JAGATエキスパートDAYは盛況だった。しかし、改めてDTPの基礎項目の重要性が再認識されたとも言える。 続きを読む
「DTPエキスパート」カテゴリーアーカイブ
実務で活躍する人々に学びの場を~エキスパートDAY開催~
12月21日(金)、東京杉並のJAGAT本社にて、「印刷メディアの強みを活かしてあらたな価値を生み出す人材」をテーマとしたJAGATエキスパートDAYを開催した。 続きを読む
DTPエキスパートカリキュラムを読んでみよう
DTPエキスパートカリキュラム第13版は2018年11月に発表された。DTPや印刷の技術だけでなく、現在の印刷を取り巻く環境や印刷ビジネスに求められる要素、今後の方向性などを理解することができる。
「JAGATエキスパートDAY」12月21日開催
“印刷メディアの強みを活かして新たな価値を生み出す人材”をテーマに、エキスパート資格イベントを開催いたします。
広くメディアビジネスに関わる方々にご参加いただけるセミナー、展示等で構成する、いわばJAGAT Summer Fes(夏フェス)に続くJAGATの”場”のご提供です。 続きを読む
自律的な個人と組織の関係
組織における人材計画と個々の従業員のキャリア形成を共に実現する方法を模索する必要性が高まっている。 続きを読む
DTPエキスパート模擬問題(第51期用)販売開始
DTPエキスパート模擬問題は、最新の2期分を通年販売しております。
2019年3月17日試験用の最新模擬問題(第51期用)の販売を開始しました。
ご購入の際は、下記よりお申込みください。
8月実施本試験/9月実施更新試験合否通知発送
下記試験の合否通知を本日発送しました。
8月26日実施本試験(申請時に指定した連絡先宛)
第50期DTPエキスパート認証試験
第26期クロスメディアエキスパート認証試験
9月実施更新試験(ご登録ご自宅宛)
第50期DTPエキスパート認証更新試験
第26期クロスメディアエキスパート認証更新試験
一週間経過しても未着の場合は、JAGAT資格制度事務局までご連絡ください。
これからの人材を考えるイベント『JAGATエキスパートDAY』詳細公開
「印刷メディアの強みを活かしてあらたな価値を生み出す人材」をテーマに、エキスパート資格イベントを開催します。
マーケティング情報と印刷の連係が注目される中、新たな印刷ビジネスを実現する人材に求められるものは何か?
資格受験予定者の情報収集、有資格者の継続学習にも役立つセミナーや展示満載。
自社の人材育成、またはご自身のキャリアのヒントをお持ち帰りいただくイベントです。
【日程】2018/12/21(金)11時~19時(予定)
【参加費】事前登録にてすべて無料
セミナー内容および申込方法等詳細は、こちらからご覧ください。
【DTPエキスパートカリキュラムver.13】[DTP]1-1 印刷物
1-1-1 企画
印刷物を制作するにあたっては必ず目的と用途がある。
これらに基づいて制作のプロセスが進行する。
設計
- レイアウトの基本設計は企画コンセプトによって決定される。コンセプトに基づいて全体の構成や写真の配置、色使い、見出しや文字の大きさ、書体などを決めていく。また、組版の禁則処理や校正など、印刷物を製作するにあたって必要なルールを知っておく必要がある。
1-1-2 原稿
- 原稿には大きく分けて、写真などの階調原稿と、文字・図版などの原稿がある。
1-1-3 印刷物のサイズと用紙
- 印刷用紙のサイズには、「原紙寸法」と「紙加工仕上り寸法」の2つがある。
- 原紙は、印刷や製本を経た後に、仕上りサイズに加工される。
- JISの規格となっている「原紙寸法」には、
・四六判(788×1,091mm)
・B列本判(765×1,085mm)
・菊判(636×939mm)
・A列本判(625×880mm)
・ハトロン判(900×1,200mm)
の5つがあり、名称についてはJISにより規格化されている。 - 原紙サイズを1/2(半裁:はんさい)、または、1/4(四裁:よんさい)に裁ってから印刷することもあるため、元のサイズを便宜上「全判」と呼ぶのが一般的である。
・A列本判=A全判
・B列本判=B全判
・菊判=菊全判
・四六判=四六全判
また、JIS規格ではないが、A倍判やB倍判などといった、大きなサイズの原紙もある。 - 仕上り寸法がA列の場合は、「A列本判」や「菊判」の原紙を使用することが多い。B列の場合も同様に、「B列本判」や「四六判」の原紙を使用することが多い。原紙サイズで印刷した後に仕上げ段階で余分な部分を断裁して仕上げるのが一般的である。
- 印刷物のサイズは仕上り寸法であり、A1のサイズは841×594mm、B1のサイズは1,030×728mmである。一般的には印刷物の仕上りサイズは、倍判や全判の長辺を何度か2分割したものとするのが原則である。短辺と長辺の比率は、1:√2 ̄の関係である。A5は原紙を4回分割したもの(サイズは、210×148mm)であり、原紙から16枚とれる。
- 規格外の仕上り寸法が使用されることも多く、新書のサイズは182×103mmであり、B列本判から40枚とれる。AB判のサイズが257×210mmであるように、特殊な寸法は紙の無駄となる考えから、変形サイズであっても原紙や印刷を考慮して定められたサイズが使用されることが多い。このほか、148×100mmのハガキや、他の規格、慣例的に定められたサイズに則り、印刷物は設計される。
1-1-4 印刷用紙の選択
- 印刷物の品質は、印刷方式や用紙などの条件により、大きく左右される。
- 発色については、紙質の影響を受ける。印刷面に光沢をもたせるときは、塗工紙であるアート系やコート系の用紙を使用する。アート系やコート系の用紙は、カラー印刷物の場合、濃度が高くなり、彩度が高く感じられる。表面が粗く、乱反射を起こす用紙は、濃度が低くなる可能性が高い。また印刷物の発色には、紙の白色度が大きな影響を与える。
上質紙
- 上質紙は四六判で55〜90kg程度のものが本文用紙として使用される。
- 紙質として淡いクリーム色の上質紙は、「裏ヌケ」が目立たず好まれる傾向がある。
- 色上質紙は、「扉」や「見返し」に使用されることが多く、名称が同一であっても製造元によって色合いが異なる。
- 色上質紙を分類する厚さの種類は、「特薄」や「特厚」といった名称で呼ばれ、連量表示とは異なる。
ファンシーペーパー
- 表紙用として、装飾性のある「ファンシーペーパー」が使用されることがある。
- 「ファンシーペーパー」は、四六判のみが提供されているものが多く、連量も限定されている。
1-1-5 印刷用紙と光源
- 光源は種類により、含まれる波長とエネルギーが異なる。したがって、用紙上の色材の色の見え方に影響を与えることがある。印刷の色評価を行うためには標準光源の下で観察することが求められる。
- 用紙上の色材の色は、用紙自体の色、平滑性、吸油度、蛍光物質などの塗工材特性の影響を受ける。
【DTPエキスパートカリキュラムver.13】[DTP]1-2 工程設計
印刷物の制作工程は、プリプレス工程のデジタル化によりシームレスになっている。全体工程を見渡した工程設計と、各工程での責任範囲を決める必要がある。
プリプレス工程では、造本、印刷・後加工の仕様に適合するように、作業の設計を行う必要がある。
1-2-1 全体工程
- 印刷物の制作工程および役割分担は、おおよそ下記のようになる。(制作物の特性によっては、下記のほかにアートディレクターやクリエイティブディレクターという立場の人が関わる場合もある。)
制作物内容の企画(編集者・ディレクター)
誰に向けたどのような情報を伝える制作物かを決めるとともに、その目的に即した情報の表現と演出を検討する。
制作工程確定(編集者・ディレクター)
全体工程と進行の管理をする。
企画に沿った制作物の仕様設計(エディトリアルデザイナー、グラフィックデザイナー:造本設計・紙面設計)
制作物の形状からレイアウトデザインフォーマットまで確定する。
各要素の作成(原稿執筆:ライター、撮影:カメラマン、描画:イラストレーターなど)
DTP制作環境の準備(編集者・ディレクター・システム担当者)
使用するアプリケーション(ソフトウェア)やデータ受け渡し方法などの環境を整える。
レイアウトデータの作成(DTPオペレーター)
ページの基本デザインフォーマットに従って、各ページに要素をレイアウトする。
校正(編集者・各要素作成者)
校正紙を確認し、修正を的確に指示する。
印刷出力用データの準備(DTPオペレーター)
データの印刷適性を確認し、出力環境に沿ったデータ形式で準備する。
色校正(編集者・各要素作成者)
校了
印刷仕様とともにデータを出力側に渡す。
面付け(出力オペレーター)
印刷機にかける版のサイズに合わせて各ページを面付けする。頁物の面付けは、製本の綴じ方や折り方などの仕様によって変わる。
CTPまたは無版印刷へ(出力オペレーター)
印刷(印刷機オペーレーター)
折り(折加工機オペレーター)
丁合・製本・断裁(製本機オペレーター)
その他 - 端物の制作工程では、端物独自の特殊な折り加工(巻三つ折りや経本折り、観音折りなど)を必要とする場合があるので、最終加工を想定したレイアウトデザインをする。
1-2-2 企画と制作工程管理
- 制作の前提条件は、発注者の意向を確かめ、よく吟味して確認することが重要である。
- 制作物は、その内容と目的に沿って設計されることが重要であるため、下記の前提条件の確認が必須となる。
目的:制作物が何のために用いられるものであるかを明確にする。
ターゲット:誰に向けたものであるかを明確にする。
内容:どんな情報を発信するのかを明確にする。
場所:どのような状況で使用するのかを明確にする。
時期:いつ使用するのかを明確にする。
値段:プロジェクト予算や制作物の費用対効果を考慮する。
数量:制作物の発行部数、露出量を明確にする。
方法:どのようなメディアを使用するのかを明確にする。
制作工程の計画
工程の計画・費用
- 企画に沿った制作物を具現化するための工程を計画する。
- 計画に際しては、実作業者が計画を継承して制作を進めるために必要な仕様設計や制作手法、作業工程、詳細設定などを制作工程表などとしてまとめる。
- 制作工程表には一般に下記の項目が必要となる。
― 制作コンセプト(企画意図)
― 費用(各種費用および作業工数に基づく制作工程の数値化)
― 制作環境(ハードウェア、ソフトウェア、環境設定、データの授受方法など)
― 制作工程(全体のワークフローとスケジュール、各種役割分担など)
― 制作物の仕様(造本設計や紙面設計、納品形態、必要に応じて各コンテンツの詳細指定など)
― その他制作上の注意点(制作工程の標準化や効率化など)
工程の進行・管理
- 制作工程の進行・管理にあたっては、指示書をわかりやすく、用語を正しく用いることにより、作業者がスムーズに業務にとりかかれることが望ましい。
- 一連の作業管理のために、作業予定を時系列に記した進行表に基づき、各工程の制作を進行する。
- 書籍制作においては、編集企画段階ではどのページに何が入るかを確認するためのページ割表を作成し、印刷段階ではページ順とノンブルの関係、折りと表裏の関係を明確にするために別途台割表を作成する。