネスモデルがテレビ放送で取り上げられていた時期があったが、その後は、書籍まで出版された。インターネットを活用することで、 料亭は地産の材料調達が容易になった。

求められるメディア戦略のコーディネーター

様々な事業活動では、 CRM(Customer Relationship Management)による効率化だけでなく、マーチャンダイジングや需要予測などが変化した。クロスメディアを前提としたメディア戦略の立案では、 様々な生活者とのコミュニケーション手段として、デジタルメディアの存在が不可欠となる。 事業者はグループウェアを導入し、利害関係者との情報共有を行 い、オープンなコミュニケーション手段の確立を目指す。コミュニケーション手段を確立するツールは、インターネットに接続するパソコンに留まらず、ケータ イやスマートフォンなどのモバイル端末が利用され、クラウドやSNS(Social Networking Service)などのサービスが活用されている。

クロスメディアエキスパートの領域では、全体最適を考慮したコミュニケーションシステ ムの構築が求められる。メディア戦略とデジタルメディアの関係は、感覚的なものではなく、技術革新が事業構造に影響を与える。プロモーションだけではな く、コストを勘案した改善施策が求められる。改善施策の実行は、結果としてクロスメディアによる生活者との効率的コミュニケーションシステムを実現するこ とにつながる。事業戦略を支えるメディア戦略をコーディネートする人材の育成をクロスメディアエキスパート認証制度は目指している。

資格制度事務局

 

※本ページの内容は掲載当時(2013年10月)のものです。

クロスメディアエキスパートの必要性

クロスメディアは、既に一般的な用語となった。コンバージェンスの視点や、メディアミックスとクロスメディアの違いから、言葉の定義も含めたクロスメディアの進化について考察する。

メディアのコンバージェンス

コンバージェンス(Convergence)を「収束」や「集中」と直訳することで、様々なもが1つに集約されると考えられる傾向がある。メディアにとっ てコンバージェンスとは、様々なメディアが融合することで、ビジネスモデルに変化をもたらし、収益構造の進化が期待できることも意味に含まれる。

テレビ放送や新聞は、経営母体が同一である傾向がある。テレビ放送や新聞にとって、両者共に取材記者が必要となるが、取材記者は兼任できるのではないかといった考え方に、コンバージェンスが存在する。

従って、様々な情報の発信源が共通化される可能性が高まる。様々なデジタルメディアの普及により、流通する情報が細分化され、多様なものが登場している。 それらの発信源を共通化し、コントロールしていくといった意味合いが、メディアにとってのコンバージェンスに含まれる。

クロスメディアエ キスパート認証制度は、コンバージェンスが社会に浸透することを前提とし、必要な能力や技術を体系化することから始まった。メディアの多様化により、クロ スメディアを考慮したソリューション能力の育成が必要である。実際には、メディアを活用したプロモーションに相当する場合が多くなる。プロモーションで は、予算を含む適切な計画が重要視される。

クロスメディアエキスパート認証制度では、プロモーションだけではなく、メディアを活用する 様々な場面で活躍ができる人材の育成が目的となっている。メディアを利用する組織は多肢に渡り、必要不可欠なものとしてペーパーメディアやデジタルメディ アが使われている。それらのメディアにとってコンバージェンスは、避けて通れない方向性であると考えられる。

クロスメディアとメディアミックス

クロスメディアとメディアミックスの違いは、様々なメディアの役割や特徴、その変化に対応する差異から捉えることができる。特にデジタルメディアの場合、インターネットの活用がビジネスモデルの変化を促す要素として重要視される傾向がある。

ビジネスモデルの構築へ

IT(Infomation Technology)の活用は、コンピューターによる処理が前提となり、人間による処理を極力避け、自動的に処理を行う流れと考えられる。 DTP(DeskTop Publishing)で例えると、これまで人手により頁単価で行っていた作業をサーバーとデータベースを介した自動組版で置き換えることで、ワークフ ローやコストモデルが大きく変化する。WebコンテンツのCMS(Content Management System)化についても、あてはまる事例である。

ネットワークの発展より、インターネット中心に、モバイル端末がメディアとして普及 し、ホットスポットによる公衆無線LAN環境も一般化した。別の表現では、「ユビキタス化が進行している」と表すことができる。ユビキタスの「いつでもど こでも」といった方向性は、スマートフォンを中心としたモバイル端末により実現されているが、ICタグやクラウドサービスも含め、様々なコンピューターに よる処理が「いつでもどこでも」を支えている。

メディアとは、「コンテンツの入れ物」と考えることが、本質を掴むきっかけになる。デジタ ルメディアの例では、コーポレートサイトやブログ(Blog)、SNS(Social Networking Service)など、運営形態が異なっていても、閲覧者とって同質のものと捉えられる傾向があり、際限なく様々な様式のコンテンツが登場し、メディアの 種類も増加する。コンテンツ制作の視点では、メディアが流動的になる変化により、困惑を生じている。

ソリューションに必要な能力は、時代 を超越した普遍的なものが必要であるが、加えて、大きく変化しつつある要素を考察し、巧妙に要素を活用することが重要になる。新技術に伴うコストや、サー ビスの提供価格などは、ITによる自動化が進むことで、下落する変化がメディアを取り巻く環境で起こると予想ができる。

したがって、流動 的な社会環境に翻弄されないため、メディアやITに関するリテラシーを持ち合わせていない場合、継続的なビジネスモデルの発展を望むことは難しい。プロ モーション手法の大きな変化に目を奪われるが、一歩先のビジネスモデルの構築を想定し、クロスメディアエキスパート認証制度のカリキュラムや試験内容は、 検討されている。

資格制度事務局

 

※本ページの内容は掲載当時(2013年10月)のものです。