印刷会社の人と組織を支援する

掲載日:2015年7月10日

JAGATでは、印刷会社の成長を支える人材育成をサポートするために、様々な教育プログラムを実施しています。最近の事例からご紹介します。

この春から東京都による、事業協同組合等の団体の傘下や関連する中小企業への支援に向けた新たな取り組みがスタートした。企業の生産性向上や業務効率化の実現を目指し、東京都が委託する事業者を通して従業員の定着促進や賃金引上げ、非正規従業員の正規化といった処遇改善につながる支援メニューを提供する。
JAGATが東京都印刷工業組合からの提案にもとづきサポートする「印刷業界における若手従業員処遇改善事業」もそのプログラムの一環である。

人材育成の促進や若手従業員の定着率向上を目的として、資格取得支援や人事コンサルティング、スキルアップのための研修やコンサルティングなどのサービスを提供する。今回プログラムの中からいくつかを取り上げ、経過報告と取組みの様子をお伝えしたい。

■工場マネージャー養成研修
JAGATでは様々な階層別研修を実施しているが、生産現場のマネジメントに焦点を当てた体系的な研修は初めての取組みである。
全6回にわたる研修内容は以下の通りである。

1)先行事例の取組みを見て聞いて、自社を客観評価する
2)QC七つ道具など改善手法や改善活動のやり方を学ぶ
3)リーダーに求められるコミュニケーション術
4)数字に強くなる(原価のとらえ方、数値指標の改善活動への活かし方など)
5)工場視察(改善の種探し、気づき力を身につける)
6)自社の改善目標と計画の発表

複数の現役の工場マネージャーの方にお話しいただくことも本講座の大きな特徴である。
先日行われた第1回めは工場見学からスタートし、19社36名が参加された。水上印刷(株)様のご協力により、さまざまな取り組み事例の紹介とともに、多摩工場内を案内していただいた。終了後、参加者からさまざまな感想が寄せられた。「社員ひとりひとりの品質管理に対する意識の高さを実感した」「会社全体の最適化を考える上で、さまざまなヒントを得られた」「効率化や多能工化を進める場合、自社が取り組まなければならない項目が明確になった」など。2回目以降は、自社での実践方法について、さらに掘り下げていく予定である。

■ブランドデザイン習得研修
顧客の収益に貢献するために何をすべきか。印刷会社が抱える課題について、「ブランドデザイン戦略」の視点から、顧客が生み出す商品・サービスの価値を、クリエイティブ表現を通して高めることにより、印刷会社の強みを価格に拠らない形で発揮するための考え方・手法を学ぶ。「ブランディング」の基礎から、デザイン表現に落とし込むための実践方法まで、グループ演習を中心とした実践型研修である。
現在5社9名の方々が、講師の個別指導を受けながら、実際に手がけている自社の案件をもとに、ブランド構築から広告販促物のデザイン作成まで段階を追って習得するカリキュラムに参加されている。すでに全5回のうち2回が終了し、ブランディングに基づいたデザイン戦略の基本を一通り学び終え、ここから約2ケ月にわたり、自社のデザイン案件をベースに、「広告販促の売れる仕組みづくり」を目指すことになる。

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■クロスメディアエキスパート取得支援講座
これからの印刷業界にとって不可欠なデジタルメディアへの対応と、顧客の立場に寄り添ったコミュニケーション戦略を企画提案できる人材、クロスメディアエキスパートの資格取得をサポートする講座。現在、8回にわたるカリキュラムに10社24名の方が参加され、本講座の到達目標であるクロスメディアエキスパート資格取得を通して、新たなビジネス展開を担える対応力と知識の強化を図っている。

その他、現在以下のようなプログラムが実施されている。

・DTPエキスパート取得支援講座
・人事労務管理コンサルティング
・自社ブランド構築コンサルティング
・新サービス開発コンサルティング
・原価の見える化コンサルティング
・営業力向上コンサルティング
                                                                                                (CS部 教育開発グループ)