宿泊サイトにおけるコミュニケーション戦略

掲載日:2016年7月28日

ソーシャルメディアの活用が集客のカギとなる。一流旅館・ホテル予約サイトrelux(リラックス)の事例を紹介。

page2016カンファレンス「ソーシャルメディアの成功事例」から、Facebook 運用で成果を上げている一流旅館・ホテル予約サイトrelux(リラックス)を運営するLocoPartnersの前本航太氏の話を紹介する。

relux は上質なデザインに最小限の機能を絞り込んだ、日本全国の一流旅館・ホテルを厳選した宿泊予約サイトである。特徴としては、宿泊者の満足度を評価基準の最優先にしていることである。

サービスを開始した2013 年には、既にじゃらんや楽天トラベル、一休.com などオンラインで宿泊予約をするサイトは出そろっていた。どのように差別化を図るかを考えたときに、他に取り入れている宿泊サービスがなかったことをきっかけに、集客のために点を最大化することが重要なポイントである。

会員に登録していない人にも旅館・ホテルの良さが伝わり、旅行のときに予約してもらえればなおいいという考え方でいる。多くのユーザーとどこのファネルにおいても複数のメディアでつながっていて、あらゆるコミュニケーション接点を持つことができる。また一度離脱したユーザーにも再度アプローチできる。

ユーザーがコンテンツを能動的に拡散するので、さらにコンテンツを介した強固なつながりが増えていく。
結果として、自社サイトの利用者増に効果的である。ターゲットとなる人を想定し、何を届けたいか、ストーリーを徹底的に考えてクリエイティブに落とし込む。

例えばクリスマスや年末年始には都心のラグジュアリーホテルへの需要が高まる。そこでスペックだけに寄ったホテル紹介ではなく、夜景なども想像できる「ビューバス」に絞って紹介する。それを受けて非日常感が強く、ユーザー目線でインパクトの強い写真を使用する。そして、その写真を生かすために文字は最小限のシンプルなメッセージにとどめている。

また感覚に頼らず、すべてを定量的に管理し、分析を行っている。最先端のシステムによる社内連携で、品質を高速で向上させている。そのために改善する仕組みに対しても積極的に投資している。

インバウンド需要に対しても積極的で、Facebookページは日本語・英語・中国語の3 言語で運用している。Instagram では写真が何よりも大切なため、Facebook に載せるものとは別のインパクトのある写真を選ぶ。さらにInstagram では、ハッシュタグの活用によって、海外のカスタマーからの声も多く届き、そのフォロワー数は2 万人を超える。

※情報はpage2016開催当時のものです。
(研究調査部 上野寿 会報誌『JAGAT indo』2016年5月号より一部抜粋)