印刷技術をより早く習得できる実技研修会

掲載日:2019年4月19日

新入社員にとって、専門用語が多い印刷技術知識は座学だけでは容易に理解できるものではないが、実際にDTPソフトや印刷機械の操作をすることにより、理解を助け印刷に対する興味をより深めることができる。

DTPソフトを実際に体験

JAGATでは毎年、新入社員を対象にした印刷製作入門講座(実技編)を開催している。この研修会は3日間にわたって行われる。1・2日目はMacを使用した製作の実習だ。Illustratorで図版を製作し、Photoshopで写真の画像補正を行う。こうして制作したパーツをInDesginで組版作業をし、旅行用チラシの印刷用データを作成してPDFで保存する。

オフセット印刷機を操作

印刷実習では最初にデータを面付けし、RIP処理をしてプレートセッターでCMYK4版を出力する。そして、印刷作業の一連の流れを確認する。
自社の印刷機でも現場関係者以外の人は操作できないが、実習では直に印刷機に触って操作できることが貴重な体験だ。例えば紙積作業で参加者は用紙をフィーダーにうまく積めず四苦八苦する。この作業だけでもスキルを要することを実感できる。印刷工程には細かい作業がたくさんあり、どれかひとつでも不完全な状態にしていると印刷機がストップする。印刷作業は高いスキルをもったオペレーターに支えられていることを理解してもらえる。

参加者に望むこと

オフセット印刷機は鉄の塊であり頑丈な機械ではあるが、印刷物の仕上りに影響を与えるいろいろな変動要素があり素人が扱えるものではない。印刷現場に配属される人はこの実習で体験したことを基礎に印刷機に関わるスキルを積んで印刷オペレーターとしてのプロになってもらいたい。企画・デザイン・制作・営業に配属される人は直接印刷機を操作することはないが、自分が進行させているものが現場でどのように印刷されていくかを頭の中で思い浮かべながら仕事ができるようになってもらいたい。また、総務や事務職に配属された人は自社の工場にはどういう印刷機があり現場の人間にはどういう作業をしているかを理解してもらいたい。
印刷会社としては新入社員にこの実技研修を受講してもらうことにより印刷技術への理解を深めて今後の成長につながることが期待できる。

関連講座
5月8~10日 10:00~17:00
「印刷製作入門講座(実技編)」