社員の成長と業績拡大に欠かせない教育計画や目標の明文化

掲載日:2023年4月25日

企業が長期に渡って事業を展開し、業績を拡大していく上で人材育成が重要であることはもちろんだが、社員の成長は明文化された教育計画や目標があることで、より効率的に促すことができる。

 

新入社員や中途社員の教育を始めとして、若手、中堅、管理職とそれぞれの階層に求められる能力に基づき、さまざまな基本スキルを身に付けることは当然だが、社員自身が自主性・主体性を持って自社の目標達成を実現すべく動ける人材を育成していくことが重要である。そこで企業は、長期的視点で個々の社員の成長を促進できる環境を整えていかなければならない。

 

 経営者から見る社員に求めるスキル


社員一人ひとりの能力は、組織の成長の原動力となる。そこで、経営者が社員に対し求めることは、「チームワーク」や「コミュニケーション力」といった対人関係能力や「技術力」、「営業力」である。それに加え、チームの成果を導く重要な能力として「マネジメント力」や業務効率化や生産性を高めるために必要な「IT関連力」の需要がここ数年で高まっている。

 

経営者が社員教育に積極的な企業では、社員自身も能力を高めようとやる気を持って業務や自身の役割をこなし、知識や経験を積み重ねることで成長することを楽しみ、より学びたいという成長意欲が高くなる傾向がある。そうした企業では、社員に求める人材像や目指す姿を明確化し、全社に浸透させることで、社員一人ひとりの理念が合致し、さらなる活躍や企業成長に貢献につながっていく。

 

帝国データバンク「中小企業の経営力及び組織に関する調査」によると、従業員の能力開発計画や方針の有無について「明文化された能力開発計画や方針がある」と回答した企業では、特に売上高増加率が高い。求める人材像や社員の目指す姿を公表、明文化した上で、計画的に取り組むことで売上高増加率が変わってくるといえる。



  〚能力開発計画や方針の有無別に見た、売上高増加率(中央値)〛

 

 

また、OJT研修の効果を高めるための取り組みの一つに人材育成計画書の作成がある。「目標や達成基準などを記入した育成計画」や「業務マニュアル」、「定期的な個別面談の機会の設定」など計画書をつくることで、指導の仕方や目標設定が立てやすい。中でも「必要なスキルの明確化」や「担当業務の明確化」は、売上高増加率の水準による差異が大きく変わり、企業の成長に向けてはOJT研修と合わせてこれらの取り組みを実施することが重要と示唆されている。

 

会社の理念やビジョンを社員に浸透させることで会社への連帯感が高まり、社員の主体性が生まれる。そのためには、明文化された教育計画や目標のもとで社員教育を実施し、効率的に社員の成長を促すことが鍵となり、それが組織の活性化や生産性向上とつながっていく。

JAGAT CS部 加治 寛子

 

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