アイデア印刷術 6.光る印刷〔1〕

掲載日:2014年9月18日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

アナログ博物館:アイデア印刷術 6.光る印刷〔1〕

 

光る印刷〔1〕

光を発するという機能は,人間の視覚に最も強烈に訴える。
 光るとは〔1〕インキが光るもの〔2〕インキが光に反射して光るもの〔3〕印刷される素材が光に反射して光るものがある。

1. 光を蓄えて光る印刷

〔1〕蓄光印刷(硫化亜鉛タイプ)……蓄光顔料をインキ化し印刷したもので,太陽光,蛍光灯に十分に照らした後,暗所で見ると20~30分程度光る。
 〔ポイント〕スクリーン印刷。蓄光印刷部分の下刷りにベタがある場合は,発光の効果が弱まる。従って,蓄光印刷する部分の下地は,白または薄い黄色にすると効果的。
 蓄光インキの原色は,薄い緑がかったクリーム色である。明るい色の蛍光顔料を混合すると色が付く。しかし,発光効果は落ちる。
 印刷面はギザギザ感があるので表面加工したほうがよい。

〔2〕超高輝度蓄光印刷(セラミックタイプ)……蓄光印刷に比べて約10倍の明るさがあり,十分に光を当てた場合,数時間も光っているものもあるが,特殊インキ使用のため高価になる。
 〔ポイント〕スクリーン印刷。色の種類:黄,赤,青,緑など。
 下地は必ず白にし,高輝度で長時間発色させるため,印刷厚を100ミクロン以上にする。印刷厚が厚いため,後加工に注意。
 〔応用例〕本のカバー,表紙,トレーディングカード,CDジャケット,映画のパンフレット,カレンダー,ポスター,パズル,誘導案内板,POPなど

2. 反射して光るインキを印刷

〔1〕ビーズ印刷(再帰性反射印刷)……微細なガラス粒子を混ぜたインキをスクリーン印刷する。ヘッドライトなど光が当たると反射して光る。
 〔応用例〕交通安全ステッカー,学童用バッグ,運動靴の部材,ビーズ入りアイロンプリント転写で,ジョギングウエア,Tシャツ,帽子
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▲ラメ入りUV突起印刷
 撮影:菊池ハルヤ

〔2〕ラメ入りUV突起印刷……点字印刷の盛り上がりのように透明なインキにレインボーホロラメを混ぜドット状に印刷し,レンズを形成する。光が当たると乱反射し,いろいろな色に輝く。レンズ効果を利用している。スクリーン印刷。
 〔応用例〕本の表紙・カバー,ポスター,トレーディングカード,POPなど

〔1〕パール印刷……パール顔料を部分,全面に印刷でき,パール紙と同じ光沢を得る。グラビアまたはスクリーン印刷。
これは下地にオフセットまたはシルク印刷で色ベタ印刷をし,その上にスクリーン印刷でパール印刷をすると,光の屈折で色が変わる玉虫効果が出てオシャレな感じになる。さらに下地をオフセットグラデーションにしても効果的。

3. 反射して光る「箔+印刷」

〔1〕箔押+スクリーン印刷……レインボーホロ箔押しをした後,スクリーン印刷をすると,グラデーション的に光を反射して良い雰囲気が表現できる。
 〔応用例〕中吊りポスター

〔2〕プリズム印刷(デフラサーモ)……紙またはプラスチックフィルムの上に,特定のスタンピングホイル(銀色)を転写し,この上に微細線パターンエンボシングを施し,さらにこの上に特殊な多色印刷をすると独特の光輝性と色彩の変化が生じる。
 〔応用例〕本の表紙・カバー,ビデオ・CDジャケット,グリーティングカード,トレーディングカード,パンフレット,カレンダー,記念乗車券,POP,パッケージなど

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(印刷情報サイトPrint-betterより転載)