印刷業定点調査 各地の声(2018年2月度)

掲載日:2018年7月12日

2月の売上高は△2.6%。昨年9-10月をピークに4カ月連続の減少、前3カ月よりもマイナス幅が拡大して先行きがやや心配される。

地域別では、首都圏(△2.6%)が2カ月連続の減少、12月を短期的なピークとして伸び率が低下し続けている。名古屋圏(△5.6%)は昨年11月以降、低調に推移している。大阪圏(+3.2%)の5カ月連続増加は2013年11月-2014年3月以来。インバウンド需要、経済の好調を背景に、ここ数年にない活況を呈している。

業種・業態別では、商業印刷(△3.2%)が4カ月連続の減少。この2年、選挙特需でにぎわった昨年11月を除いて不振にあえいでいる期間が長い。東京に多い出版印刷(△0.2%)は5カ月ぶりの減少。地方に多い総合印刷(△5.6%)は大きな落ち込み。紙器・事務・その他(+0.6%)は2カ月ぶりの増加。規模別では99人以下が堅調の一方、100人以上の減少幅が大きい。

材料仕入額は、用紙(△6.1%)が3カ月連続の減少。インキ(+4.0%)は5カ月ぶりの増加。CTP/PS版は(+2.1%)は2カ月ぶりの増加。特にこの1年は用紙とインキの少なさに比べてCTP/PS版は多く、小ロット化の進んでいる様子がうかがわれる。この4カ月は労働時間(△2.4%)も短く、印刷を取り巻く市場環境の厳しさが反映されている可能性が高い。

【印刷会社経営者の声】

北海道:総合

日本ハムファイターズの札幌市からの転出が決まってしまいました。行政との調整がうまくいきませんでした。仕事帰りに球場に足を運ぶのが難しくなるでしょう。広島市のカープとの連携のようにうまくいくと良かったのですが、札幌市は正反対です。

茨城:商業

県内の観光地に外国の観光客が確実に増えています。更に増えるように自治体と協力していきます。

東京:商業

積み重ねていくには、知恵と仕組みが必要だと思いました。

長野:総合

情報の共有化。営業・制作による提案案件の共有→顧客の要望を重視し、デザイン・制作の工程管理、進捗確認の上、提案を出す。活動時間の効率化を考え改善を計り、見える化によってより良い提案を行い、受注につなげることが必要です。

岐阜:総合

今期の締めとなる最終月(2月)は昨年と比べ売り上げ、利益ともに厳しい結果となりました。景気が良い時ほど足元をしっかり整えないといけないと、改めて認識しました。守りの経営、攻めの経営、バランス良く行いたいものです。

岐阜:その他

新入社員を迎える時期になった。新人がやって来ると職場の雰囲気が変わる。手本になろうと向上心が高まる者、抜かれまいと危機感を募らせる者、いずれにしてもプラスに働いてほしいものである。

和歌山:商業

年度末である3月は1年で最大の繁忙月であるが、今年は後半になっても落ちついている。気候と同じく混沌とした状況下において、春の到来とともに、攻めの戦略を仕掛けていきたい。

岡山:商業

年度末で例年なら売り上げのかき入れ時ですが、非常に動きが鈍いです。何か動き方を変える時といえます。

山口:総合

ここにきて受注が先の3カ月より低下傾向。昨年と同じように4~6月の停滞を懸念する。

(JAGAT info 2018年4月号より)