利益を生み出す工場改善

掲載日:2016年6月22日

利益創出は印刷現場から始めよう。7月9日から「工場マネージャー養成講座」を開講する。

発注者が印刷物に求める要求品質は、高まるばかりである。
水上印刷の松崎氏によれば、「1PPMの流出も許されないレベル」という。すなわち100万部の本から、1冊の不良が発見されただけでもクレームとなる。
とはいえ、全数検査を行うとしたら多大なコストがかかってしまう。

「お客様に信頼される印刷工場にするには、どうすればいいのか?」
悩んでいるとき、ポルフ活動(※)に出会い、2000年から取り組み始めた。
『きれいな工場でしか良い印刷物は作れない』をモットーに、4S活動を行っている。

※「ポルフ活動(PPORF)」とは、工場革新のための実践的プログラム(Practical Program Of Revolutions in Factories)のこと。

例えば、月に1回すべてのエリアを巡回チェックしている。
2000年には平均20点で4年間成果が出なかったものが、2014年には平均96点に向上した。

工具をすぐに取り出せるように、所定の位置にウレタンマットで置き場所を作るという工夫をしている。また、すべての書類を1分以内に取り出せるよう訓練している。

機械設備のメンテナンスについては、1日に1回、週に1回、月に1回とメンテナンス項目の細分化を図っており、各機械の責任者・メンテナンスの責任者を明確化している。さらに、それらの情報はいつでもだれでも把握しやすいように、機械に紙を貼って表示している。

不良撲滅のステップは、 ①不良を流さない ②不良を作らない ③不良を作れない、である。

■ ステップ1 : 不良を流さない
-工場の外に不良品を出さないための検査体制の確立

■ ステップ2 : 不良を作らない
-作業の標準化や機械設備の予防保全の徹底

■ ステップ3 : 不良を作れない
-あらかじめ起こりそうなトラブルを未然に防ぐための創意工夫

そして、人材教育に惜しみなく投資し、全員参加で取り組んでいることが大きな特徴である。

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利益創出は現場から始めよう。
JAGATは、7月9日から「工場マネージャー養成講座」を開講する。

品質管理、生産管理、原価管理、人事管理(リーダーシップやコミュニケーションを含む)、安全管理など、工場マネジメントという視点で、管理者に求められる要素を体系的に学習できる。
講義とグループワークで改善手法を学び、工場見学と振り返りで自社への実践手法を体得するものだ。

(CS部 小須田紀子)

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