企画提案へのトライアル ー印刷営業20日間ゼミ開催報告ー

掲載日:2018年6月19日

印刷会社は今、高品質の印刷物を作るだけでなく、お客様の販促支援や課題解決に向けた商品やサービスを提供していくことが求められている。

印刷営業未経験者の早期育成を目指す短期集中講座「印刷営業20日間ゼミ」が、5月14日~6月8日の期間で開催した。

短期間で印刷営業の基礎をひと通り習得し、実務知識の強化を目標に、ほぼ1ケ月にわたって、①印刷物の製作知識 ②印刷営業実務知識 ③コミュニケーション能力 ④新しいビジネスの機会に向けた企画提案の4つをテーマに構成されたカリキュラムに取り組んだ。
お客様の多様なニーズに応えられるようになるためには、印刷物の提供だけでなく、印刷+αの視点から、新しいビジネスの可能性を掘り起こしていくことが求められる。基礎的な印刷関連知識を備えた上で、従来の考え方にとらわれず、柔軟な発想で提案を行うための企画力および実践力を養うことが必要だ。

20日間ゼミでは、印刷営業の育成にあたり、印刷物製作のための基本知識の習得に加えて、今年から「企画提案フィールドワーク」(小澤歩講師)を新たに導入した。提案のノウハウを座学で学ぶだけでなく、20日間を通して、実際の案件に対する解決策を一から作り上げ、提案まで形にする実践的プログラムだ。今回、地元商店会にご協力いただき、秋に実施するイベントの販促プランの作成に向けて、参加者には情報収集のためのヒアリングからプレゼンまでを一通り体験してもらった。

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「企画提案フィールドワーク」は研修中に習得した知識を応用に活かすという目的も備えており、「お客様の要望に応えるために、何が出来るのか」を一人一人がじっくり考えながら、企画の骨組みを作り上げてゆく。後半は外部での見学や実習が増える中、出来上がったラフ案に対する講師からのフィードバックを元に、講義の合間にディスカッションを重ねながら提案の形にまとめ、最後はクライアント同席でプレゼンを実施した。

終了後に、参加者の方からさまざまな感想をいただいた。
「現状や原因を深掘りしながら進めることが難しかったが、講師の方から分かりやすいアドバイスをいただき、マーケティングの理論や企画の立て方を一から学ぶことが出来た」
「最初は試行錯誤をしたが、時間をかけて取り組めたので、完成することが出来て良かった。」
「提案にいたる疑似体験が出来たのが、よい経験になった」
「効果や売上を想定しながら、企画を考えることの大変さ、相手に受け入れてもらえる提案が出来るようになるためには、経験を積む必要があると実感した。」
「グループでディスカッションしながら企画を進めていくのは楽しかった」

短期間でプロセスを学んだだけでは、「企画提案」のコツはなかなか身につかない。今回のフィールドワークも、途中で企画の目的や方向性を見直すなど、形にするまでには試行錯誤が繰り返されたが、20日間という一定のタームで、段階を追って取り組んだからこそ、可能だった面がある。まだトライアルの段階だが、今回体験した提案のひな形をぜひ実践へと繋げていっていただきたい。

「企画提案」のワークを挟みながら、並行して営業に必要な実務能力を育成する「仕様設計実務」(田中信一講師)や「見積り講座」(高見隆登講師)のような演習主体の講義が続いた。「仕様設計」では、お客様の意図を的確に印刷物に反映させるための営業ツールである「制作仕様設計書」や「ページネーション」の課題に取り組んだ。また、新講座「印刷ビジネスに活かす動画企画」(前田考歩講師)では、印刷と各種メディアとの連携の視点から、印刷ビジネスと親和性の高い動画のあり方をテーマに、具体的なサンプル事例とともに解説していただいた。

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20日間の最終講義「結果を出せる営業の秘訣」(布施貴規講師)は、習得した知識やスキルを実践の中で活かし、結果を出していくための取り組み方や「個人」と「組織の一員」としての成果に対する考え方の違いなどをワークを交えながら進み、これから実践の場に戻ってゆく参加者に向けて、示唆に富んだ講義で締めくくられた。

印刷営業未経験者対象ということもあり、以前は新卒の営業職が多かったが、最近は中途入社の方や、他部門から営業に異動になったばかりの方、営業以外の職種で総合的に知識の習得を目指す方など、年齢やキャリアも幅広い層に変化しつつある。20日間ゼミのカリキュラムは新人営業職だけでなく、中途入社や後継者の方など、様々なバックグラウンドを持ちながら、印刷関連の基礎を強化したいと望むすべての人々に開かれている。

この一ヶ月を完走したひとりひとりが、今後現場での実践を通し、学んだ知識や経験への理解を深め、仕事において活かしていっていただきたい。

(CS部 原 淳子)