会長の網野より新年のご挨拶

掲載日:2026年1月5日

新年明けましておめでとうございます。昨年は私の地元の関西が、久しぶりの大型イベントと地元球団のリーグ優勝という明るい話題で盛り上がり、さらにはインバウンド需要が地元に大きな経済効果をもたらしたという話題で溢れました。今年は日本全体が好循環サイクルへの転換を確かなものにして、長く続いたデフレ経済や社会を変えたパンデミックの影響から脱却できることを大いに期待しています。

さて、先の大阪・関西万博は、国際イベントとして大成功を収めました。そして、実際に私が会場を訪れて体験し驚いたのは「キャッシュレス」と「ペーパーレス」、すなわち情報へのアクセスや入場がスマートフォンとQRコードに集約されていた現実です。会場内で唯一手にした印刷物は、200円で販売されている有料の公式マップでした。未来を描く万博会場だからかと思いきや、その後に訪れたジャパンモビリティショー(旧:東京モーターショー)の会場も同じで、カタログの配布はなくQRコードからの情報収集にすっかり姿を変えていました。
このように今ではスマホでの情報アクセスが当たり前となり、景色が大きく変わっています。しかしながら、会場を訪れた人々は新たな方式を受け入れ、より快適にイベントの体験を楽しんでいるようでした。大規模な催し物は地域に好況をもたらし、その影響で印刷業界も特需でにぎわうのがこれまでの通例でしたが、今やその関連性は失われてしまったように思えます。

また、「AI」の急速な技術革新が印刷産業にもこの先大きな影響を及ぼすことは間違いないでしょう。私たちはこれまでも幾多の技術革新を取り入れながら、その時々で新たな価値を生み出してきました。DTPから始まった印刷業界のデジタル化は、その後の約30年の間に業界の分業体制という垣根を崩し、世の中のデジタルシフトに適合する変化をもたらしました。そしてこれからは、AIの進化とその影響による社会の変化に応じて最新のテクノロジーを積極的に取り入れ、新たな価値創造にチャレンジすることが期待されています。

JAGATの今年のテーマは「Re:Connect」です。page2026では、印刷を通じて人と人を「つなぐ」という主体的な表現で、印刷の新たな価値創造を考える提案を行っていきます。AIの登場によって世界中の人々の行動様式が短期間で大きく変化していくなか、印刷産業は社会にどのような新たな価値を提供できるのか。これから先の大きな技術革新の序章を迎える時に「わくわくする印刷産業の未来の姿」を描く機会となることを願いつつ、皆様のご来場をお待ちしております。

公益社団法人日本印刷技術協会
会長 網野 勝彦