ハイテクから生まれるハイタッチメッセージ

掲載日:2018年12月4日

※デジタル加飾の活用を考える

●デジタルでつくるハイタッチ

印刷技術を話題にするとき、デジタルかアナログ(従来の印刷方式)かということが話題になっていた時代もあったが印刷製品の価値とは別な話だ。重要なことは、顧客やユーザーの欲求を如何に満たすかということだ。その手段として最適なもの選べば良いのだ。ユーザーにおける印刷加工技術がコミュニケーションツールとして最適であればビジネスチャンスに結びつく。マーケティング4.0の考え方だ。顧客やユーザーの自己実現を如何にサポートできるかである。

●デジタル印刷+デジタル加飾

デジタル加飾機の開発が進んでいる。デジタル印刷+デジタル加飾の組み合わせにより俗に言う高付加価値の市場を狙ったものだ。両者の特徴は、無版ということだ。精度が高く、使い勝手が良く、データ管理により可変ができる。 デジタル加飾は、インキジェット方式でニスや箔などを無版で行うものだ。最近では、刃型不要でレザーカッターで抜き加工ができるものもある。例えば、話題になったScodix Ultra proは一言でいうとデジタルニス・箔押し機で、ニス引き、透明厚盛、箔押しが可能だ。インクジェット方式で版レスにより1枚からスポットでニス引きができる。これらの技術は、熟練工不要で簡単に作れる。何を作るか。どんな価値を提供するかがビジネスのポイントになる。

●ハイタッチを生み出すハイテク

デジタル印刷はハイテク技術の塊だ。一方、作られる製品は、ハイテク社会で求められるハイタッチといわれる人の感性や心に触れるコンテンツや商品が上げられる。これらは、デジタル技術によって可能性が広がる。マーケティグ視点での発想がカギを握る。印刷加工会社や企業においては、ブランド戦略の一環でデジタル印刷とデジタル加飾を使い雑貨や文具市場での商品開発を行い販路開拓している事例もある。ブランド構築での市場開拓と従来のビズネスとの相乗効果を狙ったものだ。ハイテクであるデジタル加飾技術は、そのメッセージ効果を市場に提案、PRすることにより市場が開けるのだ。

( CS部 古谷 芸文)