続く売り手優位の採用市場!内定者を逃さないための内定後フォロー施策~19年新卒採用~

掲載日:2018年8月17日

「19年卒マイナビ大学生内定率調査(7月調査)」によると、7月末日時で79.7%の学生が内々定を受けている。2017年(18年卒)と比べても0.8ポイント高く、依然として売り手(学生)優位の市場が続いている。

学生の内々定保有者数は平均2.2社であり複数保有している学生が多い。また、内々定を保有している学生の19.7%が今後も就職活動を継続すると回答している。この結果から、20%弱の確率で内々定を辞退される可能性が含まれており、企業の採用担当者としては、大きなリスクを保有しながら4月の入社時期までを過ごすことになる。

企業は、内定辞退率を低下させるための施策として「内定者へのフォロー」が重要となる。企業が実施しているフォロー策は複数あるが大別すると3つのカテゴリーに集約される。

<企業が行う主な内定者フォロー施策>
——————————————————————
1)内定者同志のコミュニケーション
 ・内定者懇親会
 ・内定者専用Webサイト
——————————————————————
2)会社の理解度アップ
 ・先輩社員との面談及び懇親会
 ・人事担当者との面談及び懇親会
 ・会社見学
——————————————————————
3)教育機会の提供
 ・グループワーク研修
 ・通信教育
 ・e-learning
——————————————————————
「18年卒マイナビ就職モニター調査7月」によると、6割の企業が内定者フォロー施策として内定者の懇親会等、内定者同志がコミュニケーションを図れる機会を設けている。懇親会であれば人事担当者も労せずにセッティングができるし、学生も強く求めているため内定者フォローとしての効果は高い。一方、学生が求めているフォロー内容に対して企業が実施していない施策に大きな乖離があるのが「教育機会の提供」だ。

<企業と学生の内定者フォロー内容におけるギャップ>

内定者フォロー内容 企業実施 学生希望 ギャップ値
勉強会・グループワーク研修 9.3% 34.6% 25.3%
通信教育 1.1% 13.8% 12.7%
e-learning 1.0% 16.0% 15.0%

※「18年卒マイナビ就職モニター調査7月」を一部抜粋

この統計で類推できる今の学生の特長は、早く知識を習得することで入社する会社への不安の払拭や、早期に活躍するためのキャリア形成に対して、ポジティブに捉えている。少なくとも、内定者へのフォロー施策としての教育の機会を学生が求めているのに、多くの企業が実施していないのであれば、内定防止策としても「教育機会の提供」は有効な手段である。

ここで印刷業の内定者教育と考えると、印刷業や自社のビジネスが理解できる内容が好ましい。教育の内容として、通り一辺倒のビジネスマナー等の一般教養だけでは、自社への理解が深まらないし、他業界の企業との教育内容における差別化が図れない。印刷業界の特長であれば、「生活のあらゆるところにある身近な印刷~社会的意義~」「印刷物がどのように作られるのか」「印刷だけではない印刷会社の新たな可能性」など、印刷業の概要や将来性を学生の身近な生活と関連付けながら教育プログラムを作ることができれば、より理解を促進することができる。
印刷業はモノづくりの観点からも非常に魅力的な業界である。こうした情報を教育機会とあわせて内定者へ伝えることで、内定辞退を低下させる一つの方法である。

JAGAT 教育サポートチーム 塚本直樹

<関連講座>
■通信教育「印刷業のための新入社員コース」
https://www.jagat.or.jp/archives/3756
■セミナー「秋のスキルアップ研修」
https://www.jagat.or.jp/archives/47245