お客様に選ばれる印刷会社になる~プリンティングコーディネータ養成講座を修了して

掲載日:2016年8月30日

印刷の総合的な横断知識と、高いコミュニケーション能力を修得するのが『プリンティングコーディネータ養成講座』。修了生の声をお届けします。

競合他社との差別化を図り「お客様に選ばれる印刷会社」となるためには、何が必要だろうか? 技術力、設備力、印刷ノウハウ、企画提案力などいろいろあるが、最も大事なのは「人」ではないだろうか?
お客様の多種多様なニーズを聞き、自社の強みを生かして、何が提供できるのか? お客様と一緒になって考えることができる人材が必要だ。

JAGATでは、印刷の総合的な横断知識と、高いコミュニケーション能力を修得する「プリンティングコーディネータ養成講座」を開講する。
2013年に本講座を修了した青葉印刷株式会社 杉原 潤氏から経験談をいただいた。

aoba_sugihara
青葉印刷株式会社
設計部 顧客支援課 リーダー
杉原 潤 氏

自己紹介
1999年 青葉印刷株式会社入社。
制作部にてDTPオペレーターを3年間経験したのち、生産管理部配属。
用紙発注・外注発注・工程管理担当として現在にいたる。
営業支援と内製化推進に注力している。

短納期・低コスト・内製化率の向上を図る

私は、2013年に「プリンティングコーディネータ養成講座」を受講しました。
受講の動機は、「印刷と後加工の基本的な知識が不足している」と痛感したからです。
DTPオペレーターとして入社し、のちに生産管理部配属になりましたが、最初は「折丁」「ドンテン」「付合せ」など分からないことだらけでした。
それでも諸先輩方に鍛えられたおかげで、数年後にはなんとか工務としての仕事ができるようになりました。ですが、現場を経験していない私には次のステップがクリアできずにいました。
生産管理としての重要な役割は、「短納期・低コスト・内製化率の向上を図る」ことと考えます。これを実現しようとした場合、「変動要素が多い環境のなかで、いかに効率よく仕事の段取りができるか?」ということに尽きます。
「10の負荷を12にすることなく、9や8にして生産現場に提供することができないだろうか?」。
効率の良い段取りを実現するには、印刷や後加工の基礎基本が分かっていなければ、できるはずがありません。かえって現場で仕事をする方たちの足を引っ張っているのではと感じていたときに本講座を知りました。
何ごとも基礎基本がしっかり理解できていなければ、その上に乗っかる知恵も乏しいものになってしまいます。また年齢を重ねるほど、基礎基本の部分を「周囲に聞くに聞けない状況」に陥りがちです。
印刷に関する知識を基礎から学べる本講座に魅力を感じましたし、講師の方々から日々の仕事にすぐに生かせるヒントが直接伺えそうだということも楽しみに、受講させていただきました。

日々の仕事や困りごとにすぐに使える知識やヒントが満載

実際に受講してみての感想に触れたいと思います。
広島県福山市の弊社から東京まで片道3時間30分掛かりますので、朝9時30分の講座に出席するためには前日15時まで通常業務。新幹線で移動。前泊となるわけですが、これを月に2回となると、ちょっとキツかったなというのが正直なところです。(2016年は午後開講 編集部)
ですが、講座が始まってしまうと疲れや眠気は感じませんでした。内容が具体的で「今、仕事で困っていること」の話題が多かったからだと思います。レジュメの内容も盛りだくさんで(帰りのカバンがパンパンに膨れ上がったことも)、帰ってきてからの社内共有に役立ちました。
一番強く感じたことは、講師の方々は皆一様に実務に携わり、私たちと同じようにトラブルに悩み、解決し、時には失敗もしながら仕事をしてきた経験からのお話だということです。受講している私たちが、「明日から使える」「帰ってみんなにこの話をしよう」と感じられる内容でした。日々の仕事や困りごとにすぐに使える知識やヒントがたくさんありました。

現場での経験と講座で得た知識をリンクさせ、より高いレベルを目指す

知識ばかりで頭がパンパンになっても、仕事では「ほとんど役に立ちません」。
知識を仕事で生かすレベルまで昇華するためには、日々私たちの周りで起きている現象と知識とをリンクさせる作業が必要だと思います。講座修了後はそれを心駆けました。
そうすると「なぜこのようなトラブルが起きるのか?」「原因は何か?」「以後、同様のトラブルにならないように気を付けるポイントは何か?」というように、トラブルシュートだけではなく次のときにはどうする? ということまで考えられるようになりました。
仕事に関する視野が少しずつではありますが、広がっていると感じます。
受講生同士の交流も視野を広げる魅力の一つだと考えます。
同じ印刷会社と言いながら、仕事のルールやアプローチなどは、会社ごとに面白いほど違います。会社が違えば、組織が違う、役割分担が違う、同じ印刷を仕事としているのにこんなに考え方が違うのかぁ……と刺激を受けました。

この秋からの受講を考えている方にメッセージ

知識を得ただけでは生かすことはできないと思います。会社によってルールも少しずつ違うので、聞いた話をそのまま使えると勘違いしたらいけません。講座を修了しただけでプリンティング・コーディネータと思ったら大間違いです。
知識を得ること、いろんな人の考え方に触れることは大切なことです。得た知識を必死になって生かそうとするところに面白さや仕事の楽しさがあるように私は思います。
本講座は、仕事を面白く、楽しくするためのインプットの場であり、新しいキャリアのスタート地点なんだろうなと思います。

(まとめ CS部 小須田紀子)

2016年10月4日(火)開講 「プリンティングコーディネータ養成講座」
https://www.jagat.or.jp/archives/26359