企業の顔とも言える広告が、意図せず批判を浴び、炎上を招く事例が多数発生しています。このような現代において、ブランドイメージを守り、顧客との信頼関係を築き続けるためには「コンテンツの品質」と「社会への倫理的配慮」の両立が不可欠です。
近年の炎上事例は、価値観・倫理観の変化に追いつけない表現が主な原因であったことを示しており、無意識の偏見や安易な演出が社会の逆鱗に触れるリスクが大幅に増していることを示しています。具体的な事例からも、その教訓は明らかです。
最近の炎上事例
あるブライダル情報サービスのCMに、結婚可能な年齢に達していない未成年モデルが起用され、「未成年の結婚想起は不適切」と批判が集まりました 。
とある飲食チェーンがエイプリルフールに主要商品の販売停止というSNS投稿を行った際、米の価格高騰という現実的な背景と相まって不快だと物議を醸しました。エイプリルフール企画は「わかりやすい嘘」、「皆がハッピーになる嘘」がセオリーであり、現実感があり不快感を招く内容は避けるべきであることを示しています。
また、あるコンビニエンスチェーンの特定のネーミングが施されたおにぎり商品に対し、「古い在庫の処理」、「言葉のごまかしだ」と批判を受けた事例がありました。ネーミングやキャッチコピーが与えるイメージや社会への影響を十分に考慮することの重要性を示しています。
これらの事例が示すのは、広告が単なる商品説明ではなく、社会との価値観の対話になってきているという現実です。そのため、無意識の偏見や安易な演出が社会の逆鱗に触れるリスクが大幅に増しているのです。
不可欠な校正
また顧客から信頼される広告・コンテンツを制作するためには、「校正」が不可欠です。「校正」とは誤字、脱字、スペルミス、表記のゆれ、文体ゆれ、重言、二重敬語など表記の誤りを正確に修正するプロセスです。これにより、文章は読みやすく、正しい情報が伝わりやすくなり、間違いのない文章が担保されます。
校正の徹底は、企業の品位やブランドイメージの毀損を防ぎ、印刷物の刷り直しによる多大なコスト増や時間浪費、さらには法律や規制に関わる情報の誤りによる法的リスクも回避できます。コンテンツがどれほど優れていても、小さなミスがあるだけで信頼度は低下するため、校正はコンテンツの品質を底上げし、発信者の存在価値を高める重要な役割を担います。
このような背景からJAGATは9月16日(火)に【印刷物・広告制作の『品質』と『信頼』を両立!校正&倫理実践講座】を開催いたします。本講座では、高品質な印刷物を提供するための校正の基礎知識と実践的なスキルに加え、炎上を未然に防ぐための広告倫理を深く学びます。表示に関する法律知識から、炎上事例、コンテンツ制作の注意点まで、多岐にわたるカリキュラムで、皆様の広告・コンテンツ制作における「品質」と「信頼」を盤石なものにします。奮ってのご参加を心よりお待ちしております。
印刷物・広告制作の「品質」と「信頼」を両立!校正&倫理実践講座
2025年9月16日(火) 14:00~17:00
(研究・教育部 河原 啓太)