人の共感と感動を生み出すプリンティングメディアのコーディネート

掲載日:2017年8月15日

<※無くす手間暇=「ムダ」と無くしてはいけない手間暇=「エモーショナルな価値」>

印刷ビジネスを取り巻く市場では、益々、多様化が進む傾向にある。顧客が購入に至るプロセスにおいてのカスタマージャーニーは、その行動を旅に例えて展開するものだ。例えば、消費者が商品やサービスを認知し、関心を持ち、購入や登録に至る過程は、「点」でなく物語のように「線」で繋がっている。また、話題のオムニチャネル化は、消費者がモノを買う時に、すべて(オムニ)の接点(チャネル)を継ぎ目なく(シームレスに)買えるようになるための環境のことだ。スマートフォンの普及によって加速している。さらに細分化する顧客行動への対応が必要だ。 オムニチャネル化は、顧客個人とのすべてに接点が重要だということだ。接点の分だけコミュニケーション機会ある。その機会の数だけプロモーションやコミュニケーションを支援するビジネスは、チャンスが広がることになる。

<川上ではペルソナの法則、川下では特殊印刷加工のコーディネーション>

例えば、オムニチャネル化でのBtoCにおけるビジネスチャンスは、IT業界のみ話ではない。印刷業界でもその波に乗れば明るい話なのだ。例えば、ダイレクトマーケティングの主役はDMだ。パーソナルに合った凝った印刷物の出番がありそうだ。リアルな売り場もますます重要だ。ターゲットに合わせた五感に訴えるPOPの出番だ。原稿、版、印刷、紙、インキ+加工の「印刷の五大要素+one」を上手く組み合わせ、多様なニーズに合わせて提案することになる。顧客においても、コストより効果を求める可能性が高いといえる。

オムニチャネル化は、機会は増えるが、ニーズを捉えることは簡単ではない。川上(企画)でのキーワードは「ペルソナ」だ。企業が提供する製品・サービスにおいての重要で象徴的なユーザーモデルを探し出し、購買行動の仮説(物語)を立てる。川下では、印刷と加工技術のコーディネーションだ。企画に合わせてクリエイティブの力により幅広い印刷技術、特殊印刷、加工技術、素材を組み合わせてモノづくりを行う。

そこで、印刷業にけるオムニチャネル化に対応した印刷制作のコーディネータだ。これまでのオフセット印刷を中心にしたプリンティングディレクターではなく、マーケティング感覚を持ち、幅広い「印刷の五大要素+one」をコーディネーションできる人材だ。印刷ビジネスは視点を変えればチャンスは広がる。変化対応へチャレンジする勇気と気概が益々必要になりそうだ。

プリンティングコーディネータ養成講座第20期(JAGAT主催)は、様々な印刷技法、素材、作品、人との出会いの場。今年もブラシュアップして10月4日から開催する。

第20期プリンティングコーディネータ養成講座
顧客の伝えたい価値を幅広い印刷表現技術で形にする

詳細はhttps://www.jagat.or.jp/archives/37462をご覧ください。

(CS部古谷)