協会情報」カテゴリーアーカイブ

「Re:Connect ー再びつなぐ、印刷のチカラ。」に込めた思い

page2026のテーマが「Re:Connect ー再びつなぐ、印刷のチカラ。」に決定した。このテーマへの思い、そしてこのテーマに基づいてJAGATがpage2026に向けて進めていく様々な施策を紹介する。

「連携」「共奏」から発展した「Re:Connect」

pageでは、前々回page2024で「連携」、前回page2025で「共奏」というテーマを掲げてきた。いずれも「共に手を取り合って、協力していきましょう。」という意味合いが強く、「印刷会社1社だけでなく、他社および他業界とつながりながら、ビジネスを創って行きましょう。」というメッセージであった。しかし今回「Re:Connect」としたのは、印刷を通じて人と人を「つなぐ」という主体的な表現で、アナログとデジタル、企業と顧客、地域と世界をつなぐ、という思いを込め、過去2回のテーマからの継続性も含めて「Re:Connect 再びつなぐ、印刷のチカラ。」とした。

「人の心を豊かにする印刷物は減ることはない」

これは、ある印刷会社の役員の方に伺った言葉である。コロナ禍で、それまで主力事業だった販促メディアとしての印刷物の需要が一気に減少した。一方でキャラクターグッズの製造や、アーティストのオリジナルフォトブックなどの事業は、コロナで対人コミュニケーションが厳しい中、つながりを生み出し、人の心を満たすものとして評価され、受注が飛躍的に伸びた、とのことであり、大変感銘を受けた。
情報伝達手段が紙からデジタルに移行するにつれ、印刷物のプレゼンスは低下している。加えて原材料費の高騰、環境対応などにより、印刷会社にとっては、自らのビジネスを継続していくことに不安が募り、異業種との連携や、他業界への進出を検討することは容易に想像がつく。しかし「印刷=ペーパーメディア」という概念に捉われなければ、印刷物のポテンシャルは高い。(この「紙以外への印刷ビジネス」をテーマにした研究会を7月8日(火)14時より行います。)
また昨今、活況を呈している「推し活」においても印刷物との親和性は高い。すなわち誰か(何か)を推したいと思う時、欲しくなるのはリアルに手に取ることが出来るグッズだからである。人々の心を豊かにし、誰かと誰かをつなぐことが出来る印刷物にはチカラがある。

page2026ポスタービジュアルを公募

JAGATでは、page2026のテーマ決定を受けて、様々な施策を展開する。
まず、page2026のポスターデザインを公募する。pageイベント39回目にして初の試みとなる。テーマ決定への思いは上述の通りだが、それにとらわれることは全くないので、まずは下記のエントリーフォームからお気軽にエントリーいただきたい。
https://www.jagat.or.jp/archives/487492

またJAGATでは、公式のXアカウントをリニューアルした。それに伴い、page2026に向けて、ハッシュタグ「 #印刷のチカラ 」を広めていきたいと考えている。印刷会社が考える「#印刷のチカラ」だけでなく、発注する側から見た「#印刷のチカラ」にまで輪を広げていきたいと考えている。展示会においても、様々な企画ゾーンの設置も予定しており、ご期待をいただきたい。

(研究・教育部 堀雄亮)

マスター郡司のキーワード解説:パッド印刷

(さらに…)

フォトビジネスにみるサービスとビジネスモデル

市場規模ではなくビジネスの仕方が重要

製造業におけるサービスは、印刷業が価値を高めるキーワードのひとつだ。印刷ビジネスとも親和性の高いフォトビジネスでもサービスの力によって業績を伸ばすビジネスモデルが注目される。フォトビジネス市場も数字の上では、右肩上がりではない。2024年フォトブック市場予測は、フォトブック市場は、2019年度まで順調に拡大傾向で2020年度は、新型コロナの影響による撮影機会減少を受け、減少となり、2021年度以降も減少傾向は続き、2023年度は数量が847万冊(前年比94%)、金額が107億円(前年比97%)と推計となっている(日本フォトイメージング協会サイト掲載2024年9月26日)。フォトブックは、「思い出を残す」ことに加え、「スマートフォン内の多数の画像の整理」にも繋がる為、一度、経験するとリピート率は高く、市場拡大は継続すると期待し、2024年度については、数量:813万冊(前年比96%)、金額:105億円(前年比98%)と推測していた。一方、アルバムをはじめとする学校写真のビジネスでは、撮影業者の高齢化や人手不足が課題となり、業界の持続的な発展が求められる現状があるという。

DXの力で変わるフォトビジネス

近年は、ベンチャー企業によりイベント写真や、スポーツ写真、幼稚園写真のインターネット販売を開始し、 ネット販売を営業の武器に、北海道から沖縄まで全国で多くのイベント撮影を軒並み受注している状況がある。今、日本全国で着実に広まっている。スクールフォトの保育園向けサービスでは、保育士の労力削減や販売リスク軽減に向けてDXの力で写真販売サービスを展開している。株式会社e-CHANNELが運営するWebサイト「ほいくis」(2023/11/08)の特集記事「保育士が比較!保育園向け写真販売サービスサイト一覧と口コミ」では、サービスの解説と紹介が記載されている。多くの保育園・幼稚園では、子どもたちの成長を収めた写真販売をインターネットで販売、購入する方法が主流になっている。保育園向け写真販売サービスは、園で撮影した子どもの写真をインターネット上で販売するサービスのこと。保育士は保護者の同意書を得て写真を撮影・インターネット上にアップロードし、保護者はスマホなどでアップロードされた写真の確認・注文・購入を行う。以前は廊下や教室に写真を展示して販売する方法だったが、近年は保育士と保護者双方の時間と手間を軽減できる写真販売サービス導入が進んでいる。

写真販売サービスで販売する写真は、通常の保育の様子などは保育者が撮影する。普段の保育の様子を撮影できるので、子どもたちの自然な姿を捉えた写真を販売できる。入園式や運動会、イベントの時はプロカメラマンによる撮影代 行と使い分ける園も多い。写真コンテンツの価値の再認識にも繋がり実は、プロカメラマンへの撮影ニーズ拡大にも繋がっている。写真販売サービスのシステム導入費は基本的に無料である。プロのカメラマンによる派遣も基本的に無料で、保護者からの写真購入代金をもとに運営していることが多い。保育システムと併用の場合は、月額使用料がかかる場合もある。写真購入代は「L判1枚80円」などシステムごとに設定された価格や最低販売価格が設定されていることもある。最低価格以上で販売した場合は差額を手数料として園に振り込まれるケースもあるという。写真販売サービスを導入すれば、ユーザーが行うのは下記の業務のみ。

<主なユーザーの作業>

•写真撮影

•インターネット上にアップロード

•販売できない写真を削除

•販売期間の設定

前もってアプリをインストールしておくと、撮影するだけで自動的に写真がアップロードされるサービスもある。システムがクラスや日付ごとに写真を振り分けてくれるので、写真の整理や掲示などの手間は一切かからない。販売できない写真を一括で削除できるため、写真撮影がNGの園児への対応もスムーズにできる。

<園のメリット>

①写真の整理、展示の手間がかからない

②集金作業の負担がない

③セキュリティが高い

<保護者のメリット>

①キャッシュレス決済ができる

②好きなタイミングで写真を選べる

③リマインド機能で買い忘れを防止できる

【主な保育園向け写真販売サービス、サイトの特徴】

・はいチーズ!フォト

千株式会社が運営する、保育園・幼稚園など子どもを預かる施設向けの写真販売サービス「カメラマン撮影プラン」と「先生撮影プラン」の2つのプランがあり、併用も可能。カメラマンの派遣は日程や回数に関わらず無料なので、行事だけでなく日常保育の撮影も依頼しやすい。専用アプリをインストールしたスマホやタブレットを利用すれば自動で写真をアップロードしてくれる。

・egao(エガオ)

株式会社スタジオアリスが運営する、学校・保育園・幼稚園向けのインターネット写真販売サービス。子ども専門写真館で培った撮影技術、プリント工場やサポート窓口も全て自社で行っている。「先生撮影プラン」では、販売したい写真をサイトにアップロードするだけで写真販売が行える。「カメラマン撮影プラン」では、子ども写真館運営のノウハウを活かした独自の研修を受けたカメラマンが撮影。プロカメラマンによる撮影データを卒園アルバムに利用できる。

・スナップスナップ

株式会社フォトクリエイトが運営する。園・学校で撮影された写真の販売サイト。日本全国の公私保育園〜大学まで約16,700校に導入されており、スクールフォト販売サービス満足度1位を誇っている(日本トレンドリサーチ調べ)。プロのカメラマンの写真を残せる「撮影事業者紹介プラン」や置くだけで写真を撮れる「自動撮影カメラプラン」などニーズに応じた複数のプランがあり、併用も可能。

・えんフォト

株式会社うるるが運営する、幼稚園・保育園の写真販売システム。写真販売だけでなく動画販売サービスも行っている。運営会社は情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格の認証を取得している。セキュリティ面での信頼性も高い。カメラマン派遣サービスでは無料でプロのカメラマンを派遣している。動画販売もしているので、イベントや行事の動画販売を考えている園のニーズにも対応。

・みんなの写真屋さん

株式会社ルクレが提供するスクール写真のネット販売システム。全国370店の写真屋さんに導入されており、近くの写真屋さんが撮影からお届けまでを一貫して担当してくれる地域密着型のサービス。

・富士フイルムスクールフォト

富士フイルムイメージングシステムズ株式会社が提供する写真販売サービス。幼稚園・保育園・学校の専任カメラマンによって撮影された写真をインターネット上で販売。高品質プリントに仕上げる。顔検索機能、スマートフォンに最適化された画面やトリミング機能など便利な機能が備わっている。保護者からの問い合わせに対応をしてくれるため、園の負担がない。

・そだちえ

株式会社リコーが運営する、保育園・幼稚園・学校向け写真・動画販売サービス。スマホで撮影した写真・動画を専用アプリが自動でアップロードしてくれる。保育者が撮影した写真販売だけでなく、プロカメラマンに撮影してもらえるプランも無料で利用可能。「ダブル認証方式」や「保護者チェック機能」などセキュリティも強味。園だよりや給食メニューなどお知らせ配信機能もある。

・コドモン写真共有・販売

株式会社コドモンが運営する保育・教育施設向けICTサービス。保育者の作業は、写真を撮影・アップロードして公開先(クラス/園児)を選ぶだけ。販売や印刷、集金、配送は全てコドモンが代行。カメラマン派遣サービスを無料で実施。コドモンのICTサービスは導入数全国No.1。勤怠管理や登降園の管理、保護者との連絡など保育業務をサポートする便利な機能が充実。

・撮っても楽だ

はるの写真工芸株式会社が提供する写真販売代行サービス。12年以上サービスを運営している、写真販売サービスのパイオニア的存在。保育者、保護者の視点に立った使いやすいサービスで、リピート率8割の高い満足度。園のニーズに合わせて、インターネット販売、見本ポスター展示、インターネットと見本の併用など販売方法を自由に選べる。写真販売システムを利用と従来の展示方式による販売も続けたいという園のニーズに対応。

・フォトレコ

フォトレコは、株式会社エクスラントが提供する、保育園・幼稚園・各種学校向けの写真販売サービス。導入数は2万3,000事業者を突破。プロカメラマンの無料派遣を行っている。サービスの不明点は、Zoom等のオンラインツールや園への直接訪問でサポート。

各サービスは、生き残りをかけた競争によりそれそれの特徴打ち出し、価値を生み出している。また、製造部門を持たないビジネスモデルでは、印刷会社がビジネスパートナーになっていることもある。重要なことは、印刷物と同様、写真自体はプリント物で コモディティ化 しているが、コンテンツを含めてサービスという無形の価値で競争していることだ。サービスという言葉は、さまざまな場面で使われる。身近に例えれば、商品価格の割引や景品の無料提供は、経済的な価値である。他にも、機能的な価値では、情緒的な「接客サービス」、機能的な価値では「補償サービス」「アフターサービス」「デリバリーサービス」など様々な事柄考えられる。機能的な価値に加え、安心感のような情緒的な価値も含んでいるようだ。印刷業も印刷製品を作る価値からサービスの価値を高める「サービス化」を促進する必要がある。サービスという言葉はやはり多様な意味を含み、その概念や定義を明確に表現することが難しい。しかし、これらはおおむねモノとの関係においてサービスを定義しようとしていると考えられる。モノとサービスの相乗効果で顧客満足に繋がることによりビジネスチャンスを広げる可能性があるようだ。

(研究・教育部 古谷芸文)

新入社員セミナー2025~学び放題サービス~

【オンライン】第5期 印刷工場長養成講座

【オンライン】第3期 印刷機長養成講座

オンライン印刷営業マネージャー養成講座2025

マスター郡司のキーワード解説:万博

(さらに…)

【3/19開催】JAGAT トピック技術セミナー 2025

(さらに…)

page2025終了のご報告と次回page2026日程

先週のpage2025では大変お世話になりました。 ご参加いただきました皆様のご協力のおかげで盛況裡に終了することが出来ました。 心より御礼申し上げます。

2025年2月7日より開始したオンラインカンファレンスセミナーを皮切りに、東京・池袋サンシャインシティにて2月19日~21日まで開催した展示会まで、全日程を終了することが出来ました。出展いただきました企業・団体の皆様、登壇いただいた講師の皆様、そしてご参加・ご来場いただいた皆様にあらためて御礼申し上げます。page2025の展示会の来場者数をご報告申し上げます。


2月19日(水)6,645名(前回5,426名)
2月20日(木)7,920名(前回7,106名)
2月21日(金)10,015名(前回9,048名)

3日間合計 24,580名(前回21,580名)

page2025展示会においては特に今回、日本新聞協会・日本新聞制作技術懇話会(CONPT)とのジョイントによる「JANPS in page2025」が実施することが出来、多くの方々にご来場いただいた。また従来のpage展とは異なる切り口の新企画「工場ソリューションゾーン」を設置したほか、展示ホールB内のセミナー会場では基調講演をはじめ、出展企業によるプレゼンテーションも多数実施し、数多くのご来場を賜った。いずれも今後に繋がる結果となり、次回以降もご期待いただきたい。その次回page2026についてお知らせいたします。

<次回page2026開催場所及び日程>


2026年2月18日(水)~2月20日(金)@サンシャインシティ


次回も多くの皆様にご参加いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

<page事務局>

page2025展示会 ビジネスを共に奏でる方々と一緒にご来場を

page2025展示会は2025年2月19日(水)~21日の3日間、東京・池袋サンシャインシティで開催する。皆様お誘い合わせの上、ご来場いただきたい。


お客様と一緒にご来場を

page2025展示会には、ぜひ御社のお取引先の方々と一緒にご来場をいただきたい。
page2025展示会には144社が出展し、各社の最新製品・設備、ビジネスソリューションを展示されている。ご来場いただければ、自社ビジネス拡大のヒントが得られるはずである。それに加えて、御社のお取引先の方と一緒にご来場いただくことで、さらなる共奏に繋がるはずだ。業界外の方々は、印刷会社が出来ることの多さを意外と知らないし、それ以上に印刷業界の方々がそのことに気づいていない。その結果、取引先との関係が単なる印刷物の受発注というドライな関係にとどまっているのではないか。ぜひお取引先の方々と一緒にpage2025展示会にお越しいただき、新たなビジネスを共に奏でていただきたい。


新卒さんや若手の社員と一緒にご来場を

page2025展示会には、ぜひ御社の新卒社員(内定者も含めて)、社歴の浅い社員の皆様と共にご来場をいただきたい。
DXが進む昨今、印刷物を中心としたアナログ製品は淘汰されると思いがちだが、デジタル化の最終到達点には必ず人であり、アナログな要素が不可欠となる。また御社の若手社員の多くを占めるZ世代は、デジタルネイティブとして生まれた時からデジタルのシャワーを浴び続けているが、富士フイルムのチェキの人気に代表されるように、アナログ製品を「古いもの」や「懐かしいもの」ではなく「今と違うもの」と認識している。私も含めた昭和世代が思いもよらないアイデアを生み出す可能性がある。
また印刷物の発注者は業界を問わずあらゆる業種と繋がっているが、社歴の浅い社員にとってpage2025展示会はそれを体感するチャンスである。ぜひ出来れば内定者も含めてご来場をいただきたい。

コロナで一変した展示会をpage2025で体感してください

5年前の2020年2月に開催されたpage2020は、個人的に思い入れが強い。page2020には大変多くの方々にご来場をいただいた(発表は67,210名であったが、今と換算方式が異なる)が、ご存じの通り、2020年といえばコロナウイルスの感染拡大が始まったタイミングであり、page2020の終了からわずか1か月後の3月には第1回緊急事態宣言が発令された。イベントの開催に際しては、来場者用にマスクを受付に配備するなど万全の対策を施し、来場者・出展社とも感染拡大に繋がる事例はなかったが、あれほど神経をすり減らしてのイベント運営は記憶はない。翌年page2021はリアル展示会の中止を余儀なくされ、オンライン開催となり、page2022以降リアル展示会は復活したものの、来場者数は2020年時の水準には至っていない。あれから5年、世界は大きく変わり、ビジネスを取り巻く環境も大きく変わった。DXが加速し、5年前には影も形もなかった生成AIがビジネスを席巻している。pageイベントはあの時と同じ東京・池袋サンシャインシティだが、時期も変わらないが中身は一変している。ぜひともご来場をいただきたい。

ご来場に際しては、登録されたメールアドレス配信されたリプライメールに入場証が添付されている。こちらをA4サイズでプリントアウトして持参いただき、展示会場入口前に設置しているカードフォルダに四つ折りで入れていただくと、総合受付(文化会館2階 展示ホールD外)を通らずに入場が可能となる。またその際は、スマホ画面の表示ではなく、入場証の持参にご協力をお願いしたい。尚、プリントされた入場証の持参が無い場合、受付での再登録が必要となる(事前登録されていれば無料入場は可です)。page2025事前来場登録はこちらからどうぞ。

ぜひご来場いただき、共奏しましょう!ご来場、心よりお待ちしています。

(page2025事務局)