PrintSureを活用したオンライン入稿データ管理

掲載日:2014年8月25日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ユーザレポート:PrintSureを活用したオンライン入稿データ管理

 

 東京カラーフォト・プロセス株式会社

 営業統括本部長 高木 尚之 様  班長 倉内 誠 様

 東京カラーフォト・プロセス株式会社(東京都新宿区市ヶ谷)は、昭和39年創業の印刷全般の総合プリプレス企業です。平成5年にはデジタル部門として「Cloud Nine」が、平成16年からは「Digital Shop CLOUDNINE」(東京都新宿区新宿)としてリニューアルオープンしています。
 制作部門の若松町事業所とはMacOS Xサーバでデータを共有し、オンラインデータ入稿を「PrintSure」を使って行っています。

 

◆サーバでつなぐ2つの事業所

 同時に何冊もの月刊誌を中心に制作物を扱う東京カラーフォト・プロセス株式会社では、ワークフローの管理用にPDFワークフローマネジメントシステム「Prinergy」を使用しており、何が現在どこまで進行中なのか一目で分かるようになっています。プリプレス生産管理支援システム「Konica NeoStream Pro」とVPJのオンラインデータ入稿ゲートウェイサーバ「PrintSure」の組み合わせで、ワークごとにセキュリティ、アクセス権を管理しています。
 入稿から印刷までの流れは、まず、「PrintSure」経由でサーバへ入稿され、CLOUD NINE事業部の営業が入稿データを把握し制作に流します。組版されたデータはPrinergyでアウトラインPDFにされ、印刷工程へと流されます。「現在の所、若松町事業所にある制作側でPrintSureを使っているとはいえ、従来のサーバへデータが入ってくる時との大きな違いは感じていません。それゆえ、違和感無く作業は進んでいます」(若松町事業所:三角氏)

 ◆「PrintSure」導入するきっかけ

出版社/印刷会社向けのデータ入稿システムとして「PrintSure」を2006年7月から稼働させています。
ますますデータ入稿が増えてくる現状を踏まえ、データ入稿における基準が作りたかったのです。どういったデータがいつ入っているのかを担当者が管理しなくてはなりませんし、制作と営業の拠点が離れているので、電話で「サーバにデータを入れました」という一言では現場も混乱します。
 雑誌制作では記者、デザイナーがそれぞれいろいろなデータをサーバに入れます。そのため、いつ、どのデータが入って来て、足りないのは何か、営業がそれをとりまとめるのが大変でした。社内にいてサーバの中身を見ないと、詳細は把握できません。一つの雑誌制作にはけっこうな人数が関わりますし、それを「ネーム」「レイアウト」と「素材」と、まとめていかなくてはいけません。
 求めていたのは入稿時に必要な情報を入れられて、入稿されたことがすぐ担当に通知される仕組みでした。そして、メール添付やAFPサーバ経由並に、だれでも簡単に入稿できるものであることが重要でした。
 最近は完全データ入稿が増えており、Illustrator、QuarkXPressなどの完全データ入稿で、チェックして面付けし、フィルムを出しておしまい、という自動的な流れができています。雑誌によっては、8割方が完全データ入稿をしています。将来的にPDF入稿になってもそのまま「PrintSure」で対応できます。データの種類によって入稿システムが違うのは混乱の元ですので避けたい所です。現状のワークフローの問題点を解消することはもちろん、将来的なワークフローの構築もできる点も「PrintSure」を選んだ理由です(CLOUD NINE事業部:高木氏、倉内氏)。

 

◆期待する変化

メールや無料ファイル転送サービスなどを使った入稿のトラブルが絶えず起こっており、その都度、再送をしてもらうのですが、最初からファイルが壊れていたのか、転送方法に問題があるのか、受け取った側では判断できないため、無駄な時間を取らせてしまうこともありました。「PrintSure」では、Macのファイル形式に完全対応しているのでそういった問題が無くなるといいですね(倉内氏)。

 

◆実際に稼働してみて

「雑誌名」「担当者名」「ページ名」「種類」などを簡便に入力できるようにして入稿側の負担を増やさないように工夫しています。そして入稿があったら担当営業と制作部門にメールが届くようにしてあり、素早い対応ができます。
 実際に、PrintSureを使ってデータが入って来た際のメール通知をとおして見てみると、ぽろぽろと頻繁にいくつもデータ追加や「間違えたので差し替えてください」などと、何度も入れ替えていたことが、今回になって分かりました。今までのように一つのサーバでやっていた時と、イメージが違いましたね。サーバにどんどん入れられていた物が、今までどうなっていたか分からないですね。正直こんなに差し替わっているとは思わなかったんです。今は履歴が残るので、差し替えたのがいつで、何かが、はっきり分かるようになりました。データの流れは完全な一方通行なので、いつの間にか差し替わっていることも無くなり安心です。営業側からは、こういうのが欲しかった、という声もありました(倉内氏)。

 ◆コミュニケーションの変化

 従来はMOなどでの入稿が基本でしたので、営業が取りにいく時に用件を聞いたりしていましたが、AFPサーバを使うようになってからも、「いつに入れました」というような連絡などの直接的なコミュニケーションは取っていました。
 今ではPrintSure上で、データを送信する時に入力する品目やコメントなどの情報だけで済んでしまうため、逆にコミュニケーションが無くならないだろうか? という不安感は無くは無いですね。
 土日に営業が居ないこともあるし、メールでの通知を見ることで、データを入れてくれているのだな、ということは把握できるようになり、フォローはすぐできるようになりましたよ(高木氏)。

 

◆今後の展開

 印刷も着実に進化しており、フィルムからCTPへと移り変わりつつあります。今まで4台稼働していたフィルムセッタも、現在は2台だけの稼働になっています。
PDF/X-1a形式などのPDF入稿から、アウトラインPDFを書き出して印刷、という流れの印刷工程になると、仕上がりまでの時間も短縮されるようになります。制作・印刷工程では、PDF入稿が増えるということは、作業が簡略化されていくためには、ありがたいことではあるけれど、出版社がPDF入稿をするに至るまでには、編集部側でのPDFフォーマットのスキルが必要になってきます。その基盤が育たないと難しいでしょう。PDF入稿も今現在まだまだ1~2割を数えるほどで、増えて行くにはこれから少し時間がかかるのかもしれません。これからは、PrintSureでの必要条件を満たしているかどうかPDFをプリフライトチェックしてくれる機能に期待しています(三角氏)。

 

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■関連情報
 東京カラーフォト・プロセス株式会社
 【CLOUD NINE 事業部】
   〒160-0022 東京都新宿区新宿1-30-16
ルネ新宿御苑タワー1F
  TEL 03-3354-3343
  URL http://www.cloud-nine.co.jp/
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『プリンターズサークル』2006年9月号より

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(2006年10月)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)