新たな取り組みに向けてクロスメディアエキスパートを取得

掲載日:2008年6月1日
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共同印刷 株式会社
出版商印製造事業部 製造技術部 主事 浅野 正裕 様

DTPエキスパートに続き受験を決意

エキスパート認証試験というとDTPエキスパートが有名ですが、自分は2000年3月に取得しました。当時は今ほどDTPが複雑ではありませんでしたが、 DTPの経験が半年間しかなく、学科試験や実技試験では四苦八苦した記憶があります。試験勉強によってDTPについてひと通り理解できたので、試験後の仕 事では勉強したことが役に立ちました。

近年ではWebを利用したDTPデータのデータベース化やCRM(Customer Relationship Management)を活用している得意先ではクロスメディア的な展開が増え、専門用語の理解や知識が必要だと日々感じていました。自己啓発として何か 仕事に役立つ資格を取ろうと思い、クロスメディアエキスパートのことをホームページで知り、取り組もうと決めました。 また、DTPエキスパートと同様に2年に1度の更新試験があるため、新しい内容を勉強するきっかけになるので良いことだと思います。自分の場合は、 「DTP」と「クロスメディア」の更新が交互にあるため毎年3月は勉強の月になりそうです。

幅広く調べながら勉強

試験対策ですが、受験を決めたのが試験の1ケ月前で、通信教育に間に合わず、クロスメディアエキスパート向けの参考書や過去問題集がないので、試験範囲の用語 を中心にネットと書籍で調べました。勉強方法は通勤時に調べた内容を覚えたり、日曜日は図書館でも勉強をやりました。幸い、インターネット検定や初級シス アド試験での経験があり、ネット関連の知識は下地があったのでXMLや経営概論に重点を置きました。

試験対策の書籍があれば要点のみ勉強 できるため効率的だったと思いますが、関連することを幅広く調べ考えながら勉強できたので、合格には遠回りですが良かったと思います。これから受験される 方で、参考書が発売された時は、参考書+ネットでの最新情報で勉強すると合格後の仕事に効果的なのではないでしょうか。 論述試験では、普段利用している通信販売やネットクーポンなどを思い出しながら勉強しました。自分が使っていて良いサービスを思い出し、回答に盛り込むよ うにしました。実際に存在するサービスのほうが話にリアリティが出てきます。

常に新しいことに触れることが重要

クロス メディアはコンピューターに関する知識が多いので、常に新しいことに触れることが重要だと思います。 インターネットの広告は漠然と見ていると単なる宣伝ですが、注意深く見ると動きや音でクリックを誘う広告が多いです。動く広告は十数年前では珍しく、今後 も凝った広告は増えていくでしょう。それに対して、検索サイトのグーグルで表示される広告は、テキストのシンプルな作りで大きな効果を発揮しています。人 の好みにもよりますが、人のクリックを誘導するための広告でも手法は異なり奥深く面白いところです。

あるネットの通販では欲しい物をリス ト化し、友人に公開しプレゼントしてもらえる機能があります。これは顧客ごとに高度なカスタマイズされた広告と言えるでしょう。このようにインターネット では常に新しいことが始まっているので意識して広告を見ると新たなヒントが得られ、実際の仕事に役立つものが見つかるはずです。

資格の説明を通じてアピール

資格を名刺に載せましたが、取得後の顧客からの反応は良いです。資格を知っている人以外にもDTPエキスパートと並べて記入してあるため、DTPエキス パートを知っていれば資格の雰囲気が分かり、話に説得力が出てきます。両方とも知らない人からは「これってどんな資格?」と聞かれ、資格の説明を通じてア ピールできるので、大きなメリットになると思います。

他部門との連携がスムーズに

弊社の場合は、全社的な取り組みとし て、従来からDTPエキスパートの取得については、外部より講師を招き、定期的な勉強会を実施しています。クロスメディアエキスパートに関しては当初から 通信教育などでは推奨されており、特定の内容に関しての社員向けの教育はありました。 近年では印刷会社には、顧客から従来の受注を中心とした「印刷」以外にも、「最新の情報加工&活用知識と企画提案能力」が求められています。そこで昨年よ りクロスメディアを核とした、最新の情報加工と専門知識の習得+知識を生かすための、実践的企画書作成とプレゼンテーション能力を習得するために取り組み が行われています。

実践力を重視するために講義形式ではなくディスカッション形式が取られており、クロスメディアエキスパート取得者、ま たは詳しい人が説明を行います。例えば論述試験については、試験に沿った模擬的な内容について、各人が提案の企画を行って発表を行い、社内にいるプレゼン テーション名人が講評を行います。それによって、ほかのメンバーの良い点に取り入れていくことが可能になります。 これはプレゼンテーションがうまくなるだけではなく、学習を通じて交流の少なかった他部門との交流も生まれ、クロスメディアエキスパート認証試験を通じた ネットワークができつつあります。クロスメディアの展開ではさまざまな要素の複合のため、幅広い部門との関わり合いが必要になってきます。今後は、他部門 との連携がさらにスムーズになることが期待されます。

クロスメディアエキスパートに求められること

ネット上の仮想的な 空間で生活をするセカンドライフというサービスが2007年春夏ごろにテレビや雑誌で取り上げられました。それに伴い、今年に入ってセカンドライフの影響 を強く受けたようなネットサービスが複数出てきました。やれば面白いかと思いますが、自分の場合は、インターネットやテレビや読書など他人に気兼ねなく楽 しめるほうが気楽です。ネットの世界よりも現実の世界のほうが面白いです。仮想的な空間で新商品にいち早く触れるよりも、夜のビジネスニュース番組で見る か、ホームページで見たほうが詳しい説明が得られることは少なくないと思います。

クロスメディアの環境に当てはめてみると、同じことが言 えるもしれません。メールマガジンはいつの間にか迷惑メール扱いされ、カスタマイズされた情報は毎回同じような情報、個人情報保護の件でアンケートに対す る抵抗感などあるのではないでしょうか?そういった懸念を払しょくする必要がクロスメディアエキスパートには求められているとも思います。Web2.0以 降では革新的な仕組みはもちろんですが、内容が重要ではないかと思います。ほかでは得られない情報を、いち早く気軽に得られ、情報の流出のない強固なセ キュリティがあることがますます重視されると思います。

動画の広告というとCMなど多額の費用が掛かりますが、無料動画投稿サイトの Youtubeを使用したPRが増えています。動画を扱うサイトの場合は費用が多く掛かる傾向がありますが、無料で使用できるのでメリットは大きいです。 口コミによる効果も期待できるため、クロスメディアな展開には利用する価値があると思いますが、十分な注意が必要です。最近の事例では、自社の作業工程を PRのため公開したところ、一般的に危険な作業方法だったために動画の削除が余儀なくされることがありました。細心の注意を払わないとイメージダウンにな りかねませんが、こういった新しい取り組みを参考にしていく必要があると思います。

※本ページの内容は掲載当時のものです。