新入社員の育成は入社前の準備から始まる

掲載日:2016年12月13日

新入社員の教育は初動が大事だ。採用かなった人材を即戦力に育てるためには、事前準備が必要だ。

厚生労働省の発表によれば、2017年度の大学生の就職内定率が10月1日の時点で71.2%と、19年ぶりの高い水準に達したという。人手不足を背景に、企業の採用意欲も高まっていると見られる。一方、近年新入社員の3人に一人が入社後3年以内に退職するといわれている。せっかくコストをかけて採用しても、育成している矢先に退職してしまうのは、会社にとっても大きな痛手だ。新人を採用する印刷会社にとって、彼らをいかに戦力たりえる人材として定着させ、育成していくかが課題となっている。

新人育成は入社前から始まる
新入社員は、高いモチベーションと同時に不安を抱えて入社してくる。受け入れる側が出来るだけ早期に不安を解消し、必要な知識や情報を与えることができれば、仕事への意欲も高まり、安心して目の前の仕事に取り組めるようになるだろう。

多くの企業では、入社直後の新人研修終了後は、配属先のOJT教育が中心になる。大抵の場合、通常業務の合間を見ながら新人への指導が行われることが多く、教育の成果は、教育担当者の能力や力量に左右されがちである。さらに教える=与えるという一方向のやりとりだけでは、いつまでも受け身のまま、主体性を発揮できるようになるまでに時間がかかってしまう。

新入社員が1日も早く自立し、短期間で教育効果を高めるには、受け入れる側においてあらかじめ指導方法や目的を共有するなど、環境を整えておく必要がある。新入社員を順調に早期戦力化できるかどうかは、育成体制をどれだけ準備できるかが大事である。新人育成は、入社前の事前準備から始まっている。

「受け入れ準備」を進めるためのポイント
現場のOJT担当者が新入社員の受け入れをスムーズに進めるためには、どのような準備が必要だろうか。

1.新人を迎える心の準備をする
本人のプロフィールや入社時の希望などの情報を共有し、新入社員を迎える準備を職場全体で進めることも必要だろう。育成の基本は双方向のコミュニケーションにある。先輩社員や上司が関心を寄せているという姿勢を伝えることが関係づくりの第一歩になる。

2.育成計画をつくる
教えなければいけない項目を整理し、「いつまでに」「何を」「どのレベルまで」できるようにするべきか、具体的な行動計画を作成しておく。

3.指導方法を組み立てる。
教育成果を高めるためには、「手取り足取り」教えるだけでなく、新入社員が自ら考え、主体的に動けるような働きかけも求められる。知識を「教えること」と自立を「助けること」を、どう切り替えていくべきか、育成計画に従って、ある程度指導方法を考えておくことも必要ではないだろうか。

新入社員は会社の成長を支える財産である。「受け入れ準備」を整えることは、新入社員の安心感と意欲を高めると同時に、定着化につながってゆく。
JAGATでは、教育担当者、管理職、経営者の方を対象に、新入社員に対する具体的な指導方法、関わり方のコツを網羅した受け入れ準備のための講座を予定している。ぜひこれからの人材育成に役立てていただきたい。

関連情報
「新入社員を即戦力に育てる受け入れ準備」【東京開催】2/23(木)

「新入社員受け入れ準備講座【大阪開催】2/16(木)