新しい形のミドルマンとプリンティングコーディネータ

掲載日:2017年10月10日

10月4日(水)から第20期プリンティングコーディネータ養成講座が開講した。今回の重点テーマは、「顧客の伝えたい価値を幅広い印刷表現技術で形にする」である。

この講座は、コーディネータという確立された概念や人物を想定したものはない。資格取得するものでもない。印刷ビジネスでは、コーディネートする事柄が、限りなく広く、時代と共に、刻一刻と変化するからだ。コーディネータという言葉の意味は、いろいろな要素を統合したり調整したりして、一つにまとめ上げる人のことである。多様化する顧客の要望に応えるためには、多様な技術とクリエイティブをまとめ上げるコーディネータが不可欠だ。

商業印刷にみるスクリーン印刷

スクリーン印刷は、オフセット印刷に比べ市場規模は小さいが、様々な分野で利用されている。

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その理由としては、

印刷できる材料の種類が豊富で、紙・ガラス・プラスチック・合成樹脂・金属・布など、多くの材料に印刷ができる。版に柔軟性があり、印刷圧が低いので多種な材質(柔らかい/硬い素材、厚い/薄い素材、曲面/凸面/凹面)にも印刷ができる。

インキの種類が豊富で水性・油性・UV硬化型・粉体(金粉、銀粉、パール粉)・機能性インキ(香料、蓄光、ミラー、変色など)などが印刷できる

インキを厚膜に印刷できるので、発色・隠蔽力・耐候性に優れている。

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スクリーン印刷の用途 は、
工業製品(計器類、CD・DVD、電機部品、液晶ディスプレイ、成型物、プリント回路など)、生活用品(玩具、文房具、Tシャツ、各種パッケージ、容器、木工品、ガラス、陶磁器など)、商業関係(ポスター、看板、POP、ディスプレイ、ステッカー、標識など)がある。
規模の大きいものは工業製品で、商業印刷においては、小規模な事業形態がほとんどだ。魅力ある技術力はあっても販売力やマーケティングにおいてビジネスパートナーを欲している。繋げることでビジネスへの可能性を秘めている。

現代のミドルマンとコーディネータ

ミドルマンとは、ポール・ラザースフェルト(1901~1976)という社会学者が提唱した概念だ。「専門家の難しい考えをわかりやすく説明したりイメージ化したりできる人。無数のメディア情報を受け取ってそれを要約し、自分の属する小集団に伝える存在(オピニオンリーダー)もミドルマンと言える。」とある。 スクリーン印刷業を含めた幅広い技術は、クリエイティブと結び付け多種多様な人との関わりによって形となり価値を発揮する。間に立って繋ぐ役目のコミュニケーターが必要だ。現代におけるミドルマンだといえる。従来のミドルマンに加え顧客志向、マーケティング感覚が必要だ。現代のミドルマンは、印刷ビジネスにおけるコーディネータの存在のようだ。

「プリンティングコーディネータ養成講座第20期(JAGAT主催)」は様々な印刷技法、素材、作品、人との出会いの場として10月4日から開講した。

第20期プリンティングコーディネータ養成講座
顧客の伝えたい価値を幅広い印刷表現技術で形にする

詳細はhttps://www.jagat.or.jp/archives/37462をご覧ください。

(CS部古谷)